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1-5 両親の処分とルーチェの捜索、そしてルーチェはドーナツを作ってる
しおりを挟む「とりあえずどないしょうかこのクズども」
「そうだなまあ、殺人の前科もあるしやはり死刑がいいだろう」
「当たり前やろ! よくもまあ今までのうのうと生きとったこが信じられへんわ!! 」
「母上少しお待ちください」
マルスの登場で妃の態度も少し落ち着いたようだ。
「あら、どうしたの?マルス この判断になにか不満があるのかしら?」
「いえ、母上の決断は間違ってはおりませんが、せめてルーチェ嬢が見つかってここに連れてくるまで処刑は延期にしてくれませんか?」
「あら?それはどうして? ルーチェはこんなクズ親の顔なんて見たくないと思うけれど?」
「いえ、ルーチェ嬢の意見も聞きたいのです」
ルーチェの意見、つまりこの両親やルーチェに婚約破棄を言い渡したカインと虚偽報告をした姉達への処罰をルーチェにも決めさせたらどうかということであった。
ルーチェもきっとあの4人に相当恨みを持っているはずだからだ。
「それもそうね! ルーチェの意見も聞かないといけないものね!」
妃は嬉しそうに子供のようにはしゃぐのだった。
「とりあえずそれらは貴族用の牢屋…と言いたいところだけどこの方達は貴族ではなかったわね 平民用の牢屋にぶち込んで差しあげて」
「そんな! 慈悲を! お願いします!」
「慈悲などない!連れていけ!」
公爵夫妻は兵士たちにドナドナ…連行されて行ったそうな。
「さて、マルス ルーチェ嬢は見つかったのか?」
「いえ、目撃情報によればすごい速さで貴族街を走り去っていった令嬢を見たという証言以外は今のところ…」
すごい速さでのところで陛下はまた大笑いをした。
「やはりアールレイ家は面白い! 私のみ込んだ一族なだけはある! アールレイ家は曲者揃いだからな!」
「まあ、あなたったらそれは私に失礼ではなくて?」
「おお、すまんなリザリナ私はお前を気に入ったからお前と結婚したんだ」
「分かっておりますわ、私はあなたのこと眼中にはなかったのだけれどあなたのアプローチに負けて結婚したのよ ふふふ。」
「そ…それでは今でもが愛していないと言ってるみたいではないか!」
「あら、でも結婚する前からも今でも私はあなたをとても愛しているわよ 私の第2の人格を嫌がらずそれでも愛してくれる一途さ…」
「リザリナ!」
陛下は力いっぱい妃を抱きしめた後「私も愛している!」と叫びその場にいたもの達は呆れる者も居れば恥ずかしさのあまり目をそらす者も。
「父上、母上 とにかく俺は再び捜索に戻ります。
そして弟のアレンにもこのことを伝え捜索に協力してもらいますので」
「例の取り替えられた私たちの実の息子ね」
「ええ、アレンは赤子の頃の記憶を今でも持っていたので探し出すのにさほど苦労はしませんでしたがね、それに魔法の腕はお2人をも超えるレベルです。」
マルスはそう言い残し玉座の間から去っていった。
そして一方その頃ルーチェ夫妻は
「誰が夫妻じゃい!! 結婚しらんぞ! そもそもこいつの名前わしゃ知らんど!?」
「急にどうしたのハニー!? え!今すぐ結婚したいの?
わあ~嬉しいな~! いいよ!今から式場予約して、段取りとかもあるしね! さあ!善は急…」
「ぐわきゃねぇだろ! いきなり見ず知らず男に結婚しようだとかハニーだのなんだの呼ばれ頭おかしくなるわ!……まあ、店開けるんは感謝しとる…。」
でもそれとこれとは話は別なんだから!
「ところでその、どーなーつ?って言うの? どういうものなの?」
「まあ、百聞は一見にしかずとも言いますしドーナツ作るので待っててくださいね」
そう言いながら私は変態男……………………。
「そういえばあなたの名前はなんですか?」
「あれ?そういえば名乗ってなかったね、では改めて…
僕はアレン…アレン・ディズース ディズース商会の息子だよ」
「ディズース商会と言うと10年前に莫大な売上を叩きだし今じゃ貿易商としても力を入れているって…」
「まあね、実家の話よりも僕たちの話をしようよね?ハニー」
「だから、そのハニーって呼ぶのやめてちょうだい、私にはルーチェ・アールレイって名前が………あ、勘当されてるからただのルーチェね…」
「ルーチェ…光だね、とても君にふさわしい名前だよ」
アレンはうっとりとした表情で私を見つめゆっくりと顔が近づく…って、キスしようとしてない?こいつ…
「はなれぇや! 手元が狂うわい!」
「ダメ?」
子犬のように目を潤ませてくる男に少しだけ「うっ!」となったが敢えて耐え切り私は再び生地を練りはじめる。
普通のドーナツもいいけどもし普通のドーナツが人気でたら新商品としてクリームドーナツを作るのもいいかも。
私は綻びるながらプレーンドーナツの生地を練り上げた。
「とりあえず…生地を1時間寝かせてその後で形を整えて油に揚げるだけね」
「へー 揚げ物なんだ? 」
「ええ、とりあえず離れてくれない? 鬱陶しいわ」
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