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14.シナリオ通りにしないで
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「あら、今気がついたの?」
のんびりとミルクを入れた紅茶を飲みながらカローラがそんな事を言うも、私は血の気が引いた顔のまま、ゆっくりとカローラの方へ視線を向けた。
「べ……勉強……しなきゃ!!」
「だってそこに走り書きしてあるじゃない。全身筋肉痛に疲労困憊で嫌だって」
物凄く楽しそうな顔をしながらカローラがそう言う。そうだよ!一気に色々詰め込まれて凄く厳しかったよ!普通ならばカローラの気遣いは喜ばしいもので、むしろ嬉し涙を流して感激する位だと思う!それくらいだって分かってる!!けれど!!
「ヒロインの令嬢らしからぬ所に、全攻略対象者が興味持つんですけど!?」
「殿下だけで良いわよ?殿下だけは確実にね」
確実に王太子ルートを勧めてくるカローラはさておき、この内容クソ乙女ゲームに関しては本当にテンプレで、ご都合主義すぎるのだ。平民上がりで甘やかされて、令嬢らしくなく平等で正義心溢れるテンプレヒロインに攻略対象達は歪んだ想いをぶつけてくるわけで……勉強は必須!令嬢らしくあるのも大事!!ついつい目の前の苦痛に逃げてしまったけれど、それは悪手だったと今更ながらに気が付く。前世合わせて全身筋肉痛で動けなくなるのは初めてで、本当に辛かったけど……貴族怖い。
慌ててノートに勉強必須!令嬢らしく!と大きく書いている所にノックの音が響いたかと思うと、相手はアイビーだった。
「失礼いたします。勉学の件では、学園に入学してからもカローラ様が補佐をしてくれるとの事で程々にと後押しして付け加えましたので、ご安心下さい」
「よくやった!」
「よくないわ!」
入室して第一声、綺麗な礼と共に見事に説得済みと取れる嫌な台詞を吐いたアイビーに、カローラと私は真逆の言葉を叫んだ。
私がどうやって勉強時間を確保しようか、父を説得しようかと考え始めた時、カローラはミルクティを飲みながら自分の考察を述べ始めた。
「これで男爵がゴネて勉強をするよう確実に進めるようなら、シナリオを変更するのも容易いのかと思ったけれど……そうでもなさそうね」
「そうですね。結構あっさりと通りました。あと四年程ありますので念のため後押しさせていただきましたが……このままヒロインらしく成長して頂いて、見事王太子ルートに乗って頂く事を最優先しましょう」
ん?
今なんつった?
恐る恐るカローラとアイビーの二人に視線を向けると、そこには相変わらず無表情なアイビーと、微笑むカローラが居たが……どことなく腹黒さが漂っている気がしてならない。
というか……シナリオ変更……容易くないの!?
のんびりとミルクを入れた紅茶を飲みながらカローラがそんな事を言うも、私は血の気が引いた顔のまま、ゆっくりとカローラの方へ視線を向けた。
「べ……勉強……しなきゃ!!」
「だってそこに走り書きしてあるじゃない。全身筋肉痛に疲労困憊で嫌だって」
物凄く楽しそうな顔をしながらカローラがそう言う。そうだよ!一気に色々詰め込まれて凄く厳しかったよ!普通ならばカローラの気遣いは喜ばしいもので、むしろ嬉し涙を流して感激する位だと思う!それくらいだって分かってる!!けれど!!
「ヒロインの令嬢らしからぬ所に、全攻略対象者が興味持つんですけど!?」
「殿下だけで良いわよ?殿下だけは確実にね」
確実に王太子ルートを勧めてくるカローラはさておき、この内容クソ乙女ゲームに関しては本当にテンプレで、ご都合主義すぎるのだ。平民上がりで甘やかされて、令嬢らしくなく平等で正義心溢れるテンプレヒロインに攻略対象達は歪んだ想いをぶつけてくるわけで……勉強は必須!令嬢らしくあるのも大事!!ついつい目の前の苦痛に逃げてしまったけれど、それは悪手だったと今更ながらに気が付く。前世合わせて全身筋肉痛で動けなくなるのは初めてで、本当に辛かったけど……貴族怖い。
慌ててノートに勉強必須!令嬢らしく!と大きく書いている所にノックの音が響いたかと思うと、相手はアイビーだった。
「失礼いたします。勉学の件では、学園に入学してからもカローラ様が補佐をしてくれるとの事で程々にと後押しして付け加えましたので、ご安心下さい」
「よくやった!」
「よくないわ!」
入室して第一声、綺麗な礼と共に見事に説得済みと取れる嫌な台詞を吐いたアイビーに、カローラと私は真逆の言葉を叫んだ。
私がどうやって勉強時間を確保しようか、父を説得しようかと考え始めた時、カローラはミルクティを飲みながら自分の考察を述べ始めた。
「これで男爵がゴネて勉強をするよう確実に進めるようなら、シナリオを変更するのも容易いのかと思ったけれど……そうでもなさそうね」
「そうですね。結構あっさりと通りました。あと四年程ありますので念のため後押しさせていただきましたが……このままヒロインらしく成長して頂いて、見事王太子ルートに乗って頂く事を最優先しましょう」
ん?
今なんつった?
恐る恐るカローラとアイビーの二人に視線を向けると、そこには相変わらず無表情なアイビーと、微笑むカローラが居たが……どことなく腹黒さが漂っている気がしてならない。
というか……シナリオ変更……容易くないの!?
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