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「あんたなんてカラルスの事、好きでも何でもないくせに!」
ランテス男爵令嬢は、そんな捨て台詞を残して連行されて行った。
「……レガス伯爵令嬢……ハンカチを……」
王女殿下が差し出してくれたハンカチを見て、私は自分が涙を流している事に気が付いた。
――好きよ。
胸に封じた思いが再度沸き上がる。
好きで、好きで。どうしようもない程に好きで。忘れようって思っていないといけない程で……。本当にどうでも良いのであれば、そんな事すら自己暗示のように思わない。まるで呪文のように、忘れようという言葉を呟いては、頭の中から追い払わないといけない程で……でないと自分が感情に呑まれて苦しむだけで……。
「……恋愛は綺麗なだけではないのね」
王女殿下の、そんな一言が胸に強く響いた。
「……生きてる……」
「アマリア様?」
私の言葉に、ルアがキョトンとした顔をして名前を呼んできた。何でもないと口では言うものの、気が抜けたような感じで、いつもの貼り付けた笑みをつくる気力さえない。
ランテス男爵令嬢が私の名前で差し入れたお菓子には毒物が混入されていたらしく、私は知らないとランテス男爵令嬢は言っていたようだが、私の名前を無断使用したり王女殿下に馴れ馴れしく会っていたのも問題視された。
というより、見慣れない侍女もランテス男爵側の人間だったらしく、どうやらランテス男爵の方が自分の娘を使って少しでも自分の地位を良い方向へ持っていきたかった為に裏で試行錯誤していたようだ。
……それならば教養のない娘など使いやすかっただろう。そして切り捨てるつもりだったのかもしれないが、そうもいかない。しっかり国王自らが調べて裏をとってきたからだ。……王族を侮辱するかのような行為なのだから、そこに情状酌量の余地はない。
――今回、処刑されたのは私ではなくランテス男爵令嬢だった。
勿論、お家ごと取り潰されてはいるし、冤罪でない事もしっかり分かっている。
そうなると、前回私に冤罪を着せたのもランテス男爵令嬢がしっかり関わっているわけで……。
「恨む矛先は、もうないのね……」
それがハッキリ分かった時には、その相手がこの世に存在しない者となっていた。
蝕まれる虚無感に、何も考えられない。
そんな時にノックの音が聞こえたかと思ったら、私には更なる戦いの場がある事を理解されられる言葉が聞こえた。
「アマリア様……ジーン公爵令息がお見えです」
そう……ある意味で元凶となった私の婚約者。私の……最愛。
ランテス男爵令嬢は、そんな捨て台詞を残して連行されて行った。
「……レガス伯爵令嬢……ハンカチを……」
王女殿下が差し出してくれたハンカチを見て、私は自分が涙を流している事に気が付いた。
――好きよ。
胸に封じた思いが再度沸き上がる。
好きで、好きで。どうしようもない程に好きで。忘れようって思っていないといけない程で……。本当にどうでも良いのであれば、そんな事すら自己暗示のように思わない。まるで呪文のように、忘れようという言葉を呟いては、頭の中から追い払わないといけない程で……でないと自分が感情に呑まれて苦しむだけで……。
「……恋愛は綺麗なだけではないのね」
王女殿下の、そんな一言が胸に強く響いた。
「……生きてる……」
「アマリア様?」
私の言葉に、ルアがキョトンとした顔をして名前を呼んできた。何でもないと口では言うものの、気が抜けたような感じで、いつもの貼り付けた笑みをつくる気力さえない。
ランテス男爵令嬢が私の名前で差し入れたお菓子には毒物が混入されていたらしく、私は知らないとランテス男爵令嬢は言っていたようだが、私の名前を無断使用したり王女殿下に馴れ馴れしく会っていたのも問題視された。
というより、見慣れない侍女もランテス男爵側の人間だったらしく、どうやらランテス男爵の方が自分の娘を使って少しでも自分の地位を良い方向へ持っていきたかった為に裏で試行錯誤していたようだ。
……それならば教養のない娘など使いやすかっただろう。そして切り捨てるつもりだったのかもしれないが、そうもいかない。しっかり国王自らが調べて裏をとってきたからだ。……王族を侮辱するかのような行為なのだから、そこに情状酌量の余地はない。
――今回、処刑されたのは私ではなくランテス男爵令嬢だった。
勿論、お家ごと取り潰されてはいるし、冤罪でない事もしっかり分かっている。
そうなると、前回私に冤罪を着せたのもランテス男爵令嬢がしっかり関わっているわけで……。
「恨む矛先は、もうないのね……」
それがハッキリ分かった時には、その相手がこの世に存在しない者となっていた。
蝕まれる虚無感に、何も考えられない。
そんな時にノックの音が聞こえたかと思ったら、私には更なる戦いの場がある事を理解されられる言葉が聞こえた。
「アマリア様……ジーン公爵令息がお見えです」
そう……ある意味で元凶となった私の婚約者。私の……最愛。
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