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4話 何かと忙しい

秘湯で痛みを受けてからギルドへ

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レティ湖から5キロくらい離れたところにどんな傷もたちどころに治る治癒の温泉 秘湯があるらしい。

その効果は天下一品だ ん? 効果抜群の方が説得力あるか



「で なんで怪我してない私がこの秘湯とやらに来てんの?」
「ヒトハさんの古傷を癒すためですよ」
「古傷? そんなもん……」
「小さい時に出来てしまった怪我でもこの温泉で回復できるんですよ」
「マジか」

さすが異世界なんでもありか

「私の古傷と言えばこのナイフで刺された後ぐらいかな」
「大変! さあ! 早速入ってください」
「いや、入るのはいいけど……誰も見てないよね?」
「ここはある限られた者でないと知らない本当に幻の秘湯と呼ばれている温泉地なので大丈夫ですよ 来るとしても傷を癒しに来る動物だけですけど」

本当だ猿や鹿が温泉に浸かってる…
その光景はある意味シュール。

それに限られた者って…勇者知っちゃっていいの? 
こんなとこ知っちゃったら怪我するたんびにいくよ?

ドラ○エで言う所の世界樹の葉が落ちてる場所的な? …いやそれは違うか

「さあさあ、ヒトハさん早く入ってくださいね 勇者はやることがい~~~~~~~っぱいあるんですから」
「わかったわかった」

メルちゃんにグイグイっと背中を押され私は衣服を脱いで温泉に浸かった………

「ギャァァァ! って! なんか痛い!」
「そりゃあそうですよ古傷を癒しているので痛いのは当然です古傷が重なれば重なるほど激痛が走ります」
「なんじゃそら! 痛くないやつにしろよ!」
「街の温泉は確かに傷は治るんですがここの温泉の方が確実なんですよ」

そりゃそうかもしれねぇけどけど! 
ていうかこの動物たち絶対ただ浸かりに来ただけだろ 猿なんて気持ちよさそうに湯に浸かってるもんなんか腹立つ!



「……って、あれ? 痛みが消えた?」
「ヒトハさんの傷は完全に消えたみたいですね これでヒトハさんの体は新品同然です!」
「…それなんか別の意味に聞こえるからやめて(ていうか処女じゃない奴がこの温泉に浸かったらやっぱりあれかなあそこに激痛が……)処女じゃなくて良かった」
「え? ヒトハさん何か言いました?」
「いや、なんでも  で?次はどこ行くの?」
「次はギルドへと向かいます。
そこで身分証を発行してもらうんですよ」
「それお城でやってくれるんじゃないの?」
「身分証明書はギルド、役所でないと発行は出来ません」


なかなか持ってめんどくせぇなこの世界のシステム…て、そりゃそうか身分証は確かにギルドで発行ってイメージがあるからな~
城で発行してもらってもテンションがな~



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


~お役所ギルド・エッケンハイム~

「ここですよ」
「[お役所ギルド エッケンハイム]…」

名前クソだせぇ…

「ヒトハさん! さあ!入りましょう!」

グイグイと背中を押され自動ドア仕掛けのドアから中に入った。
ていうか異世界だろここ、てか絶対日本人の何人かがこの技術に携わってんだろ。

とか思いながらカウンター受付へと進む

「いらっしゃいませ~ 本日のご要件はなんでございますか?」
「あ、えっと…ここで自分の証明書が作れると聞いたので来ました…」
「はい できますよ。
では手形などがあればご提出してください」

「手形…(あ、そう言えば…)」


『勇者ヒトハよ ギルドに登録に行くのであればこの手形と勇者の証を持っていくといい
これがあれば手続きが楽だ』


「(━━━━って、言ってたっけ… どう楽なのか出してみよ) じゃあこの2つでお願いします」

私は何気なく王様から貰った手形と勇者の証を受付嬢さんの前に突き出すとお姉さんは目を丸くした後に泡を吹き出し倒れた。

そのあと私は責任者…つまりここのギルドマスターに特別室まで案内された。
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