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15.精霊の愛し子
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「ありがとー!制御がうまくいかなくて、ここに来るのに1日かかっちゃったよ!」
「というか、どうしてここにマユが?馬車だと時間もかかるだろうし」
「聖女の…というか精霊の力だね!」
「人間が聖女と呼ぶのは精霊の愛し子のことだ」
「あの地には精霊が多くいるから、こちらとしても攻め入る気にはならない土地だからな」
アズール国が平和なのは精霊のおかげって事?
それから精霊について教えてもらった。
精霊というのは、自然界の力を宿していて、その気になれば嵐を起こすことさえ簡単な存在だけれど、人間には見えない。
獣人にはその精霊を見ることができて、精霊の力を借りることもできると。
アズールの国はその成り立ちから、大地に神の力が染み付いているため、多くの精霊が住んでいて、精霊を傷つけないために周囲の国が攻め込んでこない土地となっている。
そして聖女は精霊に愛されている存在で、獣人達には精霊の愛し子と呼ばれている。
愛し子の為ならばと精霊は惜しみなく自分の力を使うために土地は豊かになり、大規模な自然災害が起こることもなくなるし、愛し子に言われれば精霊達は獣人に力を貸す事すらしなくなるだろうと。
マユも始めはふんわりとしか見えなかったが、書物などから知識を得て、今ではしっかり見えるし、力も使えるし意思疎通も出来るようになったそうだ。
精霊同士、意識の共通は出来ているらしく、精霊を使い、各地に伝言を頼んだり情報を貰ったりできるそうで、私の追放に先駆けて獣人の国の精霊に保護を頼んだそうで、ついでにレイドワーク一族の動きも知ることとなったそうだ。
精霊の情報網怖い。
獣人の人たちにとって当たり前でも、見えてない人間からしたら、どれだけ隠密に行動しても、見えない精霊がそこに居たら全部筒抜けなわけだ。怖い。
「凄いね、マユ。書物だけでそこまで自分のものにするなんて」
「もうこっちで生涯暮らす覚悟を決めたら決めたで…ね。あのバカ王子がことごとく邪魔しまくってきて鬱陶しかったけど」
「あれ?そういえばマユ、逃げてこられたってこと?」
ふと気になった疑問を口にする。
あのバカ王子がマユを手放す筈がない。
「国王もとろも結婚とか言ってきたから、風の精霊の力で飛んで逃げてきただけ!」
この世の終わりかと思えるほど嫌そうな顔をして言うマユ。
あぁ…なんか…理解した。
民意が~とか言って、結局マユを取り込もうとする国王と、嬉々としてマユを結婚しようとするバカ王子。
王家も地に落ちたよな~
なんて考えてると、低く冷たい声で竜王様の声が聞こえた
「愛し子マユをルフィル国で保護するぞ」
「精霊の声が聞こえない人間達に、誘拐だと騒がれそうだな」
そう言いながらもマユの部屋を手配するよう指示を出すディル様。
さり気なく私の隣部屋を指定してくれるあたりが嬉しい。
「もういっそ、あの国を植民地にしてしまえば?」
マユの爆弾発言に、その場に居た全員が絶句した。
「というか、どうしてここにマユが?馬車だと時間もかかるだろうし」
「聖女の…というか精霊の力だね!」
「人間が聖女と呼ぶのは精霊の愛し子のことだ」
「あの地には精霊が多くいるから、こちらとしても攻め入る気にはならない土地だからな」
アズール国が平和なのは精霊のおかげって事?
それから精霊について教えてもらった。
精霊というのは、自然界の力を宿していて、その気になれば嵐を起こすことさえ簡単な存在だけれど、人間には見えない。
獣人にはその精霊を見ることができて、精霊の力を借りることもできると。
アズールの国はその成り立ちから、大地に神の力が染み付いているため、多くの精霊が住んでいて、精霊を傷つけないために周囲の国が攻め込んでこない土地となっている。
そして聖女は精霊に愛されている存在で、獣人達には精霊の愛し子と呼ばれている。
愛し子の為ならばと精霊は惜しみなく自分の力を使うために土地は豊かになり、大規模な自然災害が起こることもなくなるし、愛し子に言われれば精霊達は獣人に力を貸す事すらしなくなるだろうと。
マユも始めはふんわりとしか見えなかったが、書物などから知識を得て、今ではしっかり見えるし、力も使えるし意思疎通も出来るようになったそうだ。
精霊同士、意識の共通は出来ているらしく、精霊を使い、各地に伝言を頼んだり情報を貰ったりできるそうで、私の追放に先駆けて獣人の国の精霊に保護を頼んだそうで、ついでにレイドワーク一族の動きも知ることとなったそうだ。
精霊の情報網怖い。
獣人の人たちにとって当たり前でも、見えてない人間からしたら、どれだけ隠密に行動しても、見えない精霊がそこに居たら全部筒抜けなわけだ。怖い。
「凄いね、マユ。書物だけでそこまで自分のものにするなんて」
「もうこっちで生涯暮らす覚悟を決めたら決めたで…ね。あのバカ王子がことごとく邪魔しまくってきて鬱陶しかったけど」
「あれ?そういえばマユ、逃げてこられたってこと?」
ふと気になった疑問を口にする。
あのバカ王子がマユを手放す筈がない。
「国王もとろも結婚とか言ってきたから、風の精霊の力で飛んで逃げてきただけ!」
この世の終わりかと思えるほど嫌そうな顔をして言うマユ。
あぁ…なんか…理解した。
民意が~とか言って、結局マユを取り込もうとする国王と、嬉々としてマユを結婚しようとするバカ王子。
王家も地に落ちたよな~
なんて考えてると、低く冷たい声で竜王様の声が聞こえた
「愛し子マユをルフィル国で保護するぞ」
「精霊の声が聞こえない人間達に、誘拐だと騒がれそうだな」
そう言いながらもマユの部屋を手配するよう指示を出すディル様。
さり気なく私の隣部屋を指定してくれるあたりが嬉しい。
「もういっそ、あの国を植民地にしてしまえば?」
マユの爆弾発言に、その場に居た全員が絶句した。
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