8 / 112
08.前世の話題をふってみる
しおりを挟む
「そんな落ち込まないで!王太子とのイベントはきっちりきっかりお手伝いしますわ!勿論悪役令嬢も努めさせて頂きます!」
「人権侵害的な生贄は良くない!だいたい、いつから記憶が!?私は先日、湖へ行く前に戻ったとこなのに!」
「あら、ギリギリだったのね、私は生まれつきよ!しっかり身体も鍛えてるからご安心下さい!」
「不安しかないわ!!!」
男爵と侯爵の違いだろうか、私より格段に良いドレスとアクセサリーを身につけているカローラは、装いに合わずガッツポーズなんて披露しながら、そんな台詞を吐いている。
こっちはこっちで、敬語だのマナーだの前世で齧った事くらいの理解力しかない。というかお互い言葉が崩れがちで馴れ馴れしい感じがするのも、ゲームの登場人物相手……というか、故郷が同じという点で、どこかしら緩んでいる部分があるのかもしれない……。
ていうか……
「何で身体鍛えてるの?」
「何があっても良いように備えてるの」
「……折角、十四歳の時にはナイスバティーになるってのに!?変に筋肉ついたら台無しよ!?ふざけるな!?胸よこせ!!」
「あー……ヒロインは見事に貧乳ですものねぇ……」
貧乳どころかお尻もないわ!ボンキュッボンなんて夢のまた夢!!これからしっかり食べれば……と未来に希望を見出したいけれども、ゲームの完成形を知ってる私はむしろ未来に絶望を抱くわ!
「これでも前世ではリア充しまくってたし胸もあったのにー!!」
思わず言ったところで無意味な事を叫び、目の前にあったフィナンシェにかぶりつく。あ、これ美味しい。平民時代にお菓子なんて食べられなかったしなぁ、なんて思いながら味わっていると、カローラが私から目を逸らしている。
「……」
「……」
お互い無言になりながらも、カローラと目を合わせようと身体を前のめりにさせるも、私の視線から逃げるように、更にカローラも身体を背後の方へ動かす。もしや、と思いながら口元が緩む。意地悪だと思いながらも仕返ししたい心が膨れ上がるのは止まらない。
「……私、前世はOLしてて、オシャレを楽しんで彼氏とデートしてってリア充全開の二十四歳だったんだけど……カローラは?」
私の言葉にカローラの身体がビクンと跳ねる。聞かれたくない事だったか~聞かれたくなかったか~なんて心の中では悪戯心が膨れ上がる。
先を促すように紅茶を飲みながら笑顔で、どうしたのー?今より前世の紹介しようよーと問いかけてみる。
まぁ……お互いの現世に関してはゲームの中や攻略サイト等を見れば、ある程度は把握出来る情報だしね、と釘を刺すように言いながら。
「人権侵害的な生贄は良くない!だいたい、いつから記憶が!?私は先日、湖へ行く前に戻ったとこなのに!」
「あら、ギリギリだったのね、私は生まれつきよ!しっかり身体も鍛えてるからご安心下さい!」
「不安しかないわ!!!」
男爵と侯爵の違いだろうか、私より格段に良いドレスとアクセサリーを身につけているカローラは、装いに合わずガッツポーズなんて披露しながら、そんな台詞を吐いている。
こっちはこっちで、敬語だのマナーだの前世で齧った事くらいの理解力しかない。というかお互い言葉が崩れがちで馴れ馴れしい感じがするのも、ゲームの登場人物相手……というか、故郷が同じという点で、どこかしら緩んでいる部分があるのかもしれない……。
ていうか……
「何で身体鍛えてるの?」
「何があっても良いように備えてるの」
「……折角、十四歳の時にはナイスバティーになるってのに!?変に筋肉ついたら台無しよ!?ふざけるな!?胸よこせ!!」
「あー……ヒロインは見事に貧乳ですものねぇ……」
貧乳どころかお尻もないわ!ボンキュッボンなんて夢のまた夢!!これからしっかり食べれば……と未来に希望を見出したいけれども、ゲームの完成形を知ってる私はむしろ未来に絶望を抱くわ!
「これでも前世ではリア充しまくってたし胸もあったのにー!!」
思わず言ったところで無意味な事を叫び、目の前にあったフィナンシェにかぶりつく。あ、これ美味しい。平民時代にお菓子なんて食べられなかったしなぁ、なんて思いながら味わっていると、カローラが私から目を逸らしている。
「……」
「……」
お互い無言になりながらも、カローラと目を合わせようと身体を前のめりにさせるも、私の視線から逃げるように、更にカローラも身体を背後の方へ動かす。もしや、と思いながら口元が緩む。意地悪だと思いながらも仕返ししたい心が膨れ上がるのは止まらない。
「……私、前世はOLしてて、オシャレを楽しんで彼氏とデートしてってリア充全開の二十四歳だったんだけど……カローラは?」
私の言葉にカローラの身体がビクンと跳ねる。聞かれたくない事だったか~聞かれたくなかったか~なんて心の中では悪戯心が膨れ上がる。
先を促すように紅茶を飲みながら笑顔で、どうしたのー?今より前世の紹介しようよーと問いかけてみる。
まぁ……お互いの現世に関してはゲームの中や攻略サイト等を見れば、ある程度は把握出来る情報だしね、と釘を刺すように言いながら。
12
お気に入りに追加
458
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
婚約破棄にも寝過ごした
シアノ
恋愛
悪役令嬢なんて面倒くさい。
とにかくひたすら寝ていたい。
三度の飯より睡眠が好きな私、エルミーヌ・バタンテールはある朝不意に、この世界が前世にあったドキラブ夢なんちゃらという乙女ゲームによく似ているなーと気が付いたのだった。
そして私は、悪役令嬢と呼ばれるライバルポジションで、最終的に断罪されて塔に幽閉されて一生を送ることになるらしい。
それって──最高じゃない?
ひたすら寝て過ごすためなら努力も惜しまない!まずは寝るけど!おやすみなさい!
10/25 続きました。3はライオール視点、4はエルミーヌ視点です。
これで完結となります。ありがとうございました!
元剣聖のスケルトンが追放された最弱美少女テイマーのテイムモンスターになって成り上がる
ゆる弥
ファンタジー
転生した体はなんと骨だった。
モンスターに転生してしまった俺は、たまたま助けたテイマーにテイムされる。
実は前世が剣聖の俺。
剣を持てば最強だ。
最弱テイマーにテイムされた最強のスケルトンとの成り上がり物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる