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「……え……はぁっ!?」
一瞬惚けて、果物を落としかけたポピーは、正気に戻ったかと思うと驚きを隠せないように目を見開いて顔を真っ赤に染めた。
「結婚して欲しい。今すぐ」
「えっ!?えぇ!?」
母が男爵と出会ったとしても、平民同士で結婚していたら、ゲーム舞台である学園へ通うというフラグを全力で叩き潰せると思い、速攻結婚を申し込んだのだけれど、慌てふためくだけでポピーから返事が貰えない。
私的に全く知らない人より幼馴染で仲が良くて、美味しい果物を見分けられるポピーなんてこの上ない優良物件だ。王子って言っても、あんなマニアック物件は要りません。
ふと前世を思い出して、ポピーの手を取って、上目使いで目をウルウルさせてダメ?と小さく言ってみる。その瞬間、ポピーが呼吸困難になったかのように息遣いが荒くなったが、もうひと押しで言質取る!と意気込んだ私は更に畳み掛ける。
「私じゃダメ?」
「ちょぉおおおおおっっっと待ったぁあああああああああ!!!!!!!!!!」
私の声に被せるように怒鳴り声が響き近づいてきた……かと思ったら、背後から服の襟を掴まれ、そのまま引きずられるように連れ去られた。
「ちょっ!?」
「えっ……えっ!?」
思わず一言漏らすも、首を絞められるような状態に息苦しさからそれ以上、言葉を紡げない私と、呆気に取られてから現状把握まで少し時間がかかったポピーは、茫然としながら私を見送った。いや助けろよ!?ほんと助けろ下さい!!と心の中で叫ぶも、誰の耳にもそんな事は届かなかった……。
「何を考えているの!?」
村の外れ、人通りのない森に近い所まで来て、いきなり手を離された私は思いっきり尻餅をついた。
思わず文句の一つでも言おうと、目の前に立っている声の主を見上げると、ポカンと口を開けて目を見開いたのが自分でも分かる程に驚いた。
「あ…………あぁああ……貴女は…………」
「どうして未だこんな所に!?ルデウル男爵はどうしたのよ!しかも結婚って!!貴女、リズでしょう!?」
二次元と三次元の違いはあっても、分かる。金糸のような美しいストレート髪に、引き込まれるような、つり目がちな赤い瞳。十歳の少女なのに、すでに胸には小さな膨らみが分かり、腰も細く、四年後には年齢の割に素晴らしいナイスバディが出来上がっている事を私は知っている。
だって、この人は
「カローラ・ティダル悪役令嬢!?」
「え?」
私の言葉にカローラが驚き目を見開いたのに私は気がつかず、思考回路を必死に回転させた。
王太子殿下の婚約者で、悪役令嬢なのに悪役っぽくない令嬢が、そこに居た。
一瞬惚けて、果物を落としかけたポピーは、正気に戻ったかと思うと驚きを隠せないように目を見開いて顔を真っ赤に染めた。
「結婚して欲しい。今すぐ」
「えっ!?えぇ!?」
母が男爵と出会ったとしても、平民同士で結婚していたら、ゲーム舞台である学園へ通うというフラグを全力で叩き潰せると思い、速攻結婚を申し込んだのだけれど、慌てふためくだけでポピーから返事が貰えない。
私的に全く知らない人より幼馴染で仲が良くて、美味しい果物を見分けられるポピーなんてこの上ない優良物件だ。王子って言っても、あんなマニアック物件は要りません。
ふと前世を思い出して、ポピーの手を取って、上目使いで目をウルウルさせてダメ?と小さく言ってみる。その瞬間、ポピーが呼吸困難になったかのように息遣いが荒くなったが、もうひと押しで言質取る!と意気込んだ私は更に畳み掛ける。
「私じゃダメ?」
「ちょぉおおおおおっっっと待ったぁあああああああああ!!!!!!!!!!」
私の声に被せるように怒鳴り声が響き近づいてきた……かと思ったら、背後から服の襟を掴まれ、そのまま引きずられるように連れ去られた。
「ちょっ!?」
「えっ……えっ!?」
思わず一言漏らすも、首を絞められるような状態に息苦しさからそれ以上、言葉を紡げない私と、呆気に取られてから現状把握まで少し時間がかかったポピーは、茫然としながら私を見送った。いや助けろよ!?ほんと助けろ下さい!!と心の中で叫ぶも、誰の耳にもそんな事は届かなかった……。
「何を考えているの!?」
村の外れ、人通りのない森に近い所まで来て、いきなり手を離された私は思いっきり尻餅をついた。
思わず文句の一つでも言おうと、目の前に立っている声の主を見上げると、ポカンと口を開けて目を見開いたのが自分でも分かる程に驚いた。
「あ…………あぁああ……貴女は…………」
「どうして未だこんな所に!?ルデウル男爵はどうしたのよ!しかも結婚って!!貴女、リズでしょう!?」
二次元と三次元の違いはあっても、分かる。金糸のような美しいストレート髪に、引き込まれるような、つり目がちな赤い瞳。十歳の少女なのに、すでに胸には小さな膨らみが分かり、腰も細く、四年後には年齢の割に素晴らしいナイスバディが出来上がっている事を私は知っている。
だって、この人は
「カローラ・ティダル悪役令嬢!?」
「え?」
私の言葉にカローラが驚き目を見開いたのに私は気がつかず、思考回路を必死に回転させた。
王太子殿下の婚約者で、悪役令嬢なのに悪役っぽくない令嬢が、そこに居た。
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