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45.後悔しても遅い
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領地経営とは、貴族は領地を繁栄させる為に色々としているのだ。そして税を収めさせると。
つまり私が事業を行う事は領地を繁栄させるという事になり、そもそも領地を治める貴族はその為に何かしら事業をしているものだ。裏を返せば正式に領地経営に少しだけ参加出来るというわけなのだが……やる事は今までと何ら変わりはない。それが仕事となっただけだ。なのでしっかり帳簿と言うものを付けないといけないのだけど……。
「あ~眠……」
私は部屋のソファでボーっとしていた。領民達が優秀すぎて、本当にやる事がないのだ。増えた事と言えば帳簿だけなので、元々OLのこちらとしては問題ないし、書類だって結局全部この家に集結するわけだ。
今する事と言えばカローラへのおもてなしだけれど、それも侍女達が準備をしてくれているので、カローラが着くまで私は暇を極めている。
「もう少し数量を絞っても良いかもね」
「すぐにカカオ豆が出来るわけじゃないしね~」
ポピーとそんな事を話しながらのんびりとする。
結局のところ、カカオ栽培を多量にしない限りは数量に限定があるし、輸入に頼っても黒字は出るだろうけど、なかなか手に入らないという現状から領地を有名にしたいな、なんて思って、チョコトッピングクッキーと、貴族用になるだろうガトーショコラだ。
ガトーショコラに関しては、だいぶ製作を控えてはいるけれど……じゃないと、ホールで大量に買い付ける人も居るからね……。
「これで何とか後継としての地位を確立出来そうだけど、あと二年以内でしっかり地盤を固めないと」
「学園免除とかないのかな……働いてるからって」
「それなら王太子殿下がとっくに適用されているでしょ」
言われてみれば、その通りだ。
ジルベールとはあれっきり会っていないし、セドリックにこれ以上付きまとわれないようにすれば良いと思うけれど、問答無用でこちらに魔道具を送ってくる辺り、関わらない方向性が見えない……。
カローラも焦っているようだけれど、団長クラスを止められるのって陛下だけなのでは?と言ったら王太子には会いたくないと全力で首を振っていた。
うん、おねだりとか出来なさそうだしね。頼みごとなんてしたら後々怖そうだしね。
「お嬢様!!!」
バタバタと足音が聞こえてきたかと思うと、盛大なノックが響いた。
カローラが到着したのかな、と思ったけれど、何故こんなに慌てているのだろうか?とりあえずポピーに目配せすると素早く扉を開けてくれた。
「お嬢様!カローラ様がいらっしゃいました!あと……王太子殿下も!」
その言葉に、律儀にカローラを待つなんて事をせずに、町へ繰り出して逃走すれば良かったなんて思ってしまった。
つまり私が事業を行う事は領地を繁栄させるという事になり、そもそも領地を治める貴族はその為に何かしら事業をしているものだ。裏を返せば正式に領地経営に少しだけ参加出来るというわけなのだが……やる事は今までと何ら変わりはない。それが仕事となっただけだ。なのでしっかり帳簿と言うものを付けないといけないのだけど……。
「あ~眠……」
私は部屋のソファでボーっとしていた。領民達が優秀すぎて、本当にやる事がないのだ。増えた事と言えば帳簿だけなので、元々OLのこちらとしては問題ないし、書類だって結局全部この家に集結するわけだ。
今する事と言えばカローラへのおもてなしだけれど、それも侍女達が準備をしてくれているので、カローラが着くまで私は暇を極めている。
「もう少し数量を絞っても良いかもね」
「すぐにカカオ豆が出来るわけじゃないしね~」
ポピーとそんな事を話しながらのんびりとする。
結局のところ、カカオ栽培を多量にしない限りは数量に限定があるし、輸入に頼っても黒字は出るだろうけど、なかなか手に入らないという現状から領地を有名にしたいな、なんて思って、チョコトッピングクッキーと、貴族用になるだろうガトーショコラだ。
ガトーショコラに関しては、だいぶ製作を控えてはいるけれど……じゃないと、ホールで大量に買い付ける人も居るからね……。
「これで何とか後継としての地位を確立出来そうだけど、あと二年以内でしっかり地盤を固めないと」
「学園免除とかないのかな……働いてるからって」
「それなら王太子殿下がとっくに適用されているでしょ」
言われてみれば、その通りだ。
ジルベールとはあれっきり会っていないし、セドリックにこれ以上付きまとわれないようにすれば良いと思うけれど、問答無用でこちらに魔道具を送ってくる辺り、関わらない方向性が見えない……。
カローラも焦っているようだけれど、団長クラスを止められるのって陛下だけなのでは?と言ったら王太子には会いたくないと全力で首を振っていた。
うん、おねだりとか出来なさそうだしね。頼みごとなんてしたら後々怖そうだしね。
「お嬢様!!!」
バタバタと足音が聞こえてきたかと思うと、盛大なノックが響いた。
カローラが到着したのかな、と思ったけれど、何故こんなに慌てているのだろうか?とりあえずポピーに目配せすると素早く扉を開けてくれた。
「お嬢様!カローラ様がいらっしゃいました!あと……王太子殿下も!」
その言葉に、律儀にカローラを待つなんて事をせずに、町へ繰り出して逃走すれば良かったなんて思ってしまった。
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