上 下
73 / 79
第2部

その73 偽物だった

しおりを挟む
「オリジナルコゼットが現れたってどういう事?」

イマイチ理解できない発言に私はメイリンちゃんに聞き返す。


「実はコゼットには双子の姉がいてその姉の名前はコレットと言うんです」

「つまり?」

なんか嫌な予感がしてくる…。

「つまりあのコゼットと名乗っている女は姉のコレットで本物のコゼットは7月…つまり来週に入学してくるんですよ」

確かにこりゃ増殖だわ同じ顔が2人も増えたら忙しな………でも待って? コゼットに双子の姉はいないはず…もしかして何らかの不具合で双子として生まれたの?

なんかありえない話ではなさそう…。
あの意地汚い女の事だからきっと妹のコゼットの振りをしてハーレムを築くつもりだったのだろうが……でも来週に入学というか編入してくるのにこれバレるぞ?

「! もしかしたら 奴は自分が断罪される保険としてコゼットの振りをしていたってこと!?」

「はい その可能性は捨てきれないでしょう…。」

「ええええ…あの脳天クルクルパーの鶏頭でお花畑脳のコゼット…いやコレット?が?」

そっかアイツは妹のコゼット振りをしてしたから名前コレットか…まったく性格の悪い高学年の小学生でもそんなことしねぇぞ?

やっぱ、あれかな? ゲームの世界だから自分がヒロインのコゼットになって好き放題やっても誰にも文句言われない的な考え方してたわけ?


「…でもどうして妹の…本物のコゼットが入学してくることになったの?」

「ああ、それはあの極悪女が3ヶ月~4ヶ月も高熱で寝込むキノコをコゼットに無理やり食べさせたって言ってました。」

「食べたら高熱で寝込むキノコってコールド・マッシュルーム…!下手をしたら命だって!」

「はい、きっとあの女は殺すつもりであの毒キノコを…」

「同じ転生者でもどうしてこうも人を陥れることしか考えられないのかしら…」

「頭のネジ1億個外れてるんですよ。」


その言葉に納得せざるを得ない、じゃなきゃ奇っ怪な行動は出来ないはずだ。
もしかしたら前世でも人を陥れることを何回何十回何百回ともやっていたかもしれないと思うともうあの女には呆れるばかりだ。

「どうします? もうここであの女潰します?」

「いや、まだまだ先よ 確かにむかつきはするけどあの女が卒業してその次の日に断罪しましょう」

「随分先ですね」

「まあね、ほら復讐だのなんだのの準備で時間がかかるかもしれないでしょ? だから時間は多めにかけた後であの女に最後は地獄を見せたあげるのよ」

「リリアナ様ってば悪女ですね~」

「あの子が何もしてこなければ私だって断罪準備する必要はなかったのよ?   ……それに。」

「それに?」


「誰に喧嘩売ったのか後悔させてあげましょうか」


私は下卑たる笑を浮かべミルクティーを飲み干す。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……

希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。 幼馴染に婚約者を奪われたのだ。 レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。 「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」 「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」 誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。 けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。 レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。 心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。 強く気高く冷酷に。 裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。 ☆完結しました。ありがとうございました!☆ (ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在)) (ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9)) (ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在)) (ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))

悪役令嬢、隠しキャラとこっそり婚約する

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢が隠しキャラに愛されるだけ。 ドゥニーズは違和感を感じていた。やがてその違和感から前世の記憶を取り戻す。思い出してからはフリーダムに生きるようになったドゥニーズ。彼女はその後、ある男の子と婚約をして…。 小説家になろう様でも投稿しています。

悪役令嬢の残した毒が回る時

水月 潮
恋愛
その日、一人の公爵令嬢が処刑された。 処刑されたのはエレオノール・ブロワ公爵令嬢。 彼女はシモン王太子殿下の婚約者だ。 エレオノールの処刑後、様々なものが動き出す。 ※設定は緩いです。物語として見て下さい ※ストーリー上、処刑が出てくるので苦手な方は閲覧注意 (血飛沫や身体切断などの残虐な描写は一切なしです) ※ストーリーの矛盾点が発生するかもしれませんが、多めに見て下さい *HOTランキング4位(2021.9.13) 読んで下さった方ありがとうございます(*´ ˘ `*)♡

【完結】悪女のなみだ

じじ
恋愛
「カリーナがまたカレンを泣かせてる」 双子の姉妹にも関わらず、私はいつも嫌われる側だった。 カレン、私の妹。 私とよく似た顔立ちなのに、彼女の目尻は優しげに下がり、微笑み一つで天使のようだともてはやされ、涙をこぼせば聖女のようだ崇められた。 一方の私は、切れ長の目でどう見ても性格がきつく見える。にこやかに笑ったつもりでも悪巧みをしていると謗られ、泣くと男を篭絡するつもりか、と非難された。 「ふふ。姉様って本当にかわいそう。気が弱いくせに、顔のせいで悪者になるんだもの。」 私が言い返せないのを知って、馬鹿にしてくる妹をどうすれば良かったのか。 「お前みたいな女が姉だなんてカレンがかわいそうだ」 罵ってくる男達にどう言えば真実が伝わったのか。 本当の自分を誰かに知ってもらおうなんて望みを捨てて、日々淡々と過ごしていた私を救ってくれたのは、あなただった。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

彼はもう終わりです。

豆狸
恋愛
悪夢は、終わらせなくてはいけません。

【完結】公爵令嬢はただ静かにお茶が飲みたい

珊瑚
恋愛
穏やかな午後の中庭。 美味しいお茶とお菓子を堪能しながら他の令嬢や夫人たちと談笑していたシルヴィア。 そこに乱入してきたのはーー

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない

おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。 どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに! あれ、でも意外と悪くないかも! 断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。 ※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

処理中です...