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第1部

その16 妹の突撃

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「お姉様! お願いがありますの!」

うわっびっくりしたいきなり部屋にノックもなく突撃してくんなよこの礼儀知らずのクソガキめ!


「あらマリアンナ、また懲りずにルッソ様をよこせと言うんじゃありませんよね?」

この変わり身である、私ってば女優になれんじゃね?
なってもいいと思う! まあ、この世界に女優があっても舞台女優なんだけどね…。

「あら、お姉様の癖にその態度はなんですの?」

急に押しかけてきたくせに…逆にお前の態度がなんですの? って聞き返したいくらいだわ


「お姉様はただ黙って可愛いマリアの為にくださいな」

「で?」

「「で」ってなんですの!? だから可愛いマリアにルッソ様をくださいって言ってるんですの!」

理由になってない、仮に可愛ければあげてもいい理由にはならない、ほんと頭おかしい知能を母体に置いてきたんじゃないかしら、だから最低クラスのEクラスになったんじゃないかしらヒロインでさえも本来のAクラスではなく、Bクラスだぞお前負けてるからな、て全然関係ないな。

「そもそもあなた婚約者がいるでしょ? アドニスさんに申し訳ないと思わないの?」

「うるさいうるさぁぁい! お姉様のくせにマリアに逆らうなんてダメなのよ!
マリアの婚約者はルッソ様ただ1人なのよ!
お姉様は邪魔でしかないのよ! マリアとルッソ様は運命の赤い糸で繋がって居るんだから!
お姉様のものなんて何一つないわ!」

こいつは何を言い出しているんだ? ついに狂ったぞ。

「あ、そうそう お姉様の部屋にあったルッソ様からの贈り物は全てマリアが貰ってあげたからね!
本来はマリアに届くはずだったのにどーしてブスな根暗に届いたんでしょうね~ふっしぎ~!」

ほんとふっしぎ~!ここまで苛立ちがふつふつと湧き上がってくるんだもの まあ、ルッソから届いたものを取られても痛くも痒くもないけどね

「言いたいこと言ったんならさっさと出ていきなさいあなたの声は猿みたいにキーキー五月蝿くて集中出来ないわ(読書にな)」

妹に無視し読書の方へと向き直すと読んでいた本を奪われた。

「マリアとの話はまだ終わっておりませんわよ!」

「返しなさい」

「いやよ!」

妹は取り返そうと伸ばす手を避けるが私はその後でフェイントをかまして取り返した。

「全く油断も隙もない愚妹ね、この私がものを奪い取ろうなんて100年早いわよ」

「お姉様のくせにマリアの悪口を言わないで!」

「じゃあどうしろって言うのよ」

「さっきから言ってるでしょ! エリートクラスのお姉様の癖に理解できないなんて·····ぷぷっ! マリアよりあたまわる~い マリアの方が頭いいですわ~」

まあ、悪知恵に関して頭が回るお前に比べればね負ける負ける。

というか早く出ていけよお前 こっちもいそがしいんだから。

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