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39.日本での懐かし話

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「あー確かに、私もゲームばかりしていたような……?」
「テストなんて一夜漬けよー!」

 色々と話をする。
 共通点なんてないけれど、修学旅行なんてものがあり、飛行機に乗った話とか。体育祭や文化祭の事。科学が発展していて、移動手段は電車や車だった事も、当たり前のようでお嬢様には懐かしい話だ。
 ……まぁ、俺も死んでそんなに経っていないが、結構昔に思える。この世界での生活を見ているだけで、これが普通という感覚になったようだ。……慣れって、恐ろしい。

「車……そうね、おしりが痛くなくてスピード出てたわ……結構忘れてるものね」
「そりゃ生きてる記憶合わせて、何年になるんですかね~?」
「おばさんって言いたいの?実際年齢を重ねないと出来ない体験ってのもあるんだからね!」

 お酒やたばこは成人してからだし、どうしても学生の身分では親の庇護下になる。保護者は絶対必要で、責任問題になるとやはり親だ。
 確かに、そういう意味でも実際年齢を重ねていないと、独り立ちという経験も積めない。

「確かに就職とかはなぁ……」
「就職……」

 お嬢様が、いまいちピンとこないと言った感じで、うーんと唸る。
 あっちの世界では就職がどのようなものだったか、記憶にないのだろう。まぁ、細かいところはあまり覚えてないとは最初から言っていたし。むしろ見ていると微笑ましくも感じる。

「家の近くに公園があって、それがまた見晴らしよくってさ……」

 お気に入りだった場所を語る。何か……自然豊かなのは、明らかにこちらの世界だが、やはり日本の自然も懐かしい。それは故郷といった感じなのだろうか。

「幼馴染と、よくそこで一緒にゲームしてたりして……」
「……そこ、池がある……?」

 顎に手を当てて、何かを考えるような仕草をして、お嬢様が口を開いた。

「小さい池なら……」
「学ラン……公園と池……大木のある学校」
「え!?」

 お嬢様の言葉に、自分の耳を疑った。学校に大木があったなんて、俺はまだお嬢様に言っていないからだ。

「私……知ってる……知ってるよ!池には鯉も居た!思い出したよ!」

 俺の話に感化されて思い出したのか、お嬢様は興奮気味に話し出した。

「海があって……山もあって……うん、海水懐かしい!」

 そういえば、この世界でまだ海や山を見ていない。日本でも海まで遠い場所に住んでいる場合もあるし、遠い可能性もあるだろう。
 ……しかし、お嬢様の話的に……どうも、同じ公園で同じ学校だったように思えるんだが……。いや、でも……もしかしたら同じような場所が他にもあるのかもしれないし……。
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