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02.フラグは折りたい
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三日三晩うなされた……というか、現実逃避を続けていた私に、母は湖へピクニックに行こうと提案してくれた。
確かに、家の事も手伝わず、唸っては壁に頭を打ち付ける娘を心配しない母は居ないだろうな……というかこれが前世ならば病院と言う所に問答無用で連れて行かれただろう。
転生なのか、ゲームに引きずりこまれたのか、凄く頭を悩ましては何度も何度も頭を壁に打ち付けては、痛みがある事に絶望していた。これが現実なのか、と。
もうここまで来てしまえば、うだうだ悩む位なら現実だと受け入れて、いっそ回避する為に動こうとさえ思える。私はヒロインとしての仕事を一切放棄する!誰のルートにも乗りたくない!!
「お母さん!湖に行くのも久しぶりね!何か手伝おうか?」
「大丈夫よ、もう少しでサンドイッチ作り終わるからね」
「やったぁ」
前世の母に現世の母。違いはあれど母は母なのだな、と思いながらも帽子を被って準備をする、うん。可愛いと言えば可愛い方かもしれない。あの絵に比べると月とすっぽんだけど……それでも、この可愛さを得られた事だけは感謝したい。ゲームの中とかヒロインの立ち位置とか攻略対象とか不満の方が多いけれど。そして何より胸は成長しない事に憤りを感じるけれど……今からでも揉めば増えるかな~なんて考えながらその場でくるくる回って、自分の格好を確認した時に、ふとどこかで見た事があるなと気が付く。
そもそもヒロインは——
「リズ?用意出来たわよ~」
「行かない!!」
思い出した事柄に、一気に血の気が引く。日々の日常を楽しんでいる場合じゃない、ありとあらゆるストーリーを思い出さなくてはいけない現実を理解した。
「どうしたの?いきなり……」
「熱が!頭が痛い!!激しい動悸と息切れが!あと腹痛も!!!嫌だ嫌だ!!湖なんて行けない!!!!」
必死になって母親にしがみついて訴えていると、母も怪訝な顔をしながら私の顔を覗き込んだ後、大きく目を見開いた。
ポタポタと大粒の涙が自分の顔を伝っているのが分かる。
「病み上がりで無理しちゃダメだからね」
そう言って優しく頭を撫でてくれた母は、せめて花でも摘んできて飾りましょうと言ってくれた。
現世での優しい母に感謝の念を抱きつつ、フラグを折れたのだろうかと心配になる。
——だって、お母さんは死ぬ——
その事に胸を痛めながら、決意する。思い出せる限り思い出して、全力でフラグを叩き折ると!決意したところで頭を抱え蹲り、必死で思い出そうとあーあー唸っていた所に母が帰宅し、そんな私を見て慌て出すのは数分後の事だった。
確かに、家の事も手伝わず、唸っては壁に頭を打ち付ける娘を心配しない母は居ないだろうな……というかこれが前世ならば病院と言う所に問答無用で連れて行かれただろう。
転生なのか、ゲームに引きずりこまれたのか、凄く頭を悩ましては何度も何度も頭を壁に打ち付けては、痛みがある事に絶望していた。これが現実なのか、と。
もうここまで来てしまえば、うだうだ悩む位なら現実だと受け入れて、いっそ回避する為に動こうとさえ思える。私はヒロインとしての仕事を一切放棄する!誰のルートにも乗りたくない!!
「お母さん!湖に行くのも久しぶりね!何か手伝おうか?」
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「やったぁ」
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