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50.ある意味で恐怖攻略対象者

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「でもでも!相手は侯爵家の長男だし!時期宰相なわけだし、私みたいに男爵で後継の令嬢なんて範疇外になる筈!」
「……それは王太子ルートも潰すという事!?却下よ!!」

私がつい叫ぶと、カローラが反論を初めて、つい口走ってしまった事を後悔した。
しまった!カローラに内緒の計画がーー!!

「ルデウル男爵の後継として親戚筋から良さそうな人物をピックアップして渡しておきますね」
「チョコの事業はどうするおつもりで?」
「王太子妃となっても続けられるでしょう。それだけ人気を博してますからね」

アイビーの言葉にポピーが反論するも、チョコ事業で釣るしかないの?ねぇ、チョコしかないの?
カローラもチョコ……スイーツ……と何やら呟いてるし。ねぇ、そこなの?そこしかないの!?

「いっそ協力してお二人共が王太子から逃れられるようにすれば良いのに……」
「未来を確実に変化させ、かつ手間がかからない上に最短であれば、それを選ぶでしょう」

ポピーの言葉にアイビーも反論する。この二人は異分子的な存在となっているが、実際変化が起こる未来とそうでないものの違いが分からない以上、下手に手を打っている間に取り返しのつかない事になる可能性もあるのだ。

「時間があればそれも……?リズの事業だって、ある意味で設定から離れたわよね」
「カローラ様がそう仰るのであれば少しは思案致しましょう」

カローラがポツリとそう呟くと、アイビーは頭を下げ、すぐに返答した。本当にカローラの意見は汲むのだな……と思ったのは私だけではなかったようで、ポピーも呆れたように息を吐いていた。まぁ仕えている者としたら当然なのかもしれないけれど……あのアイビーだよ……。
とりあえず要検討あたりになっただけはマシなのかもしれないと思う事にした。




そして後日。
どこで見つけたか分からないけれど、大量の生クリームがシャルルの名前で届く事になった。
しかし賞味期限の問題もあるのだが……ちゃんとセドリックが作っただろう魔道具で冷やされて送られてくる辺りは流石だと思うのだけれど、相手が相手だ。

「……全部荷物を調べて……」
「使用人も一度見直しした方が良いと進言した方が良いかもしれない……」

私の言葉に、ポピーも頭を押さえながら呟いた。
どこで見られているか分からないし、弱みとなるものを握られたら終わる。というか私に興味を持たれていた場合、逃げるに逃げられないのだとは思うけれど……。

「ポピー……一緒に逃げよう……」
「捕まる気しかしない」

現実逃避の言葉……いやもう私的に九割は本気なのだけれど、返ってきたポピーの言葉に肩を落とした。
うん、私もそう思うよ……と言ってしまったら負けを認めてしまうようで口には出さなかったけれど。
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