【完結】異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~

かずきりり

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第三章

11.キィへのお土産を選ぼう

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「……何か、真の言った通りになったというか……」
「あの姿は普通の父娘に見えるわ」

 琴子と二人、街へ繰り出した。
 キィが回復するまではと、せいぜい畑の手入れくらいしかしておらず、もっぱら時間を持て余している。
 その合間にキィの部屋へと様子は見に行くのだけれど、そこには必ず枢機卿が居るのだ。
 しかも、せっせとキィのお世話をしているその姿は、ただの父親にしか見えない。

「……彼氏とかだと、ときめくんだろうけど……」
「……若いっていいわね……瑞希は適齢期だもんね」

 琴子もまだまだ若いとは思うのだけれど、社会経験もなく結婚しているから、そういう意識はないのだろうか。
 彼氏というより旦那に思えるのだろうけれど……別に彼氏を作って楽しんでも良い年齢だと思う。
 こっちの世界では知らないけれど。
 というか、贈り人相手に、この世界での価値観とか関係あるのだろうかと考えてしまうのは、神殿に引きこもってるからだろうか。
 まぁ、こうやって外には出ているけれど……自立には程遠い気がする。

「あ、あれキィのお土産に良いんじゃない?」

 琴子の指さす方へと視線を向けると、そこにはリボンが並んでいた。

「ツインテールを飾るリボンなんて良くない? 子どもらしい装飾品も付けてさ」
「キィの好みなんて知らないけど?」
「妙に大人びてるよねぇ。まぁ色んな色と可愛らしいものでも選べばいいんじゃない?」
「なら甘いお菓子とかでも良いと思うんだけど……」

 う~んと、二人で唸る。
 聖女服だからと、白ばかりを身にまとっているし、ある意味で色を用いるのは良いと思う。
 けれど好みではないものを贈られたとしても迷惑ではないか? ……私なら微妙なのだけれど。

「とりあえず見てみるだけ見てみようよ!」

 やっぱ遠慮しようと思考が傾いていたのだが、琴子によって強引に店内へと連れられて行く。
 ……こういう時の琴子って、本当に行動力だけはあるよなと感心してしまう。

「うわぁ可愛い」
「いらっしゃいませ」

 琴子が感動に声を震わせていれば、奥から人が出て来た。小さい店なので店員というよりは店主かもしれない。
 琴子が店主らしき人と話している間に、私は店内を見て回る。
 様々な色と種類のリボンが所せましと並んでいる中、リボンを使って作られた装飾品も飾られている。

「十一、二歳くらいの女の子へ贈りたいのですが……」
「でしたら、こちらのフリルが満載なリボンなど……」

 ……さすがにキィの好みからかけ離れているんではないだろうかと思いながら、私は店に飾ってあった、とある装飾品に目を奪われた。
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