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51.王城を貸してもらうとか
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生クリームに罪はない。
という事で調子に乗って生チョコを筆頭に様々なチョコをパティシエ達と作り、カローラに報告しただけなのに……。世界は違えども“壁に耳あり障子に目あり”とは、よく言ったものだと思う。
見事にフェリクス王太子が護衛のジルベールを率いながら、魔術師団長セドリックと宰相補佐シャルルまで、カローラにくっついて新作チョコを試食しにやってきたりしたのだ。
どこで監視されてるの……と、カローラが真っ青な顔をして呟いていた事もある程だ。そして現在は……
「どうしてこうなった」
「私も緊張で……」
「大丈夫、私に任せなさい」
緊張して真っ白になっていると両親は思っているのだろう。母も元々貴族という訳でもなく、緊張で震えているのを父が肩を抱いて慰めていた。
私は私で、そうじゃない!と叫びたいのを抑えながら、ポピーの手を握り締めて必死に自我を保っていたのだが、父がそれを見て少し眉を顰めていた。
今日は十三歳になった私の誕生パーティが行われるのだけれど、問題は場所だった。
噂が噂を呼び、どんどん有名となっていったチョコは王都で知らない人は居ない程となるが、その生産量や輸送の問題で稀少性もあり、話題だけは事欠かない程となったのだ。
挙句、王太子もカローラにくっついて私の邸にまで来る為、王太子ご愛顧!?という名目まで付いてしまえば、陛下の耳にも届くわけで……。
「まさか王城で誕生パーティとは……」
「辺境の方まで高位貴族の方々が何名も来るわけにはいかないからね」
まさかの場所提供されてしまったのだ。
カローラだけが来るなら問題はなかったのだけれど。以前のようにエスコートしに王太子がくっついてくる、とか言うだけでもなく。
セドリックやシャルルまでも招待状をよこせと言い出し、挙句にチョコを食べたいと言う公爵や侯爵の家までもがご令嬢の誕生パーティに是非とまで言い出したのだ。
チョコがトッピングされたクッキー程度ならまだしも、生チョコなんて高位貴族だからという理由だけで口に出来るわけでもない。一度食べたら話題に事欠かないだろう。何このSNSで有名!となったら一度食べないと!っていう心理的なものは。某写真投稿サイトで次々とアップされては宣伝効果があるような……はい、そういう私も、そういうのに飛びついてた口なんだけどね。カローラは喪女だったから腐ったイラストとかしか興味なかったわー!とか言ってたけど。
「とりあえず生チョコに注目してもらおう」
何人かもショコラティエを連れてきて、今日のパーティで生チョコを出してもらう事になっている為、出来るだけ私ではなく、父と生チョコに意識を向けてもらいたいと心の中で強く願った。
という事で調子に乗って生チョコを筆頭に様々なチョコをパティシエ達と作り、カローラに報告しただけなのに……。世界は違えども“壁に耳あり障子に目あり”とは、よく言ったものだと思う。
見事にフェリクス王太子が護衛のジルベールを率いながら、魔術師団長セドリックと宰相補佐シャルルまで、カローラにくっついて新作チョコを試食しにやってきたりしたのだ。
どこで監視されてるの……と、カローラが真っ青な顔をして呟いていた事もある程だ。そして現在は……
「どうしてこうなった」
「私も緊張で……」
「大丈夫、私に任せなさい」
緊張して真っ白になっていると両親は思っているのだろう。母も元々貴族という訳でもなく、緊張で震えているのを父が肩を抱いて慰めていた。
私は私で、そうじゃない!と叫びたいのを抑えながら、ポピーの手を握り締めて必死に自我を保っていたのだが、父がそれを見て少し眉を顰めていた。
今日は十三歳になった私の誕生パーティが行われるのだけれど、問題は場所だった。
噂が噂を呼び、どんどん有名となっていったチョコは王都で知らない人は居ない程となるが、その生産量や輸送の問題で稀少性もあり、話題だけは事欠かない程となったのだ。
挙句、王太子もカローラにくっついて私の邸にまで来る為、王太子ご愛顧!?という名目まで付いてしまえば、陛下の耳にも届くわけで……。
「まさか王城で誕生パーティとは……」
「辺境の方まで高位貴族の方々が何名も来るわけにはいかないからね」
まさかの場所提供されてしまったのだ。
カローラだけが来るなら問題はなかったのだけれど。以前のようにエスコートしに王太子がくっついてくる、とか言うだけでもなく。
セドリックやシャルルまでも招待状をよこせと言い出し、挙句にチョコを食べたいと言う公爵や侯爵の家までもがご令嬢の誕生パーティに是非とまで言い出したのだ。
チョコがトッピングされたクッキー程度ならまだしも、生チョコなんて高位貴族だからという理由だけで口に出来るわけでもない。一度食べたら話題に事欠かないだろう。何このSNSで有名!となったら一度食べないと!っていう心理的なものは。某写真投稿サイトで次々とアップされては宣伝効果があるような……はい、そういう私も、そういうのに飛びついてた口なんだけどね。カローラは喪女だったから腐ったイラストとかしか興味なかったわー!とか言ってたけど。
「とりあえず生チョコに注目してもらおう」
何人かもショコラティエを連れてきて、今日のパーティで生チョコを出してもらう事になっている為、出来るだけ私ではなく、父と生チョコに意識を向けてもらいたいと心の中で強く願った。
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