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「以前貰った魔道具なのですけれど……」
「魔道具!? 怪我はないか!?」
「ルイス! 貴方どんな爆弾を貰ったの!?」
「失礼な!」

 両親からの扱いが酷い!
 実の娘な筈なのに!
 そりゃ……そりゃね? 確かに爆発を起こしたり、変な煙出したり、わけのわからない液体が流れ出したりもしたよ?
 庭でやろうものなら、一部焦土と化した場所もあるけどさ!
 ……いや、そりゃこういう扱いになる……か?

「ルイス……何か不具合が……?」

 自分のやらかしてきた過去を思えば、一気に不安となり、怯えながらルイスにたずねる。

「あ、はい。何やら呻き声のような音が聞こえるのですけれど」

 そう言って机へと出した魔道具……それは、私がルイスに渡した盗聴器だ。

 ――ギッギギッキィイイイッギッギッ。

「……」

 よく聞いてみれば、金属同士が絡み合うような音のように聞こえるけれど、何も知らなければ薄気味悪い呻き声だ。

「ミア……?」
「次は化け物を生み出したのか……?」
「違います! これは盗聴器のつもりだったのですー!」

 つい言ってしまった言葉に、私は口を押える。

「「とうちょうき?」」
「義姉上いわく、俺の事を守るものだと……」

 胡散臭いものを見るような目で見る両親に対して、ルイスは神がかったフォローを述べてくれる。否、ルイスは神だった!

「ミア? それはどういった物か詳しく説明してくれないか?」
「きちんと説明できるわよね? 守るものですものね?」

 両親からの圧力を感じながら、私は項垂れる。
 料理が目の前に運ばれてきたけれど、それを口にしたところで味なんてしない。

「えっと……ですねぇ……」

 考えた所で逃げ切れる自信なんて皆無だ。
 色々バレているのであれば、後はルイスに不快感を与えないようにしなくては! ルイスに嫌われたら生きていけない!

「それは遠くの声を聞くものです! ルイスが誰かに虐められていないか念のために!」
「この邸でルイスに不敬を働く者が居ると?」

 お父様の目が光る。
 お父様はルイスの事も大事にしているので、そんな不届きものが居たとすれば、そのまま放置はありえない。
 使用人に罪を被せてしまったかのような伝え方に、私の方が焦って両手を振って全否定をする。

「違います! 街に行った時などですよ! ただ……聞くための装置を稼働した事はありませんが……」

 嘘だ。
 思いっきり稼働している。それこそ、一日中、寝ている間すらも!
 ……声が聞こえた事はなかったから、聞いた事ないのは本当だ。まさかの失敗だったとは……。
 出来れば親に知られる事なく、部屋での一人ルイスを堪能したかったのだけれど……次こそは!
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