【病み系】短編集

かずきりり

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穢れた赤に綺麗な白

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私は汚い。

この顔も、この身体も、この内臓も、この体内にあるモノ全て。
私はここに居る事自体が穢れで、ここに存在する為に穢れた何かを出さなければならない。

世の中は全て醜く穢れきっていて
世界も、今この価値観も、誰かが決めた常識やモラルのレールや法律。
その中に存在している貴方達も穢れている。



「くす…くすくすっ」

暗い暗い空間で、その綺麗なモノを見る為だけにライトアップされた此処。
自分の中の汚れたモノを全て出す為の儀式。
でもね?私だけが汚れたモノを出しても意味がないの。
それじゃ世界は美しくならない。
言ってる事…分かるよね??

闇は全てを隠してくれる。
その中に光り輝く月。
でも月は狂気。
その光に秘められた鋭い刃は人の残酷な心を掻き立てる。



「穢れたモノを取り出しましょう」

自分で自分の腕を切り裂いて汚らわしい血液を流しても、私一人が流していても意味がないから。
だったら全員流せば良い。

腕から穢れた赤い血を滴らせ、一人、また一人と同じように切り裂いていく。
あぁ…でも、その内臓も汚かったよね。
その身体全て穢れてるよね。
この世界に存在している事事態が、駄目なのよ…

体内にある汚れたモノを全て取り出し、この世に存在しなくなって初めて
ソレは穢れてナイと言える…。

あぁ、駄目じゃない…
まだ残ってる…
そう。『私』が…
こんな穢れた世界に残っていても意味ナイよね…?
だから…早く…全て取り出して…。

- 狂 気 の 果 て -

大量殺人の犯人は、自殺の末見つかった。
朝のニュースで流れる言葉は人々の心に止まる事もない。

「あぁ、本当に最近ぶっそうになったわねぇ」

そう一言言って終わる人達。
無関心のみが広がった意味のない世界。
一体、何が残ると言うのだろうか…?
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