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25.十一歳になりました
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十一歳の誕生日を、お披露目兼ねて小さな夜会を開くとルデウル男爵は張り切っていた。だから村から帰った後はいつもの生活に加え、ドレスだの装飾品だの夜会マナーだの、やる事が少し増えただけだった。
変わらず遊びに来るカローラに暇か!と言いながらも、女子会みたいなノリでドレスや装飾品について語ったりするのも、フルーツタルトを作って騒ぐのも楽しいと言えば楽しかった。
そろそろ王都へ帰らなければいけないと言うカローラも夜会に参加すると言って楽しそうにしていたのに……。
――どうしてこうなった――
確かに招待客というのは父が全部決めているのは知ってる。知ってるけれど……。
ニコニコと満面の笑みで迎える父と母。顔面真っ青で佇んでいるカローラの後ろに控えるは変わらずアイビーで……カローラのエスコートをしているのは――
「カローラが出席すると聞いて、是非エスコートにと来た。急にすまなかったな」
フェリクス・モンタニエ王太子殿下。
何で居るんだと叫びたいけれど、そんな事を言った瞬間に首が飛びそうだ。
王太子が居るだけでも、何故とパニックになりそうになる。そもそもカローラとの仲だって良いわけではないのに……と思ったが、目障りだと言わんばかりの顔をしているアイビーに気がつき、そっちか。と少し納得してしまう自分も居る。アイビーで遊んでいるんだろうなぁ。
アイビーはいつもと変わらない態度で接しているが、私とカローラは本当に血の気が引いた顔で、身体の震えを抑えるので精一杯だ。
問題となるのは王太子の後ろに居る人物。赤い短髪に鋭い赤い瞳。
不敬の一つでも犯せば、持っている剣で即首を切りそうだ……そこまでしなくても、床に叩きつけられるくらいはされるだろう……。
ジルベール・パキエ騎士団団長補佐
見事に一生会いたくないと思っている攻略対象者の一人だったりする。
「どうしたリズ嬢。騎士を見るのは初めてか?カローラは見慣れているだろう?」
こいつが怖いんだよ!!と叫ぶ変わりに、ビクリと身体が揺れる。
怯える私達を面白そうに眺めていたかと思ったら、怖がっているのが騎士だと気がついたのか、不機嫌そうな顔で睨みつけながら言ってきた。
「はい……」
「騎士団長補佐ともなると、威圧感がありまして……」
当たり障りのない言葉を返しながらも、背中は汗でびっしょりだ。もう何でこれ連れてきた!?護衛か!?護衛でももっと違う人選しろよと叫びたくなる。
まだ挨拶があるので、王太子もカローラと他へ歩みだしたが、アイビーがカローラを連れ出しているのが横目に見えた。流石にフラついているし、適当に理由をつけたのだろう。病弱設定だし。
変わらず遊びに来るカローラに暇か!と言いながらも、女子会みたいなノリでドレスや装飾品について語ったりするのも、フルーツタルトを作って騒ぐのも楽しいと言えば楽しかった。
そろそろ王都へ帰らなければいけないと言うカローラも夜会に参加すると言って楽しそうにしていたのに……。
――どうしてこうなった――
確かに招待客というのは父が全部決めているのは知ってる。知ってるけれど……。
ニコニコと満面の笑みで迎える父と母。顔面真っ青で佇んでいるカローラの後ろに控えるは変わらずアイビーで……カローラのエスコートをしているのは――
「カローラが出席すると聞いて、是非エスコートにと来た。急にすまなかったな」
フェリクス・モンタニエ王太子殿下。
何で居るんだと叫びたいけれど、そんな事を言った瞬間に首が飛びそうだ。
王太子が居るだけでも、何故とパニックになりそうになる。そもそもカローラとの仲だって良いわけではないのに……と思ったが、目障りだと言わんばかりの顔をしているアイビーに気がつき、そっちか。と少し納得してしまう自分も居る。アイビーで遊んでいるんだろうなぁ。
アイビーはいつもと変わらない態度で接しているが、私とカローラは本当に血の気が引いた顔で、身体の震えを抑えるので精一杯だ。
問題となるのは王太子の後ろに居る人物。赤い短髪に鋭い赤い瞳。
不敬の一つでも犯せば、持っている剣で即首を切りそうだ……そこまでしなくても、床に叩きつけられるくらいはされるだろう……。
ジルベール・パキエ騎士団団長補佐
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「どうしたリズ嬢。騎士を見るのは初めてか?カローラは見慣れているだろう?」
こいつが怖いんだよ!!と叫ぶ変わりに、ビクリと身体が揺れる。
怯える私達を面白そうに眺めていたかと思ったら、怖がっているのが騎士だと気がついたのか、不機嫌そうな顔で睨みつけながら言ってきた。
「はい……」
「騎士団長補佐ともなると、威圧感がありまして……」
当たり障りのない言葉を返しながらも、背中は汗でびっしょりだ。もう何でこれ連れてきた!?護衛か!?護衛でももっと違う人選しろよと叫びたくなる。
まだ挨拶があるので、王太子もカローラと他へ歩みだしたが、アイビーがカローラを連れ出しているのが横目に見えた。流石にフラついているし、適当に理由をつけたのだろう。病弱設定だし。
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