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26.side-あたしは手段を選ばない
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「まぁ、そんな事が!」
「あぁ…まぁ…」
「ロザリア様には気をつけてくださいね!」
あれから度々訪れるパルロアだが、どうやら権力を笠に着てあたし達に会いに来ているらしい。
騎士達も大公の娘相手には強気に出れないらしく、渋々通しているようだ。というのは、メイド達の噂話を立ち聞きして得た情報だ。
そこまでしてあたし達に接触する理由としては、やはりジャスティンの事だろうと勘ぐれる。
となると、父親である大公はどうなのだろう?確かジャスティンの味方だったと記憶しているんだけれど…
「あぁ、しかし僕はロザリアと国へ帰ろうと思って迎えにきたんだ」
「えぇ、あたしもロザリア様を許しますから」
「なんてお優しいお二人なのでしょう」
色々考えつつも、口はスラスラ言葉を紡ぐ。いい加減慣れたものだ。
ロザリアを悪く言うのも、悪役に仕立て上げるのも、あたしが被害者ぶるのも。
そもそもロザリアの悪評を影で少しずつ仕立て上げ流したのはあたしだし、ゆっくり確実にロザリアを孤立させていったのもあたしだ。
気が付いた時には、もう手遅れのように。
「そんなロザリア様を側に置くジャスティン様の方が優しいわ」
軽く探りを入れてみる。
ジャスティンはそもそも不遇の皇子だ。今は皇帝にまでなっているけれど…
「そうですね…陛下はとてもお優しいのですが…今の話を聞いていると心配になってきましたわ…」
一瞬だけパルロアの目が睨むような形になったのを見逃さなかった。
が、返答から考えるにジャスティンを狙うライバルかもしれないが、今はロザリアという共通の敵がいると認識して良いのだろうか。
「なんとかしてロザリア様を連れて帰ろうと思う」
「ロザリア様とジャスティン様を説得したいのですが…二人別々なら説得に応じてくれるかしら」
「ですがエルガー譲は体調が…」
「ただの心労ですわ。心配で心配で…」
体調不良を心労で押し通す事にした。間違ってはいないし、貴族令嬢なら心労で倒れる事もあるだろうから、そんな状態での長旅なんて無理と押し通せば良いだけだ。
アーサーもロザリアが居なければ帰る気もないし、ディスタ国の王太子という身分を存分に使う気でいる。
「二人別々か…」
アーサーがあたしの言葉を復唱して考えるように手を口元にあてる。
「だってジャスティン様はロザリア様を離そうとしないじゃないですか。ロザリア様に帰ると言わせる事が出来れば良いと思うんです」
どんな手を使っても。
そんなあたしの言外に含まれる思いを汲み取ったのか、パルロアの口元が歪にゆがむ。
やはりパルロアもロザリアが邪魔だったのだ。ジャスティンを渡すつもりはないが、ロザリアを排除する為には是非とも役立ってもらいたい。
「それでしたら…私が何とかしましょうか?」
「本当か!?」
「ありがとうございます!」
くらいついてきた———
なかなか自由に動けないあたし達に代わって、二人をうまくおびき寄せる餌になってね。
「あぁ…まぁ…」
「ロザリア様には気をつけてくださいね!」
あれから度々訪れるパルロアだが、どうやら権力を笠に着てあたし達に会いに来ているらしい。
騎士達も大公の娘相手には強気に出れないらしく、渋々通しているようだ。というのは、メイド達の噂話を立ち聞きして得た情報だ。
そこまでしてあたし達に接触する理由としては、やはりジャスティンの事だろうと勘ぐれる。
となると、父親である大公はどうなのだろう?確かジャスティンの味方だったと記憶しているんだけれど…
「あぁ、しかし僕はロザリアと国へ帰ろうと思って迎えにきたんだ」
「えぇ、あたしもロザリア様を許しますから」
「なんてお優しいお二人なのでしょう」
色々考えつつも、口はスラスラ言葉を紡ぐ。いい加減慣れたものだ。
ロザリアを悪く言うのも、悪役に仕立て上げるのも、あたしが被害者ぶるのも。
そもそもロザリアの悪評を影で少しずつ仕立て上げ流したのはあたしだし、ゆっくり確実にロザリアを孤立させていったのもあたしだ。
気が付いた時には、もう手遅れのように。
「そんなロザリア様を側に置くジャスティン様の方が優しいわ」
軽く探りを入れてみる。
ジャスティンはそもそも不遇の皇子だ。今は皇帝にまでなっているけれど…
「そうですね…陛下はとてもお優しいのですが…今の話を聞いていると心配になってきましたわ…」
一瞬だけパルロアの目が睨むような形になったのを見逃さなかった。
が、返答から考えるにジャスティンを狙うライバルかもしれないが、今はロザリアという共通の敵がいると認識して良いのだろうか。
「なんとかしてロザリア様を連れて帰ろうと思う」
「ロザリア様とジャスティン様を説得したいのですが…二人別々なら説得に応じてくれるかしら」
「ですがエルガー譲は体調が…」
「ただの心労ですわ。心配で心配で…」
体調不良を心労で押し通す事にした。間違ってはいないし、貴族令嬢なら心労で倒れる事もあるだろうから、そんな状態での長旅なんて無理と押し通せば良いだけだ。
アーサーもロザリアが居なければ帰る気もないし、ディスタ国の王太子という身分を存分に使う気でいる。
「二人別々か…」
アーサーがあたしの言葉を復唱して考えるように手を口元にあてる。
「だってジャスティン様はロザリア様を離そうとしないじゃないですか。ロザリア様に帰ると言わせる事が出来れば良いと思うんです」
どんな手を使っても。
そんなあたしの言外に含まれる思いを汲み取ったのか、パルロアの口元が歪にゆがむ。
やはりパルロアもロザリアが邪魔だったのだ。ジャスティンを渡すつもりはないが、ロザリアを排除する為には是非とも役立ってもらいたい。
「それでしたら…私が何とかしましょうか?」
「本当か!?」
「ありがとうございます!」
くらいついてきた———
なかなか自由に動けないあたし達に代わって、二人をうまくおびき寄せる餌になってね。
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