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1-4 両親の怯え
しおりを挟むルーチェ達がお店を開くか開かないかという話をしてる最中その最中 ルーチェの元両親である公爵夫妻は王城に連れてこられ自分たちもなぜ呼び出されたのか訳が分からなかったが一つだけ思い当たる節があった。
それは娘のルーチェが婚約破棄をされたことだ、確かに政略結婚とはいえ子供たちが勝手に婚約を破棄しあまつさえ違う者と婚約を結び直すということは信頼を裏切るという行為に等しいからだ。
「さて、アールレイ公爵夫妻、なぜ呼び出されたか分かっておるな?」
公爵夫妻の前に現れたのはこの国の国王陛下とお妃様であった。
そして、公爵は言われた質問に少し間合いが空いたあと言い訳をし始めた。
「今回呼び出されたということは充分わかっております。
ええ、ええ! 我が愚女に責任があります!
娘はカイン殿下と婚約を結んでおきながらあの方の機嫌を毎日のように損なわれていましたから婚約破棄は突然の結果です! 男を持ち上げるそれが女の━━━━━━━━━━━…」
「よく喋る口だな」
国王陛下の冷たくかわいた声が響いた。
「婚約破棄をされた方の責任? アレの機嫌を損ねた? 確かにこの二拍子では世間的にも聞こえが良いようで悪い…だがしかしお前は最後になんと言った?」
「え…? いや、あの…」
国王陛下の鋭い視線に公爵は蛇に睨まれた帰るのような心境になり声が出せなくなっていた。
「確か男を持ち上げるのは女の仕事… そう仰っろうとなさったのですわね? 」
次に口を開いたのはこの国の妃、しかも妃の目は今まさに殺し屋の目になりつつあった。
「男をおだてることが女の仕事ではなくってよ? 公爵婦人? あなたも分かってらっしゃるわよね? まさか貴女は間違った公爵妻の仕事をなさってるではございませんこと? ねえ? 」
「い、いえ…そんなことはございません…!」
「ふ~ん? まあ、どうでもいいわ、それより何の話だったかしらあなた?」
「こやつらの処分についてだ妃よ」
「しょ…処分!? な、なぜですか!? たかが婚約破棄された娘を勘当しただけじゃありませんか!」
「たかが?」
すると、空気が凍ったように冷たくなった。
「貴女方は娘をどう思っているのでしょうね? 婚約破棄をされた令嬢は傷物として後ろ指を刺され生き恥…それを優しく包み込み次の縁談に運び娘の幸せを願うのが親の務めではなくて?」
「で…ですが あいつは親である我々に暴力を…!」
「暴力? そんなもの10数年我慢していたルーチェ嬢が暴力を振るわれていたから当然の報いではなくて?」
「な、何を仰っているのですか!? わ…我々が娘に暴力など……」
「そういえばモンドリオ貴方は婿養子のはずですわよね? そのくせに、なぜ愛人を公爵夫人になさったのかしら? たかが婿養子分際で、しかもアールレイ家を乗っ取ってしまうだなんて、ね?
亡き私の妹ロザンナはきっと怒り悲しみが…」
なんと妃様の妹はアールレイ家の当主出会ったルーチェの母親の姉だった!
衝撃の事実がどんどん出てくる出てくる。
「さて? お二人共お覚悟はよろしいかしら? 大事な妹を殺した挙句…そして喪が開けてすらいないのにそこの愛人を妻にし、正当な後継であるルーチェを勝手に勘当してしまった落とし前……………つけてくれるんですわよね?」
妃が笑うと部屋が完全に凍りつく。
「はっはっは! 流石氷の女王リザリナ! あまり脅かしてやるな罪人が氷漬けになってしまうぞ?」
「あら、私としたことが オホホホ…でも、彼らは調子に乗りすぎました。
それはあなたもわかったいるはずでは?」
「ああ、今回の騒ぎの始まりはカインにあるがまあ、あやつは元々国王にはなれんからな、何を勘違いしたかなぜあやつが国王になるなどと…」
「私もつい最近まではあの子が実の子だと信じ込んでいましたもの…」
「お…お二人共…なんの話しを…?」
公爵が恐る恐る訪ねると妃は氷のような笑みで微笑む
「そんなこと分かってるでしょ? 貴方達には耳にタコができるほど………………伝えたやろがァァァァァ!!」
妃は叫んだと同時に右足をダンっと踏むと鋭い氷のアーチが公爵夫人に向かっていくが2人は青ざめ大急ぎで避けた。
「チッ! 何避けてんねん!! いてまうぞワレェ!!」
「ヒィッ」と公爵夫妻は怯える。
「お前らはこの人格に見覚えあるよな? そりゃそうやろ? アールレイ家に生まれしものは第2の人格が必ずあるはずなんやけど……なんでお前らのブーたれ長女は第2人格ないんやろうな? 不思議やな?」
「そ…そんな品格を疑われる汚らわしい人格など天使のように愛らしいリンダにあるはずなどない!」
「天使だァ? お前目ェ腐っとんのか!? 目ん玉ほじくり出して潰したろか!? おお!?」
妃はブチ切れて国王陛下は隣でげらげらと笑っているというカオスな空間に公爵夫妻は怯えるしか無かった。
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