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次女の婚約者
しおりを挟むシャシャが謹慎を言い渡され1週間が経とうとしたある日シャシャの婚約者が尋ねてきた。
「こ…こんにちはシャシャちゃん…」
「帰れ」
「ふぇぇっ、せっかくシャシャちゃんに会いに来たのに…!」
「ひ弱な人格はシャネットだけで十分だ」
「あ…そういえば妹さん隣国の王太子様と婚約が決まったんだよね……よかったね~…」
へにゃっとシャシャの婚約者が笑う。
「……そういえばお前名前なんだっけ」
「ふえっ!? わ、忘れないでよぉ! 僕はこの国の王太子で第2王子のクリス・レギオンだよ…っ」
必死に涙目で本名を言う姿を見てシャシャは「王族としてのプライドを持て情けない」というのであった。
「ぼ…僕は兄さんのように強気じゃないから……そ、それに…えっと……えへへ」
「なんだ気色悪い 凹んだり笑ったり…」
「も、もう! シャシャちゃん!」
「そういえば未だに答えてくれないよな、何故私を婚約者に選んだ理由を。」
シャシャがティーカップをソーサーの上に乗せたと同時にクリスに尋ねた。
するとクリスの顔は真っ赤になり次第にあわて始める。
「や、そ、その! シャシャちゃんの耳に入れるほどでもないというか…!恐れ多いというか!」
「アホか私よりお前の方が地位は上だぞ何を恐れてんだ」
「そ…そうだよね! 僕はこれでも王太子だもんね…!
じゃあまだ秘密にする!」
「……ふーん。(またこいつは逃げ出したな)」
シャシャは呆れながらまた紅茶を1口飲んだ。
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