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16.独立計画

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アズール国に、大きな災害が起こらないといえど、自然の中にある最低限なのだろうか小規模な災害は起こるし、多少の不作もあったりする。
それに魔獣も存在しているわけで、大きな強い魔獣が頻繁に攻めてこないとはいえ、多少の侵略はあるのだ。
それは生きとしいけるものの自然の摂理とも言えるのだと思う。
戦争がないから、大きな災害がないから、強い魔獣が攻めてこないからと、税金を巻き上げ、自衛しろと良い、平和ボケしている王家に対して民衆は不満を多少なりとも持ってはいる。
特にレイドワーク一族に関しては、収穫量によっては税率を変えたり、働きやすいように道具を改良したりして、日々向上しようと試行錯誤しているのだ。
現状に満足なんてしていない。
平民から金を巻き上げ、足りなければ税金をあげて私腹を肥やしている王家とは雲泥の差だ。

更に言えば武力に至っても違う。
レイドワークの領土では食料確保で魔獣を狩っている程だが、騎士団なんて王城の守りをしている程度で、日がな一日立っているようなものだ。
訓練は所詮訓練で、同じ騎士団相手に打ち合っているだけであり、そこに命をかけてもいないし、真剣さも少ないだろう。
様々な領土に囲まれ、真ん中に位置する王都に魔獣が入ってくることはない。その前に、領地の人たちに倒されるからだ。

そういった事情背景からだろうか。
マユが言った「植民地」。
確かに、ルフィル国の植民地になってしまえば、閉鎖して成長しない国から、外の技術や知識を知り、国が成長し、民の生活が潤う可能性の方が高い。
明らかにメリットの方が高い気がするが、戦争となってしまえば、無用な血が流れてしまう…

「そーれーに!レイドワークの一族は、独立の為に動いていたんでしょう?」
「マユ…やっぱり知ってたのね…」
「精霊の情報を侮ってはいけません!」

だから精霊怖い…
そんな私たちのやり取りを聞き

「レイドワーク領土が独立?それって民が王都からレイドワーク領土へ移動してこないか?広さ的に受け入れは可能なのか?」
「食料問題も出てくるだろうな。幸いなことにレイドワーク領土はアズール国と我が国の境目だ…何か支援できることはないか?」

竜王様やディル様も真剣に考えてくれるようだ。
ありがたい。

そう、私たち一家は、マユから情報を貰い、追放されることを視野にいれて領土を独立させる計画をたてていたのだ。
民意がこちらにあるとかで、無理やり下された王命での婚約なのに、あの扱い。
最初から雑で、挙句心変わりの冤罪追放だ。
止める側近も居なければ、王も止めない。
国の中枢にいる人物が、揃いも揃って先が読めない上に物事を理解する頭がないのだ。

———見放す理由しかない———
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