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22.王太子の設定は
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「な……何を間違えたのかしら!?」
「王太子は設定通りなの!?」
落ち着いて思考が戻ってきた時には、そんな事をカローラと私は口にして視線を合わせていた。
思わず席を立って攻略を書いていたノートを持ってくると、それを悟っていたのか新しいハーブティの用意がされていた。
「そもそも殿下は私に興味がなくて、一応表向きお茶でもしようという連絡があるだけで、ずっと体調不良で断ってたのよ!?手紙もなければ、贈り物もない!エスコートが必要な時にだけ最低限ドレスを送ってくる程度だもの!殿下の好みに私は当てはまらないですし!あれだけリズを推したのに!」
「いや、推さないで!」
カローラがまくし立てるけれど、実際どういう状態だったのか描かれていないから分からない。けれど、ゲーム開始時は距離のある二人だったと思う。
多分、運営が描写カットしたんだろうな、とは思える程の内容手抜きゲーだ。
そもそも、フェリクス殿下は王太子として表向きの顔を保つために、令嬢に絡まれているヒロインを助けに入る事で出会う……が、そこで対等的な態度を崩さず、挙句に知識不足の為かマナーがなってない所もあり興味を持たれるのだ。
そう考えると今日はまだセーフだと思う。
興味を持った殿下がヒロインの事を調べ、平民としてのプライドというか気高さというか、権力に囚われない平等さや正義感と言った、愛されて育ち、貴族ならではの汚い物を知らないからこその、ただ無謀で無知なだけじゃねーか!という物珍しい、またとない所に面白さを見出して執着し、そして
――壊し、所有したくなる――
口撃だけなんて可愛いものじゃない。王太子という立場で、権力で、ありとあらゆる手段を使って、自分の物へと仕立て上げ、従順にしていく。
それこそ、身体を使っても……。
責め立て、屈辱に歪ませ、ひれ伏すように。自分に依存させる。
カローラのラストは人形のように心を歪ませられ……そして、ヒロインの時は……いわゆる快楽落ちとなる。
「……というより……」
カローラと二人、ノートを見ながら必死に情報を手繰り寄せ、必要あらば情報を書き出し、たまに悲鳴を上げたり、顔を手で覆ったりしていた中で、私は思わず口を開いた。
ある意味で、この性格は同じなんだと思う。あの表情を見ていると、どう考えても裏があるようにしか思えない。でもそれを向けていたのは……。
「……アイビーに対して興味を抱いているような気がする……」
そんな私の言葉に、一瞬空気が凍ったかのような気がしたけれど、あ……と呟いて納得したかのようなカローラと……
かかってこい返り討ちにしてやると言わんばかりの黒いオーラに邪悪な笑みを携えたアイビーを最後に、考えるのを放棄した私達は、お茶会を終了する事にした。
「王太子は設定通りなの!?」
落ち着いて思考が戻ってきた時には、そんな事をカローラと私は口にして視線を合わせていた。
思わず席を立って攻略を書いていたノートを持ってくると、それを悟っていたのか新しいハーブティの用意がされていた。
「そもそも殿下は私に興味がなくて、一応表向きお茶でもしようという連絡があるだけで、ずっと体調不良で断ってたのよ!?手紙もなければ、贈り物もない!エスコートが必要な時にだけ最低限ドレスを送ってくる程度だもの!殿下の好みに私は当てはまらないですし!あれだけリズを推したのに!」
「いや、推さないで!」
カローラがまくし立てるけれど、実際どういう状態だったのか描かれていないから分からない。けれど、ゲーム開始時は距離のある二人だったと思う。
多分、運営が描写カットしたんだろうな、とは思える程の内容手抜きゲーだ。
そもそも、フェリクス殿下は王太子として表向きの顔を保つために、令嬢に絡まれているヒロインを助けに入る事で出会う……が、そこで対等的な態度を崩さず、挙句に知識不足の為かマナーがなってない所もあり興味を持たれるのだ。
そう考えると今日はまだセーフだと思う。
興味を持った殿下がヒロインの事を調べ、平民としてのプライドというか気高さというか、権力に囚われない平等さや正義感と言った、愛されて育ち、貴族ならではの汚い物を知らないからこその、ただ無謀で無知なだけじゃねーか!という物珍しい、またとない所に面白さを見出して執着し、そして
――壊し、所有したくなる――
口撃だけなんて可愛いものじゃない。王太子という立場で、権力で、ありとあらゆる手段を使って、自分の物へと仕立て上げ、従順にしていく。
それこそ、身体を使っても……。
責め立て、屈辱に歪ませ、ひれ伏すように。自分に依存させる。
カローラのラストは人形のように心を歪ませられ……そして、ヒロインの時は……いわゆる快楽落ちとなる。
「……というより……」
カローラと二人、ノートを見ながら必死に情報を手繰り寄せ、必要あらば情報を書き出し、たまに悲鳴を上げたり、顔を手で覆ったりしていた中で、私は思わず口を開いた。
ある意味で、この性格は同じなんだと思う。あの表情を見ていると、どう考えても裏があるようにしか思えない。でもそれを向けていたのは……。
「……アイビーに対して興味を抱いているような気がする……」
そんな私の言葉に、一瞬空気が凍ったかのような気がしたけれど、あ……と呟いて納得したかのようなカローラと……
かかってこい返り討ちにしてやると言わんばかりの黒いオーラに邪悪な笑みを携えたアイビーを最後に、考えるのを放棄した私達は、お茶会を終了する事にした。
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