【完結】こんな転生は嫌なので舞台から逃げようと思いますが、逃してもらえません!

かずきりり

文字の大きさ
上 下
26 / 112

26.ジルベール・パキエ騎士団団長補佐

しおりを挟む
「ああああ……怖い!ホンット設定知ってるから恐怖しかない!」
「関わりたくない……関わりたくない……」
「リズは王太子ルートに行ってもらうから!何としても!!!」
「それも嫌だ!!!」

私も途中で疲れたと理由に、挨拶だけ終えて自室へ戻ろうとした時に見事アイビーに捕まった。
控え室だと王太子が来るかもしれないので自室で匿えという理由らしいが、王太子なら此処にまで来そうだぞ?なんて思いながらも迎え入れた。

「ジルベール・パキエ……暴力的な男でしたよね」

アイビーが話す設定に、私とカローラが力強く何度も頷く。てか見事にアイビーも設定を頭の中に入れてるのか。
そんなアイビーは、私の机に向かったかと思うとノート取り出して持ってきた。てか何で隠してある場所知ってるの!?それ引き出しを二重底にして隠してたんだけど!?
口をパクパクして驚いてる私に無駄だと言わんばかりに冷たい眼差しを向けたかと思うと、カローラにそれを手渡した。本当にコイツ何なんだー!?

「実力はあるけど、騎士団ともなると礼儀やマナー作法もあるから年齢的に補佐なのよね……そう、紳士のように振舞うけれど、全て力でねじ伏せるようなタイプで、拷問が得意で……悪役令嬢としても関わりたくないわ……早く婚約者やめたい……」

私のノートを読みながら頷いていたかと思ったら、カローラは思いっきり項垂れた。そりゃ王太子と一緒に居るもんな。少なからず婚約者なら接点はあるだろう。

「リズとの出会いは街での筈だけど……絶対攻略しないでね!何がなんでも王太子ルートに行ってもらうんだから!」

後半はともかく、攻略する気がない私は前半部分に対してだけは同意した。
ヒロインが街で破落戸に囲まれている所をジルベールが介入するのが出会いイベントだ。
破落戸に向かっていくヒロインを見つけ、破落戸を蹴散らした後、ヒロインまでもを腕力でねじ伏せるのだ。それに立ち向かおうとするヒロインのみぞおちを殴りつけて気を失わせるわけだけど……。
腕の部分がなく組み敷いて耳元で囁いているかのようなスチルなのに、文字は何て鬼畜!!という本当に嫌な仕様だと思う。
学園で会っても、ヒロインは暴力には屈しないと強い瞳と決意で対面するのだけれど、楽しそうに見えない場所へ痣や傷を残す暴力を振るい続け……高揚する。
良い玩具となったヒロインは、逃げるのではなくそのまま暴力に屈する……というか、暴力を受ける事がクセになってしまい、殴られないと物足りなくなると言う、とんでもない結末を迎えるのだ。

誰がそんな生活を望むかぁあああああ!!!!!!!
しおりを挟む
ツギクルバナー

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】 乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。 ※他サイトでも投稿中

【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい

三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。 そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。

悪役令嬢は攻略対象者を早く卒業させたい

砂山一座
恋愛
公爵令嬢イザベラは学園の風紀委員として君臨している。 風紀委員の隠された役割とは、生徒の共通の敵として立ちふさがること。 イザベラの敵は男爵令嬢、王子、宰相の息子、騎士に、魔術師。 一人で立ち向かうには荷が重いと国から貸し出された魔族とともに、悪役令嬢を務めあげる。 強欲悪役令嬢ストーリー(笑) 二万字くらいで六話完結。完結まで毎日更新です。

処理中です...