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05.悪役令嬢も拒否したい
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そもそも茨のラビリンスは、マニアックさだけ重点に置いているようなゲームで、ヒロインが攻略対象を攻略するのに伏線もなければ起承転結のようなものもなく、悪役令嬢と言っても比較的常識的なマトモ人物で、ヒロインが攻略対象を攻略出来なかった場合にとても美しい令嬢がお人形のように側に佇んでいるという謎エンドが繰り広げられるだけだ。
というかヒロインが攻略対象を攻略しても、とりあえずお決まりだよね?な感じで追放が修道院というオチが待ってるだけの悲しきキャラで……
「……リズ・ルデウル?」
「いや、ルデウルになるつもりはないです」
思わずゲームの内容を必死に手繰り寄せていた時に声をかけられ、そんな事を返してしまった。
カローラが息を飲んで、私を眺めている事に気がつき、背筋に汗が流れる。やばい、何かヤバイ気がする?
「貴女……茨のラビリンスってご存知かしら?」
美人に睨まれると威圧感ってあるんですね、初めて知りました。現世も前世でも、そんな経験ないわ!てか前世の場合、そこまで美人な知り合いは居なかった!!何だろ?私の周囲は皆、可愛い系の盛りメイク目指すよね!じゃなくて!
「……ご存知ね?」
私がなかなか返事をしない事に確信を得たのか、カローラは怪しい笑みを浮かべた。思わずブンブンと首を左右に振るけれど、そんな事は無駄とばかりに笑みを深くした。
「良かった~!これで王太子殿下を引き取ってもらえるわ!分かってるでしょ?平民同士で結婚する前に防げて良かった~!」
「……は?」
カローラの言葉に思わずポカンと口を開ける。いやいやいや、この人今なんて言った?
「ご冗談を!婚約者が何を仰るやら!?」
「あの変態を引き取ってもらわないと私が逃げられないじゃないの!」
「私も要らないわ!!」
見事に王太子殿下の押し付け合いが始まった。
つまり会話から分かる事と言えば、私はヒロインとして生きる気がない。そして悪役令嬢は婚約から逃げられないからヒロインに王太子殿下を奪っていただきたいと、うん、よくわかった。だが全力で断る!!!
「なんの為にルデウル男爵を監視してたと!?平民を引き取らないから、この一週間必死に探したわ!」
「いやいやいや、探さないで!全力で拒否する!!!あんな変態はいらない!」
「私は婚約を断れないのよ!?」
「そんなの知らない!!」
ただただ平行線を辿る会話だが、余程私を探していただろう事は分かる。しっかり私が引き取られるかどうかを確認していたんだろうなぁ、なんて思っていたら、男の人の声が聞こえた。
「カローラお嬢様、手筈通りに」
と、とても嫌な予感がするセリフで。
というかヒロインが攻略対象を攻略しても、とりあえずお決まりだよね?な感じで追放が修道院というオチが待ってるだけの悲しきキャラで……
「……リズ・ルデウル?」
「いや、ルデウルになるつもりはないです」
思わずゲームの内容を必死に手繰り寄せていた時に声をかけられ、そんな事を返してしまった。
カローラが息を飲んで、私を眺めている事に気がつき、背筋に汗が流れる。やばい、何かヤバイ気がする?
「貴女……茨のラビリンスってご存知かしら?」
美人に睨まれると威圧感ってあるんですね、初めて知りました。現世も前世でも、そんな経験ないわ!てか前世の場合、そこまで美人な知り合いは居なかった!!何だろ?私の周囲は皆、可愛い系の盛りメイク目指すよね!じゃなくて!
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「……は?」
カローラの言葉に思わずポカンと口を開ける。いやいやいや、この人今なんて言った?
「ご冗談を!婚約者が何を仰るやら!?」
「あの変態を引き取ってもらわないと私が逃げられないじゃないの!」
「私も要らないわ!!」
見事に王太子殿下の押し付け合いが始まった。
つまり会話から分かる事と言えば、私はヒロインとして生きる気がない。そして悪役令嬢は婚約から逃げられないからヒロインに王太子殿下を奪っていただきたいと、うん、よくわかった。だが全力で断る!!!
「なんの為にルデウル男爵を監視してたと!?平民を引き取らないから、この一週間必死に探したわ!」
「いやいやいや、探さないで!全力で拒否する!!!あんな変態はいらない!」
「私は婚約を断れないのよ!?」
「そんなの知らない!!」
ただただ平行線を辿る会話だが、余程私を探していただろう事は分かる。しっかり私が引き取られるかどうかを確認していたんだろうなぁ、なんて思っていたら、男の人の声が聞こえた。
「カローラお嬢様、手筈通りに」
と、とても嫌な予感がするセリフで。
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