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「何の話をしてたのー?」
「あぁ……」
そんな女の言葉に、素直に説明を始めるカラルスに対し、何かを期待する心はどんどん冷え切ってしまう。
どうして追い出さないの?
どうして説明するの?
それが優しさだと思っているのだろうか。心を切り離して、この二人を捉えて見てみれば、恋愛している男女か、もしくは都合良い関係性にしか見えない。
貴族としての務めをきちんと果たすつもりならば、切り離す事も時として優しさなのではないのか。……ただただ、カラルスが優柔不断なだけではないのか。
そう色々と思ったりするくせに、その都度心が痛む私は一番の愚か者だろうけれど。
「えー!何それ!私が行く!」
話を聞き終えただろうランテス男爵令嬢は、いきなりそんな事を叫び始めた。
「レガス伯爵令嬢はカラルスへ会いに来る暇もないくらい忙しいだろうから!私が行く!!」
「いや……しかし王女殿下に不敬があっては……」
「それはレガス伯爵令嬢も同じでしょ!?私が行きたいから私が行く!」
…………は?
何を言っているのだろう、この女は。先ほどから子どものように駄々をこねて、意味不明な理論をまくしたてているようにしか見えない。それを宥めるだけのカラルスには、ほとほと呆れ果ててしまう。
それに……会いに来る暇もない……?何だろう、これは喧嘩を売られているのか、それとも恋人としての牽制か。
「まぁ……確かに……。アマリアが忙しいのであれば……」
そう言って私に視線を向けるカラルスに、心の底から怒りが爆発した。
「婚約者の周りに目障りな虫が飛び交っていては会いに行く気も失せますわ。それを受け入れている以上、私がお邪魔虫みたいですもの。周囲の目をよく見てみて下さいな。貴族としての責任や婚約者としての立ち振る舞いも、第三者にどう見られているのかを」
そう言って私は席を立ち、扇で口元を隠した。
呆然としている二人に、更に追い打ちをかけるように言葉を畳みかける。
「婚約者としての立ち振る舞いは勿論の事、責任を果たしていない以上、私としても婚約者の責任を果たす必要はあるのかしら?家柄的に泣き寝入りして当たり前という考えでしょうか。よくお考え下さいな」
それだけ言って、私はサロンから出た。
え!?虫!?とか喚くランテス男爵令嬢の声だけが、扉の閉まる瞬間に聞こえたけれど、そんなのどうでも良い。むしろ今更的に気が付くとしたら、二人は同類同士お似合いなのだろう。
諦めにも似た感情が心の中に広がっていくのを感じながら、でもどこか諦めきれていない自分を自覚しつつ、私は帰路についた。
「あぁ……」
そんな女の言葉に、素直に説明を始めるカラルスに対し、何かを期待する心はどんどん冷え切ってしまう。
どうして追い出さないの?
どうして説明するの?
それが優しさだと思っているのだろうか。心を切り離して、この二人を捉えて見てみれば、恋愛している男女か、もしくは都合良い関係性にしか見えない。
貴族としての務めをきちんと果たすつもりならば、切り離す事も時として優しさなのではないのか。……ただただ、カラルスが優柔不断なだけではないのか。
そう色々と思ったりするくせに、その都度心が痛む私は一番の愚か者だろうけれど。
「えー!何それ!私が行く!」
話を聞き終えただろうランテス男爵令嬢は、いきなりそんな事を叫び始めた。
「レガス伯爵令嬢はカラルスへ会いに来る暇もないくらい忙しいだろうから!私が行く!!」
「いや……しかし王女殿下に不敬があっては……」
「それはレガス伯爵令嬢も同じでしょ!?私が行きたいから私が行く!」
…………は?
何を言っているのだろう、この女は。先ほどから子どものように駄々をこねて、意味不明な理論をまくしたてているようにしか見えない。それを宥めるだけのカラルスには、ほとほと呆れ果ててしまう。
それに……会いに来る暇もない……?何だろう、これは喧嘩を売られているのか、それとも恋人としての牽制か。
「まぁ……確かに……。アマリアが忙しいのであれば……」
そう言って私に視線を向けるカラルスに、心の底から怒りが爆発した。
「婚約者の周りに目障りな虫が飛び交っていては会いに行く気も失せますわ。それを受け入れている以上、私がお邪魔虫みたいですもの。周囲の目をよく見てみて下さいな。貴族としての責任や婚約者としての立ち振る舞いも、第三者にどう見られているのかを」
そう言って私は席を立ち、扇で口元を隠した。
呆然としている二人に、更に追い打ちをかけるように言葉を畳みかける。
「婚約者としての立ち振る舞いは勿論の事、責任を果たしていない以上、私としても婚約者の責任を果たす必要はあるのかしら?家柄的に泣き寝入りして当たり前という考えでしょうか。よくお考え下さいな」
それだけ言って、私はサロンから出た。
え!?虫!?とか喚くランテス男爵令嬢の声だけが、扉の閉まる瞬間に聞こえたけれど、そんなのどうでも良い。むしろ今更的に気が付くとしたら、二人は同類同士お似合いなのだろう。
諦めにも似た感情が心の中に広がっていくのを感じながら、でもどこか諦めきれていない自分を自覚しつつ、私は帰路についた。
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