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54.盛大な仕返し
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「マユ、落ち着け」
竜王様が人型になり、マユを抱きしめる。
「聖女、聖女、聖女。そればっかり!この国に立つ者は肩書きしか見ない!アリシアの時だってそう!」
マユの心からの叫びに、国王は目線を逸らす。
確かに、私の時もそう。レイドワーク辺境伯令嬢という立場でしか見られていなかった。
しかしそれは、当たり前の事でもあったから、私としては受け入れるという道しか選ばなかったのだけど…
「兵よ。心のままに拘束しろ。仕えたくない者を捕えよ」
リスタが兵達に言葉を投げかけた。
戦うわけでもなく、選ばせている。自分達の上に立つ者を。
兵達は迷う事なく国王や殿下達を捕えようとする。
認められないのか、認めたくないのか。最後の悪あがきのように暴れる殿下。
反面、観念したかのように静かな国王と、呆然自失状態のロイドとアスタ。
「…ねぇ、仕返しってさ…犯罪になるの?」
「死ななければ良いのでは?」
マユが呟いた言葉に、ラルドがにこやかに答える。
「馬鹿に話し合いは無意味。時間の無駄。理解する脳を持ち合わせていないなら尚更。かと言ってやられっぱなしも悔しいでしょう?義母上」
「義母!?どういう事だ!?」
「…勝手に決めるな…」
ラルドの言葉に殿下が反応するが、聞こえなかったかのように竜王様が答える。
「いやむしろマユしか居ないでしょう。マユならば認められるし大歓迎です。見ていて面白いですし。」
「え…こんな大きな息子…?」
「竜王様との結婚は嫌ではないと捉えました」
ラルド様の言葉に慌てたのは竜王様で、マユは何やら考えている様子だ。
「婚姻の準備か…マユはどういうのが良いのだろうか」
「獣人か人間か、それともマユの世界に合わせるか…」
「お前らまで!」
ディル様とこれからの事を考える。
竜王様はマユの事を嫌ってはいないだろう、顔が赤くなっているから。
そもそも、嫌いならば側にすら居ないと思う。
獣人達は揃って楽しい事が好きで、面倒くさい事からは逃げる傾向にある気がするのは、一緒に居た日々で思った事だ。
「うるさいから、仕返しに眠ってもらいます」
周囲が無視をしているけど、喚き続けている殿下含め、ロイドやアスタも眠らせたマユ。
貴族牢にでも眠らせておけとリスタが兵に伝えた。
貴族牢は、牢とは名ばかりで、ただの豪華な部屋で、脱出不可なだけだった。
「仕返しで眠らせるの?」
「悪夢を見せます!私やアリシアの立場になってもらい、どういう追い詰められ方をしたのか延々と繰り返してもらうの!考え方はこちらに合わせてる状態で!」
死なないし良いよね!向こうだと仕返しする事も難しいから我慢するしかなかったけど…いやでもこっちの方が酷い…
なんてマユは呟いていたが、仕返しの内容にリスタや兵達の頬は引きつっていた。
ラルド様を筆頭に私達は思いっきり笑ってしまった。
なんて面白い仕返しなんだろう。マユだから出来る事だろうけれど。
竜王様が人型になり、マユを抱きしめる。
「聖女、聖女、聖女。そればっかり!この国に立つ者は肩書きしか見ない!アリシアの時だってそう!」
マユの心からの叫びに、国王は目線を逸らす。
確かに、私の時もそう。レイドワーク辺境伯令嬢という立場でしか見られていなかった。
しかしそれは、当たり前の事でもあったから、私としては受け入れるという道しか選ばなかったのだけど…
「兵よ。心のままに拘束しろ。仕えたくない者を捕えよ」
リスタが兵達に言葉を投げかけた。
戦うわけでもなく、選ばせている。自分達の上に立つ者を。
兵達は迷う事なく国王や殿下達を捕えようとする。
認められないのか、認めたくないのか。最後の悪あがきのように暴れる殿下。
反面、観念したかのように静かな国王と、呆然自失状態のロイドとアスタ。
「…ねぇ、仕返しってさ…犯罪になるの?」
「死ななければ良いのでは?」
マユが呟いた言葉に、ラルドがにこやかに答える。
「馬鹿に話し合いは無意味。時間の無駄。理解する脳を持ち合わせていないなら尚更。かと言ってやられっぱなしも悔しいでしょう?義母上」
「義母!?どういう事だ!?」
「…勝手に決めるな…」
ラルドの言葉に殿下が反応するが、聞こえなかったかのように竜王様が答える。
「いやむしろマユしか居ないでしょう。マユならば認められるし大歓迎です。見ていて面白いですし。」
「え…こんな大きな息子…?」
「竜王様との結婚は嫌ではないと捉えました」
ラルド様の言葉に慌てたのは竜王様で、マユは何やら考えている様子だ。
「婚姻の準備か…マユはどういうのが良いのだろうか」
「獣人か人間か、それともマユの世界に合わせるか…」
「お前らまで!」
ディル様とこれからの事を考える。
竜王様はマユの事を嫌ってはいないだろう、顔が赤くなっているから。
そもそも、嫌いならば側にすら居ないと思う。
獣人達は揃って楽しい事が好きで、面倒くさい事からは逃げる傾向にある気がするのは、一緒に居た日々で思った事だ。
「うるさいから、仕返しに眠ってもらいます」
周囲が無視をしているけど、喚き続けている殿下含め、ロイドやアスタも眠らせたマユ。
貴族牢にでも眠らせておけとリスタが兵に伝えた。
貴族牢は、牢とは名ばかりで、ただの豪華な部屋で、脱出不可なだけだった。
「仕返しで眠らせるの?」
「悪夢を見せます!私やアリシアの立場になってもらい、どういう追い詰められ方をしたのか延々と繰り返してもらうの!考え方はこちらに合わせてる状態で!」
死なないし良いよね!向こうだと仕返しする事も難しいから我慢するしかなかったけど…いやでもこっちの方が酷い…
なんてマユは呟いていたが、仕返しの内容にリスタや兵達の頬は引きつっていた。
ラルド様を筆頭に私達は思いっきり笑ってしまった。
なんて面白い仕返しなんだろう。マユだから出来る事だろうけれど。
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