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40.魔術師団とは
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「セドリックが来たの……?実力主義の魔術師団で最年少なのに団長になった?グノー子爵家の次男の?」
やってきたカローラに、まずはセドリック突撃を報告したら、驚いた表情でめちゃくちゃ確認の言葉を紡いできた。てか紅茶のカップが斜めになってますよ、中身溢れますよ。
しかし、溢れる前に手を支えて止めるのはアイビーで、しっかり言葉で確信をついてくる。
「攻略対象のセドリック・グノーですね。まさか好きになったとか言いませんよね」
「ないから!ありえないから!」
「ならば安心です。まぁ貴女の心がどうであれ、問答無用で王太子ルートにいっていただきますが」
「そのイベントをぶっ潰せば良いだけですよね」
アイビーは相変わらず容赦がない……が、それに対してポピーもあっけらかんとして返事をした。
アイビーの鋭い殺気のようなものが放出されていても、そもそも根っから商人なだけのポピーは一切気がつかないのか、平然そうな顔をしている。天然が恐ろしいって、こういう事を言うのかな!?
同じ事を考えていたのか、カローラが天然って怖いよね、なんて小声で話しかけてきた。うん、私も天然の恐ろしさを初めて見たよ。
前世では天然のフリをしたぶりっ子と呼ばれる人物なら見た事はあるけど……うん、そんなの比べ物にならないね。
――セドリック・グノー。グノー子爵の次男。私たちより一つ歳下になる。
次男だから、というのもあるのか、完全実力主義の魔術師団にて最年長で団長に上り詰めたような男だ。
一応、この世界にも魔術というものはあるのだが、ファンタジーのようなものとは少し違って、主に生活魔法だったりする。と言っても、その魔法を使える者は極わずかだったりもする。だからこそ、そんな類稀なる力を国として囲っておきたいから魔術師団というものが作られているわけだ。攻撃魔法や防御魔法で国を守る事ができて、生活魔法では民の為に使える。
そんな中、セドリックは攻撃魔法や防御魔法、生活魔法まで使用できる希少な人物だからこそ団長という地位にまで上り詰める事ができた。というか攻撃魔法なんて危ない物が使えるなら、地位と名誉与えるから大人しくしとけという意味なんだろうな、なんて前世年齢で二十歳超えてる私は思っていたりもするわけだけど。
「……冷凍庫が魔道具で作れたら……魔術師団ならもしくは……」
カローラが呟く魔道具を作るという技術。これが民の為に、国の為に魔術師団にかせられた主な仕事と言っても良いだろう。
自身の持つ魔術を組み込んで道具を作り、生活を、国を便利にする。
やってきたカローラに、まずはセドリック突撃を報告したら、驚いた表情でめちゃくちゃ確認の言葉を紡いできた。てか紅茶のカップが斜めになってますよ、中身溢れますよ。
しかし、溢れる前に手を支えて止めるのはアイビーで、しっかり言葉で確信をついてくる。
「攻略対象のセドリック・グノーですね。まさか好きになったとか言いませんよね」
「ないから!ありえないから!」
「ならば安心です。まぁ貴女の心がどうであれ、問答無用で王太子ルートにいっていただきますが」
「そのイベントをぶっ潰せば良いだけですよね」
アイビーは相変わらず容赦がない……が、それに対してポピーもあっけらかんとして返事をした。
アイビーの鋭い殺気のようなものが放出されていても、そもそも根っから商人なだけのポピーは一切気がつかないのか、平然そうな顔をしている。天然が恐ろしいって、こういう事を言うのかな!?
同じ事を考えていたのか、カローラが天然って怖いよね、なんて小声で話しかけてきた。うん、私も天然の恐ろしさを初めて見たよ。
前世では天然のフリをしたぶりっ子と呼ばれる人物なら見た事はあるけど……うん、そんなの比べ物にならないね。
――セドリック・グノー。グノー子爵の次男。私たちより一つ歳下になる。
次男だから、というのもあるのか、完全実力主義の魔術師団にて最年長で団長に上り詰めたような男だ。
一応、この世界にも魔術というものはあるのだが、ファンタジーのようなものとは少し違って、主に生活魔法だったりする。と言っても、その魔法を使える者は極わずかだったりもする。だからこそ、そんな類稀なる力を国として囲っておきたいから魔術師団というものが作られているわけだ。攻撃魔法や防御魔法で国を守る事ができて、生活魔法では民の為に使える。
そんな中、セドリックは攻撃魔法や防御魔法、生活魔法まで使用できる希少な人物だからこそ団長という地位にまで上り詰める事ができた。というか攻撃魔法なんて危ない物が使えるなら、地位と名誉与えるから大人しくしとけという意味なんだろうな、なんて前世年齢で二十歳超えてる私は思っていたりもするわけだけど。
「……冷凍庫が魔道具で作れたら……魔術師団ならもしくは……」
カローラが呟く魔道具を作るという技術。これが民の為に、国の為に魔術師団にかせられた主な仕事と言っても良いだろう。
自身の持つ魔術を組み込んで道具を作り、生活を、国を便利にする。
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