【完結】ネットゲームで知り合った配信者に恋をした

かずきりり

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『こんな報告になって申し訳ない……』
『いや、まぁ、ある程度予測はしてた(笑)』

 散々シンにも止めとけと言われていたし、今もまだ不確定要素な年齢くらいしか知らないわけだから、そうなのだろうけれど。

『ねぇ……ロイナルさん、配信してるけど? 良いの?』
『えっ!? しぃ、吹っ切れた!?』
『……聞いてない』
『あっ』
『うわぁ……』

 配信の連絡をくれないなんて、初めてだ。
 どうして、何で、という言葉が頭を駆け巡る。
 会った時、嫌われるような事をした?
 それとも、もうセックスしたから用済みとか?
 溢れる涙を拭いながら、ロイナルちゃんねるを表示させる。

 べびぃどぉる:リクエスト配信ありがとー(はぁと)

「どういたしましてー。このエリアの攻略方法だよね? 他の人も復習がてら、良かったらどうぞ! 新しい隠し通路も実は見つけてるんだ」

 べびぃどぉる:隠し通路!

 リクエスト配信。いつの間に、そんな仲になっていたのだろう。
 あれだけ泣いたのに、また涙が溢れ出す。私はこのまま、干からびてしまうのではないかと思えてくる。

「……冷やそう……」

 りっぷに言われた言葉を思い出して、明日も仕事だからと考えて行動する理性が自分には残っている。それが救いだと思いながら、私はもう配信を見たくないと、画面を閉じ、ベッドへ横たわった。
 止めどなく溢れる涙に、頭痛を催しながらも泣き疲れた私は、そのまま意識を失っていた。



 ◇



『昨日、急遽配信してたんだー!』

 何事もないかのような、軽いメッセージがロイさんから送られてきたが、私の心は浮足立つ事がない。

『そうなんだ。連絡なかったから知らなかったよ』

 感情のこもらない、文字だけのやり取りとは、まさにその通りだ。この文章には何の気持ちも乗っていない。

『そして新しい動画もアップしました!』
『見てみるね』

 報告されたからには、一応見ないといけないだろうな、今までそうしていたのだし。なんて変な義務感が生まれている。
 重苦しい気持ちに溜息を付きながらロイナルちゃんねるを開いて動画を見れば、既に数十件とコメントが書かれているのが見えた。
 つい癖で、それを開けてしまう。

<べびぃどぉる:待ってましたー!>
<べびぃどぉる:イチコメだった!>
<べびぃどぉる:すご! こういうのがあるんだ>
<べびぃどぉる:流石だね! ナルル!>
<べびぃどぉる:ナルル最高~!>
<べびぃどぉる:どうやって分かったの?>
<べびぃどぉる:あ、その攻撃方法、詳しく知りたい!>
<べびぃどぉる:きゃ~! クリアー!>
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