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09.ゲーム設定が全て悪い
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「つ…………追放されたいっ!!」
三つ目のフィナンシェを口に入れた時、ふいにカローラが絞り出すように声を出した。
悪役令嬢はヒロインが、どのハッピーエンドルートでも大抵国外追放か修道院で、バッドエンドルートの場合はお人形のようになっていた気がする。ヒロインのバッドエンドルート……ははっ……つまりはカローラがあの王太子と結婚するわけだよね……と、思わず顔が引きつる。
「この容姿とか無理!ほんっと無理!喪女で腐女子高生でオタクで彼氏居た事もない地味な私が何でカローラ・ティダルをしなきゃいけないの!?ほんっと無理無理無理!!」
一気に語ったかと思ったら、頭を抱えて唸るカローラを目の前に、思わずポカンと口を開けて目を見開いてしまう。
え?女子高生?つまり年下?てか……喪女で腐女子の学生……と?
思わず口角がピクピクと痙攣する。
「え……え?」
「なのに記憶にある限りの初相手がアレとか!無理だって!!」
せめてマトモな恋愛したい!と机に突っ伏して泣くカローラを、アイビーが背中をさすって慰めている。若干の鋭い視線が一瞬こちらに向いたのは気のせいだと思いたい……。
確かに、いきなり初の彼氏というか婚約者で王太子殿下は嫌だろうな、なんて心底同情してしまう。するけれど、ルートの通り進もうなんて微塵も思わないけれど。
「いや……まぁ……あの……ご愁傷様?」
「バッドエンドなんて嫌よ!!絶対にヒロインとのハッピーエンドルートじゃないと!いくら飾りの悪役令嬢と言えども最悪すぎる!!」
まぁ展開は王道の乙女ゲームだ。カローラがヒロインを注意して、どのルートでも追放か修道院は免れないというルートが一番安全かもしれないが……それは私が誰かを攻略してカローラに虐められるという事なのだが……。
「すでにルートに乗せられる事が最大の虐めでしかない!」
「ルートに乗ってもらえなかったら地獄しかない!!」
泣叫ぶカローラだが、私だって泣き叫びたい!アイビーは自ら暖かい紅茶を入れて、そこにミルクを垂らしてカローラを慰めているのが羨ましいとさえ思える!
「「あんのクソゲー!!!」」
思わず叫んだ言葉は見事に重なった。
結局全て悪いのは、あの乙女ゲームのシナリオだ。キャラクター設定だ。
「どうしたんだ!?」
私達の叫び声を聞いて、ルデウル男爵が現れた時、肩を落としている私と泣き叫んで執事に慰められているカローラを見て、男爵が慌てふためいて私が多少おしかりを受けたのは言うまでもない……。
本当……カローラに感謝しすぎているんだなと思う、だって設定では溺愛している私を若干ないがしろにしてないか?せめて話を聞いて!
三つ目のフィナンシェを口に入れた時、ふいにカローラが絞り出すように声を出した。
悪役令嬢はヒロインが、どのハッピーエンドルートでも大抵国外追放か修道院で、バッドエンドルートの場合はお人形のようになっていた気がする。ヒロインのバッドエンドルート……ははっ……つまりはカローラがあの王太子と結婚するわけだよね……と、思わず顔が引きつる。
「この容姿とか無理!ほんっと無理!喪女で腐女子高生でオタクで彼氏居た事もない地味な私が何でカローラ・ティダルをしなきゃいけないの!?ほんっと無理無理無理!!」
一気に語ったかと思ったら、頭を抱えて唸るカローラを目の前に、思わずポカンと口を開けて目を見開いてしまう。
え?女子高生?つまり年下?てか……喪女で腐女子の学生……と?
思わず口角がピクピクと痙攣する。
「え……え?」
「なのに記憶にある限りの初相手がアレとか!無理だって!!」
せめてマトモな恋愛したい!と机に突っ伏して泣くカローラを、アイビーが背中をさすって慰めている。若干の鋭い視線が一瞬こちらに向いたのは気のせいだと思いたい……。
確かに、いきなり初の彼氏というか婚約者で王太子殿下は嫌だろうな、なんて心底同情してしまう。するけれど、ルートの通り進もうなんて微塵も思わないけれど。
「いや……まぁ……あの……ご愁傷様?」
「バッドエンドなんて嫌よ!!絶対にヒロインとのハッピーエンドルートじゃないと!いくら飾りの悪役令嬢と言えども最悪すぎる!!」
まぁ展開は王道の乙女ゲームだ。カローラがヒロインを注意して、どのルートでも追放か修道院は免れないというルートが一番安全かもしれないが……それは私が誰かを攻略してカローラに虐められるという事なのだが……。
「すでにルートに乗せられる事が最大の虐めでしかない!」
「ルートに乗ってもらえなかったら地獄しかない!!」
泣叫ぶカローラだが、私だって泣き叫びたい!アイビーは自ら暖かい紅茶を入れて、そこにミルクを垂らしてカローラを慰めているのが羨ましいとさえ思える!
「「あんのクソゲー!!!」」
思わず叫んだ言葉は見事に重なった。
結局全て悪いのは、あの乙女ゲームのシナリオだ。キャラクター設定だ。
「どうしたんだ!?」
私達の叫び声を聞いて、ルデウル男爵が現れた時、肩を落としている私と泣き叫んで執事に慰められているカローラを見て、男爵が慌てふためいて私が多少おしかりを受けたのは言うまでもない……。
本当……カローラに感謝しすぎているんだなと思う、だって設定では溺愛している私を若干ないがしろにしてないか?せめて話を聞いて!
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