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34.乗り込もう
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「……いや、伝説レベルの存在だよ!?神に等しい魔人だよ!?」
「このまま黙って滅んでくのもなー」
「ユーリィを危険にあわせる存在は滅するのみ」
ジャンは現実的な事を言うけれど、逃げたとして何処に行けと言うのだろう。本当に世界を滅ぼすような存在ならば、どこに居たって同じだ。レオンは黙っている気はないし、あたしだってそうだ。
「はっ!?」
言いながらもユーリィを起こそうとしていたレオンの奮闘が実り、ユーリィが気が付いた。
「あ、起きた。魔人の気配ってどこ?ジャン、気絶しないように何か魔法ない?」
「あ……あ~……うん」
「え!?」
起きたと同時に、何やら気絶する事が出来ないような魔法をかけられたユーリィの顔が真っ青になっていく。もはやレジェは諦めたかのように視線をユーリィから背けて何も言わず佇んでいた。
あたしも、ユーリィとの未来を考えれば、今ユーリィに出来る事はしてもらいたい!あたしの!幸せの為だ。
「……ユーリィの幸せも考えてあげてよ……」
思わず声に出ていたようで、ジャンにそう言われるけれど、とりあえずそれはそれ。まずは魔人をどうにかしないといけない!
「あ……あっち……」
「よし!行くよー!」
恐る恐ると言った様子でユーリィが指さす方向へ、あたしはユーリィを抱き上げて走り出す。担ぐより、こっちの方がユーリィの指さす方向が分かりやすい。
「お前も来いって」
「あ!じゃあ事実確認のために王太子殿下も!」
「え!?」
レオンがジャンを引っ張れば、ジャンは王太子殿下の腕を取った。まさか自分も行く事になると思っていなかっただろう王太子殿下は、驚き目を見開いた。
「普通は守るものでしょうが……その存在という権力が必要になるかもしれない異常事態ですし、念の為」
「血も涙もない事を言うな!?まぁ王族として見過ごせないけどもだなぁ!」
ジャンはそう言うけれど、あたしが守るのは優先してユーリィだぞ?まぁ、レオンも頷いているから、レオンとジャンで守ってくれるだろうし良いか。
何かあれば王族権力……うん、それ良い。あるに越したことはない。
「第二王子や従兄弟たちが居るのでスペア的には問題ないのでは?」
「不敬すぎるけれど、魔王の側近にはあてはめられない気がするー!!」
レジェの言葉に王太子殿下も答えながら、皆でユーリィの指さした方向へ走って行く。
直線状を指さしているだけなので、壁を越えて、家の屋根をつたう等して障害物を乗り越え……その度に苦言を呈するジャンや王太子殿下を無視して、辿りついた先は……。
「このまま黙って滅んでくのもなー」
「ユーリィを危険にあわせる存在は滅するのみ」
ジャンは現実的な事を言うけれど、逃げたとして何処に行けと言うのだろう。本当に世界を滅ぼすような存在ならば、どこに居たって同じだ。レオンは黙っている気はないし、あたしだってそうだ。
「はっ!?」
言いながらもユーリィを起こそうとしていたレオンの奮闘が実り、ユーリィが気が付いた。
「あ、起きた。魔人の気配ってどこ?ジャン、気絶しないように何か魔法ない?」
「あ……あ~……うん」
「え!?」
起きたと同時に、何やら気絶する事が出来ないような魔法をかけられたユーリィの顔が真っ青になっていく。もはやレジェは諦めたかのように視線をユーリィから背けて何も言わず佇んでいた。
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思わず声に出ていたようで、ジャンにそう言われるけれど、とりあえずそれはそれ。まずは魔人をどうにかしないといけない!
「あ……あっち……」
「よし!行くよー!」
恐る恐ると言った様子でユーリィが指さす方向へ、あたしはユーリィを抱き上げて走り出す。担ぐより、こっちの方がユーリィの指さす方向が分かりやすい。
「お前も来いって」
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「え!?」
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「普通は守るものでしょうが……その存在という権力が必要になるかもしれない異常事態ですし、念の為」
「血も涙もない事を言うな!?まぁ王族として見過ごせないけどもだなぁ!」
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何かあれば王族権力……うん、それ良い。あるに越したことはない。
「第二王子や従兄弟たちが居るのでスペア的には問題ないのでは?」
「不敬すぎるけれど、魔王の側近にはあてはめられない気がするー!!」
レジェの言葉に王太子殿下も答えながら、皆でユーリィの指さした方向へ走って行く。
直線状を指さしているだけなので、壁を越えて、家の屋根をつたう等して障害物を乗り越え……その度に苦言を呈するジャンや王太子殿下を無視して、辿りついた先は……。
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