【完結】聖女と共に暴れます

かずきりり

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22.アズール国2

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何を…?
守って居た。ずっと守って居た。
だって父上は咎めなかったじゃないか。
母上はため息をついた。

「女のくせにと私の話を聞かず、今更ながら私に話をさせる国王様も問題ですけどね。ハイルド。じゃあ今から監禁生活をなさい。」
「なぜですか!?」
「第一王子の役割から守ります。不自由がないように食事も持っていきます。外には感染する病気もあります。あなたを守るためです。部屋から一歩も出てはいけません」
「そんな!無茶苦茶です!」
「それを貴方は聖女様に行っていたのです!!!!!」

怒声が響いた。
父上が頭を抱えて項垂れている。
俺は…マユに…

「貴方は聖女様から自由を奪っていたのよ」

◇◆◇◆◇

雨が増え、地面が揺れることが増えた。
作物の育ちが悪くなった。
周囲に魔獣が増えた。
母上が出て行った。
城の兵士達の数が減っていった。
王都の活気が日々なくなっていった。
王都の人々が減ってきた。

レイドワーク辺境伯領土へ行ったと聞く。

アリシアを追放した後、父上がレイドワーク辺境伯を捕らえようとしたが、すでに領地へと出発したようで王都の屋敷はもぬけの殻だった。
レイドワーク領に向かうには険しい山を超えるか大きな川を超えるかで、山を超えるのは命がけになるため多くは川にかかっている橋を利用しているが、それが大きな橋を1つ残しあとは全部落とされたという。
そして独立の宣言があり、それが民衆に広まると共に、徐々に皆あちらに向かい移動していったようで。
それを止める手立てなど想像もつかなかったが、止める必要があるのかすらも疑問だった。
父上が頭を抱えているが、皆して何が良くて田舎になんて行くのか、そのうち王都に戻ってくるだろうとしか思えなかった。

「ハイルド様」
「リスタか。どうした」

リスタ・ガールド。宰相子息で私の側近の一人だ。

「ロイド・カリルニアには現在レイドワーク領の様子を見に向かっていただいております。アスタ・リドリアルは聖女様の軌跡を辿ることが出来たらしく、聖女様の後を追ってもらっています」
「そうか…」

アスタ・リドリアルは神官の子息で、聖女に近い力を使うことができるとも言われている。
マユ…………
マユの自由を奪っていたという事に驚きはしたが、嫌われているというのは理解できなかった。
そもそも、離縁だと世迷いごとを言って田舎に進んで行くような女の言うことだと頭を切り替えた。

「マユの保護を最優先とする。ロイドはレイドワーク領の様子を父上に報告した後、すぐにアスタと合流しマユの身の安全を第一に行動させろ」

そんな俺の言葉にリスタは少し眉間に皺を寄せ、何か言いたそうにしたが、了解致しましたと言い部屋を出て言った。
マユが戻りさえすれば、全て元に戻る—————
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