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1-2 大捜索or変態男に逆らえない自分が怖い
しおりを挟むルーチェが王国を貴族街から出て1時間が経ち王城でのパーティ会場では あの二人は未だに柱の下敷きになっていた。
しかし誰も助けるものはいなかった、もちろん兵士もである。
「おい…! 何をしている! 早く俺たちを助けないか!」
「ぶぅ~…カイン……リンダ苦しいわ…」
「あの女絶対に許せん! 見つけ次第断頭台に…!」
2人はルーチェをめちゃくちゃ恨んでいた。
「おい!お前らいい加減にしないか! なぜ俺たちを助けない! 俺は時期国王だ! 俺を助けなかったら全員処刑だ!」
その言葉に会場はシンと静まり返りカインはこれで助かると思っていたがある人物が口を開く。
「時期国王? 何寝ぼけたこと言ってるんだ 婚約者がいながら別の女と婚約をかってに結んでおいた挙句女性に暴力…そんな奴がこの国の王に相応しいと思うの?」
「マルス…!」
目の前まで現れたのはカインと双子の兄マルスという銀髪の男だった。
周りの女性はほぅっとうっとりマルスを見る。
「何を言っている! 兄でありながら時期国王にさせて貰えない男が負け犬の遠吠えか? 笑え…」
「笑えるのはこちらのセリフだ それに俺とお前は兄弟ではない」
「は? 何を言っている?」
兄弟ではないという言葉に周りは騒然、勿論カインも驚きを隠せなかった。
「な…何をふざけたことを言ってるんだ! 俺はこの国の王太子で時期国王になる男だ! ええい!兵士共いい加減俺を助けないか!」
兵士は誰一人として動かず。
「な、貴様ら反逆罪だ! 後で覚えておけ!」
「お前の命令にはなんの価値もないことにまだ気づかないのか? それにさっきも言っただろお前と俺は兄弟ではないと、もし兄弟ならば髪の色も瞳の色も似ているはずだし何よりお前には魔力…いや王族魔力がない、何故だか分かるか? それはお前がどこかの平民の子供と入れ替えられたからだよ」
その言葉にカインだけは絶望し、ただマルスを見つめることしか出来なかった。
「お前が本当に俺の弟ならば王族魔力がルーチェ嬢に発動してお前に逆らっては居なかったはずだ。
それにルーチェ嬢がお前に危害を加えても誰も止めなかったのはこの場にいる全員は知っていたさ、お前が無魔力者だったということを。」
「ふざけるな!」
「おい、この男とそこの気絶して白目剥き出しになってる女諸共牢屋にぶち込んでおけ」
その言葉に兵士たちは動き急いで柱を取り除き2人を拘束した。
「貴様ら! なぜこんなやつの言うことだけを聞く! 離せ!俺を誰だと思ってやがる!この無礼者が!」
まだ自分の立場がわかっておらず暴れるカインを見て周りは呆れるばかりであった。
「さっさと連れていけ 父上母上が帰ったら貴様の処分が下る覚悟しろこの偽物が」
その言葉と同時に兵士達にカイン達はパーティ会場から連れ出され牢屋まで連行されて行ったが最後までカインは抵抗したらしいが力虚しく及ばなかった。
パーティ会場に残ったマルスは1人の男性に何かを聞いていた。
「ルーチェ嬢の居場所は? 実家のアールレイ家か?」
「は、いえ 2時間前アールレイ公爵家に戻ったそうですが両親に勘当され貴族街を出ていったそうです。」
「勘当だと! 何を考えているんだ公爵は!
急いでルーチェ嬢を見つけ次第保護しろ! お前たちは公爵家に行き公爵夫婦を拘束し連れてこい! 事情聴取だ!」
これよりマルス第1王太子殿下によるルーチェ大捜索が始まってしまった。
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???side
僕は見つけてしまった運命の人を…。
その人はとても美しく噴水前のベンチで憂い顔をしていた。
その美しき人は僕に気づいて話しかけてくれた。
とても嬉しくて僕はすぐさま彼女に近づいて手を握った。
だけど彼女はとても照れ屋さんで僕を噴水に投げ飛ばした。
こんなことされたのは生まれて初めてだった。
こんなにも強く美しい人を僕は絶対に逃さないし誰にも渡さない。
だからとりあえず彼女の所に行って結婚してもらおう。
「えっと……彼女はふふふ、僕のところに戻ってきてくれてるね」」
きっと僕が恋しくて戻ってきてくれたんだね!
やっぱり僕らは運命の赤い糸で結ばれているんだ!
ああ、早くこっちに来て愛しの君。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
~そしてルーチェsideに戻る~
「はぁー…もう、なんなのよあの変態男は…もしかして私を殺すために差し向けた刺客?!」
有り得る…あいつら私に冤罪かけたり私を勘当して私が泣いても怒ってたし…相当私が憎いんだわ…!
「ただちょっともの投げて黙らせただけなのにあんなに怒らなくても……でも柱を投げたのはさすがに無礼だったかな…あれでも一応この国の王太子だし…
まあ、いっか私にビンタしたんだしその仕返しだと思えば」
とぼとぼと歩いていると元の広場に戻ってきてしまっていた。
「あれ…この広場ってさっきの変態に会った場所?」
「変態だなんて酷いなあ…僕は君が戻って来てくれるって信じていたよ」
背後からさっきの変態に抱きしめられた。
「ここだと人目があるし僕の家に行こうか」
「はい…」
私は何故か変態男に従ってしまった。
自分では何が何だかわからなかったが、とりあえず従えばなんとかなると思ったし、隙を見て投げ飛ばせばいいやと思い私は変態男と共に広場を後にした。
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