【病み系】短編集

赤い部屋

飛沫を飛ばして。
ソレが目立つような白い壁、白いカーテン、白い絨毯。
でも目立たないような黒い家具。
そして赤い小物。
白は汚れやすくて、黒はホコリが目立つというけど、それ以前に私の部屋は違った。

この部屋に一度友達を上げた事があった。
強引に押しかけて来た友達を。
今は、もう友達と呼べない仲だけど…

この部屋に入った友達は叫び、発狂し、怒鳴って帰って行った。

「アンタは異常だ！！！！」

異常？異常？？何が異常？
綺麗でしょ？この部屋

手首を切り落とすイキオイで切り裂いて
噴水となった血をあたり一面に撒き散らす。
白い部分を全部赤く染めるかのように。
どんどん赤黒くなる部屋。
血で錆びたカミソリはコレクションとして飾ってある。
手首の血をふき取ったタオルは絨毯の上にひいてある。

血を見るのは嫌いじゃない。むしろ好き。
毎日毎日、手首を切って、入浴剤のように浴槽にいれて入るのが好き。
だから今日も…
そのまま…眠るように…
眠るように…逝けますように。
毎日の願い。
ずっとずっとの願い。

眠るように死にたかった。
だから血を出せばイイと思った。
食べずに血を出して痩せ細っていく体。
それに気づきはするが「ダイエットしてるから」で納得する周り。

血は好きだった。
飲むのも、見るのも、触るのも。
だから血に塗れた生活。
そろそろ…そんな楽しい幸せな生活ともサヨウナラ。

おやすみなさい………