【完結】真実の愛を見つけてしまいました

かずきりり

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08.

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結婚するのは自分とで、義理とは言え弟がどうこう出来る問題じゃない。
政略結婚が当たり前の貴族の中、幼馴染で好きだった愛らしい少女が婚約者となり、正直嬉しい限りだ。出来れば気持ちも欲しいけれど、それは結婚してからでも遅くない、今は存分に楽しんでいてくれれば良いなんて思っていた。
だって、聞いていると舞台俳優に憧れる令嬢のような感じで、そこに深い愛情が見えなかったから。弟を可愛がっている、そう思えば嫉妬が沸き起こる事もなかった。
面白くないのは事実だったけれど。
貴族令嬢の仮面を剥がし、いくらでも義弟の話を聞くよ、なんて言えば頻繁に会う事も叶い、周囲にアピールするのにも丁度良かった。
リズに男は近づけさせたくなかったし、こちらに擦り寄ってくる令嬢も煩わしい限りで、誰にも入り込む余地はないと牽制出来ていたのだ。

「義弟君に比べて扱いが……雑だったよなー」
「こ……これからはちゃんとガラル優先するし!」

領地から戻ってきて、今日も今日とて二人の逢瀬だ。相変わらず周囲に誰もおらず、完全に素の状態で話している。
顔を真っ赤にしながらも、そんな事を言うリズに対して、ついつい悪戯心が沸き起こっても仕方ない事だろう。
ちなみに、リズから告白を受けてからは、椅子の位置も対面ではなく隣にしている時もある。もうちょっと近くでも良いんじゃない?と言っては、無理なく距離を詰めているのだ。
今日は勿論、隣に座っていて……

「優先じゃなくて、特別が良いなー」
「ひゃっ!?」

二人っきりなのを良い事に、頬に唇を落とすと、リズは真っ赤になって反応する。
今までが今までというか、スキンシップの類なんて全くしていなかったから、反応が初々しくて楽しい。

「あ……あ……あんまりこんな事すると……っ!」
「嫌いになる?」
「…………」

あれ?真っ赤になりつつ睨みつける姿も可愛い……けれどその先の言葉は何かな?と先手を売って聞くも、無言で唇を噛み締める。
うん、嘘はつけない性格だし、嘘でも言いたくないだろうね。

「結婚は不可避だからね」
「わ……わかってる!覚悟しなさいよ!」
「え……?こっちが覚悟するの?」

若干、喧嘩腰で返ってきた内容に驚きつつ、そういう所も可愛いと思える。
あれ?え?と慌てるリズを見て、思わず吹き出す。
ダレンの事でも、あれだけ素直で純情な反応や意見を出していたリズだ。元々がそういう性格なのはよくわかってる。

「三ヶ月後からは、もう夫婦だね。絶対離さないよ?」
「……離すつもりもないでしょう?」
「勿論」
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