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「アマリア・レガス伯爵令嬢!其方を王族に毒をもったとして処刑とする!」
「……え?」
いきなりの事に、呆気に取られてしまう。一体この人は何を言っているのだろうと、頭の中に疑問符ばかりが浮かぶ。
前触れもなく現れた近衛兵達に有無を言わさず王城へ連れてこられて、貴族達が立ち並ぶ部屋へ連れてこられたかと思えば、これだ。
「立て!」
「キャッ!」
兵士達が私を罪人のように掴み、そのまま無理やり立たされた痛みにて、やっと今この瞬間に起こっている事が全て現実だと受け入れられた。
あまりの恐怖に身体は震え、大粒の涙が次から次へと零れ落ちる。だって、さっき処刑って言ってたよね……つまりそれは……。
「私はやっていません!」
精一杯の声で泣き叫ぶ。だって、知らない。王族に毒が盛られた事……言ってしまえば、王族の誰に盛られたのかすら知らないのだ。
――つまり、冤罪だ。
「今更自分の大罪に怖気づいたか!」
信じてもらえず、そう叫び返された声で息を呑んだ。本当にやっていないのに、という思いと、どうして信じてもらえないのか、という思いから涙を流して頭を左右に振る事しかできない。
けれど、兵士達は問答無用と言わんばかりに私を連行しようとする。
誰か……誰か!!
そんな思いで視線を彷徨わせていると、涙で歪んだ視界の端に婚約者の姿が見えた。
助けて。
出てこない声……だけど、口だけは確かに動いた……と、思う。けれど……婚約者は私から視線を反らすだけで、助けようとはしてくれなかった。
悲しい表情も、怒るような表情も、何もなく。ただ無表情に視線を反らすだけだった。
――どうして。
ただ婚約者の態度に目を見開いて、無抵抗に引きずられて歩くように連行される。
どうして、どうして、どうして。
ただ、その言葉だけが頭の中を反芻し、涙は次から次へと溢れ出す。
……先ほどまでとは、違う理由で。
――どうして目を反らすの。
――どうして助けてくれないの。
――どうして表情すら変えてないの。
――どうして声をあげてくれないの。
――どうして……助けてくれないの。
沢山のどうしてが頭の中で繰り返される。
……私がやったと思ってるの……?
信頼する婚約者に見捨てられ、絶望が思考を支配する中、ふと婚約者の隣に居る女が視界に入った。
親しそうに、腕に寄り添い……そして、その口元は口角を上げて微笑んでいた。まるで邪魔者である私が消える事を喜んでいるかのように。
私が、正式な婚約者なのに、だ。
心が引き裂かれたかのような痛みが走り、身体は生きる気力すら奪われたかのように、無気力で動かないのに、痛みだけが生きている実感を与える。
そのまま私は兵士達に牢へ連行されるも……その後すぐに斬首刑に処され、絶命した。
はずだった。
私は、そこで死んだ筈だったのに……。
「……え?」
いきなりの事に、呆気に取られてしまう。一体この人は何を言っているのだろうと、頭の中に疑問符ばかりが浮かぶ。
前触れもなく現れた近衛兵達に有無を言わさず王城へ連れてこられて、貴族達が立ち並ぶ部屋へ連れてこられたかと思えば、これだ。
「立て!」
「キャッ!」
兵士達が私を罪人のように掴み、そのまま無理やり立たされた痛みにて、やっと今この瞬間に起こっている事が全て現実だと受け入れられた。
あまりの恐怖に身体は震え、大粒の涙が次から次へと零れ落ちる。だって、さっき処刑って言ってたよね……つまりそれは……。
「私はやっていません!」
精一杯の声で泣き叫ぶ。だって、知らない。王族に毒が盛られた事……言ってしまえば、王族の誰に盛られたのかすら知らないのだ。
――つまり、冤罪だ。
「今更自分の大罪に怖気づいたか!」
信じてもらえず、そう叫び返された声で息を呑んだ。本当にやっていないのに、という思いと、どうして信じてもらえないのか、という思いから涙を流して頭を左右に振る事しかできない。
けれど、兵士達は問答無用と言わんばかりに私を連行しようとする。
誰か……誰か!!
そんな思いで視線を彷徨わせていると、涙で歪んだ視界の端に婚約者の姿が見えた。
助けて。
出てこない声……だけど、口だけは確かに動いた……と、思う。けれど……婚約者は私から視線を反らすだけで、助けようとはしてくれなかった。
悲しい表情も、怒るような表情も、何もなく。ただ無表情に視線を反らすだけだった。
――どうして。
ただ婚約者の態度に目を見開いて、無抵抗に引きずられて歩くように連行される。
どうして、どうして、どうして。
ただ、その言葉だけが頭の中を反芻し、涙は次から次へと溢れ出す。
……先ほどまでとは、違う理由で。
――どうして目を反らすの。
――どうして助けてくれないの。
――どうして表情すら変えてないの。
――どうして声をあげてくれないの。
――どうして……助けてくれないの。
沢山のどうしてが頭の中で繰り返される。
……私がやったと思ってるの……?
信頼する婚約者に見捨てられ、絶望が思考を支配する中、ふと婚約者の隣に居る女が視界に入った。
親しそうに、腕に寄り添い……そして、その口元は口角を上げて微笑んでいた。まるで邪魔者である私が消える事を喜んでいるかのように。
私が、正式な婚約者なのに、だ。
心が引き裂かれたかのような痛みが走り、身体は生きる気力すら奪われたかのように、無気力で動かないのに、痛みだけが生きている実感を与える。
そのまま私は兵士達に牢へ連行されるも……その後すぐに斬首刑に処され、絶命した。
はずだった。
私は、そこで死んだ筈だったのに……。
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