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第1部

その68 文字通りつまみ出す

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まあ、この場にいる誰もが私がコゼットを睨んでいないということは一目瞭然であるため…


「おい!巫山戯んな!」

「急にしゃしゃり出てきてルーロ公爵家の令嬢に喧嘩売ってんのか!」

「でしゃばりもいい所だわ!」


みーんな私の味方である、おいおい愛されるはずのヒロインが一気に嫌われ者になったぞ、こりゃ街歩けんぞしばらく、ご愁傷さま。



「な、なんで私の言うこと聞いてくれないの!? 
全部この女が悪いはずなのに! 」

コゼットは私をキッと睨みつけたまた。

「だいたい!アンタが悪役令嬢として動かないからなんでか私がこうして乱入する羽目になったじゃない! 
どうしてくれるのよ!」

どうしてくれるのよって言われても知らんわお前が勝手に乱入してばかやってるだけ。

「そこをどきなさいよ!私の方が歌上手いしダンスだって上手何だから!」

そういって勝手に星踊りとは全然違う踊りを踊る。

「ほら!どう! この女よりダンス上手でしょ~!」


なんだこれ…本当になんだこれ……?

犬が二足歩行で溺れてるような動きだな、どんなだよ。

とにかくここでお粗末な踊りされてても迷惑なので。



私は舞台袖にいた係員にアイコンタクトをした後でヒロインはさっさと係員に連れていかれた。

最後まで「私が本物の星乙女よ! その女が偽物なんだから! みんな騙されてる!」と喚いてた。

なんとも醜いことだろう。

こんな状態でやっても仕方が無いと周りの空気はそう放っているが、私は星祭を成功させるために再び踊った。

その時暗くなった夜空に星がきらりと輝いたのを私は見逃さなかった


(よし、ここで星の唄)


踊り終わったと同時に指を絡ませ空に向かって歌を捧げたと同時に一斉に星が降り出した。


「去年の倍は降ってるぞ!」「こりゃ本物か!?」

本物か偽物かはどうでもいいが、確かに去年の10倍は降ってるなこの世界の人間は流星群とは呼ばずに星振りと呼ぶのだ。

うん、どうでもいい。


それにしてもほんと綺麗に降ってるな…

すると私の目の前に白く輝く星が降ってきた。


確かこれが目の前に現れたということは…


「白い星が星乙女の前に現れました! この方が正真正銘の星乙女です!」

MAJIKAYOマジカヨ


そして私は星乙女になっちまった
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