55 / 112
55.一番危険なルート
しおりを挟む
自分が被っている仮面を見破られた事に驚いた公爵だが、ならば素の自分を見せようと思い、ヒロインにもそれを望む。
そして、自由奔放で平民らしく楽しそうな姿を見せるヒロインとは対照的に公爵の素は……褒められる行為を止める事なわけで……ヒロインを落とすような言葉を投げかける。
相手の表情も何もかもを気にせず、心を傷つけ、更には身体をも傷つけ……思った事を口にしては全てを否定して、ヒロインはズタズタにされるも逃げる事が出来ないように婚約者となる。
公爵家と男爵家。しかも王族の血が入っている為に身分違いも甚だしいが、公爵からの申し出を断る事も出来ず、有無を言わさず囲い込まれ、邸に住まわされ、身体を暴かれる。
挙句、傷をつけられ、穴を開けられたりと散々いたぶられると、手足を失くしたような表記のあとに遠まわしな残骸的とされる言葉が残されるだけで、最後どうなったのか詳しい説明はないのだ。
「「このルートだけは無理」」
私とカローラの言葉が重なり、ポピーも真っ青な顔で驚愕してながら、まさか公爵が……なんて言っている。アイビーだけは相変わらずの無表情というか、それが?と言わんばかりの態度に似たもの同士かと言いたくもなるが、触らぬ邪神に祟りなしだ。
「とりあえず高位貴族相手だから緊張で震えているという事にして……」
「王太子殿下相手では震えてませんよね」
「……平民らしい姿を見せず」
「スイーツ作りをおおっぴらに行ってますよね」
私の対策にアイビーは問答無用でダメだししてくる。うん……言われてみればそうなんだけどね!?もう泣きたくなってくるというか、時間が戻せるなら生まれ変わる前に戻して欲しい!こんな世界選ばないからー!!
「むしろ婚約を持ちかけられないようにしなければいけないのでは?」
ポピーがノートを見ながら、そんな事を口にするとアイビーも頷いた。
「そうですね。王太子ルートが潰されてしまいますから。最終的には亡き者にしてしまえば良いですね」
「アイビー!?」
「全てはカローラ様の幸せの為に」
シレっと危険な発言をしたアイビーを咎めるようにカローラが声をかけるも、この身は全てカローラに捧げていると言わんばかりに言葉を返す。
忠誠心、凄いなーなんて思わず感心してしまう。ある意味で危険人物なアイビーの手綱を握るとは、本当にカローラは凄いと思う反面……その調子ならば王太子の手綱も握れるのでは?と淡い期待も抱きたくなってしまう。
……考えが読めるのか、アイビーに思いっきり睨まれてしまったけれど……。
そして、自由奔放で平民らしく楽しそうな姿を見せるヒロインとは対照的に公爵の素は……褒められる行為を止める事なわけで……ヒロインを落とすような言葉を投げかける。
相手の表情も何もかもを気にせず、心を傷つけ、更には身体をも傷つけ……思った事を口にしては全てを否定して、ヒロインはズタズタにされるも逃げる事が出来ないように婚約者となる。
公爵家と男爵家。しかも王族の血が入っている為に身分違いも甚だしいが、公爵からの申し出を断る事も出来ず、有無を言わさず囲い込まれ、邸に住まわされ、身体を暴かれる。
挙句、傷をつけられ、穴を開けられたりと散々いたぶられると、手足を失くしたような表記のあとに遠まわしな残骸的とされる言葉が残されるだけで、最後どうなったのか詳しい説明はないのだ。
「「このルートだけは無理」」
私とカローラの言葉が重なり、ポピーも真っ青な顔で驚愕してながら、まさか公爵が……なんて言っている。アイビーだけは相変わらずの無表情というか、それが?と言わんばかりの態度に似たもの同士かと言いたくもなるが、触らぬ邪神に祟りなしだ。
「とりあえず高位貴族相手だから緊張で震えているという事にして……」
「王太子殿下相手では震えてませんよね」
「……平民らしい姿を見せず」
「スイーツ作りをおおっぴらに行ってますよね」
私の対策にアイビーは問答無用でダメだししてくる。うん……言われてみればそうなんだけどね!?もう泣きたくなってくるというか、時間が戻せるなら生まれ変わる前に戻して欲しい!こんな世界選ばないからー!!
「むしろ婚約を持ちかけられないようにしなければいけないのでは?」
ポピーがノートを見ながら、そんな事を口にするとアイビーも頷いた。
「そうですね。王太子ルートが潰されてしまいますから。最終的には亡き者にしてしまえば良いですね」
「アイビー!?」
「全てはカローラ様の幸せの為に」
シレっと危険な発言をしたアイビーを咎めるようにカローラが声をかけるも、この身は全てカローラに捧げていると言わんばかりに言葉を返す。
忠誠心、凄いなーなんて思わず感心してしまう。ある意味で危険人物なアイビーの手綱を握るとは、本当にカローラは凄いと思う反面……その調子ならば王太子の手綱も握れるのでは?と淡い期待も抱きたくなってしまう。
……考えが読めるのか、アイビーに思いっきり睨まれてしまったけれど……。
11
お気に入りに追加
455
あなたにおすすめの小説
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
転生したら冷徹公爵様と子作りの真っ最中だった。
シェルビビ
恋愛
明晰夢が趣味の普通の会社員だったのに目を覚ましたらセックスの真っ最中だった。好みのイケメンが目の前にいて、男は自分の事を妻だと言っている。夢だと思い男女の触れ合いを楽しんだ。
いつまで経っても現実に戻る事が出来ず、アルフレッド・ウィンリスタ公爵の妻の妻エルヴィラに転生していたのだ。
監視するための首輪が着けられ、まるでペットのような扱いをされるエルヴィラ。転生前はお金持ちの奥さんになって悠々自適なニートライフを過ごしてたいと思っていたので、理想の生活を手に入れる事に成功する。
元のエルヴィラも喋らない事から黙っていても問題がなく、セックスと贅沢三昧な日々を過ごす。
しかし、エルヴィラの両親と再会し正直に話したところアルフレッドは激高してしまう。
「お前なんか好きにならない」と言われたが、前世から不憫な男キャラが大好きだったため絶対に惚れさせることを決意する。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
初めての相手が陛下で良かった
ウサギテイマーTK
恋愛
第二王子から婚約破棄された侯爵令嬢アリミアは、王子の新しい婚約者付の女官として出仕することを命令される。新しい婚約者はアリミアの義妹。それどころか、第二王子と義妹の初夜を見届けるお役をも仰せつかる。それはアリミアをはめる罠でもあった。媚薬を盛られたアリミアは、熱くなった体を持て余す。そんなアリミアを助けたのは、彼女の初恋の相手、現国王であった。アリミアは陛下に懇願する。自分を抱いて欲しいと。
※ダラダラエッチシーンが続きます。苦手な方は無理なさらずに。
婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。
それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。
そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。
※王子目線です。
※一途で健全?なヤンデレ
※ざまああり。
※なろう、カクヨムにも掲載
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる