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29話 マジで吊り橋効果なんだよなあ〜
しおりを挟む村人の暴動事件から翌日、今日から本格的にこの廃村を豊かで実りある土地に変える一大プロジェクトがスタートした。
「じゃあ行きます 」
七海川さんは指を組んで荒れた土地に祈りを捧げるとみるみるうちに土地が綺麗になっていった。
「流石七海川さん」
「流石オレの嫁」
「桜木君さあ……」
桜木君のお嫁にされた七海川さん可哀想。
そしてその後は男子達に畑作業を任せ我々女子はちょい待機の間雑談をしていた。
「思ったんだけどくららってなんで桜木の事好きになったの?前から好きだったとか」
「えっと一緒にいるうちに…」
なるほど吊り橋効果ね。
「七海川さん、嫌なら嫌ってはっきり言ったほうが方がいいよじゃないと桜木君に変な勘違いされるし」
「そうそう! 桜木この前私のおしり触ったんだよ!」
「セクハラじゃん」
「で…でも…晴君優しいし…カッコイイから」
「「「え?」」」
この時集まってた我々女子は七海川さんのトンデモ発言に一同声を揃えて驚いた。
「桜木が優しい? どこが!? おしりガッツリ揉まれたよ!?」
「佐山さんまだおしりのこと言うの?」
「とらっち! ちょっと黙ってて!」
なんか私が空気読めない発言したみたいになってるのが納得出来ない…。
「桜木のどこがいいの?」
「あ、それは私も気になる」
鞠川さんまでも食いついた…。
この場に真面目なのってもう私くらいになってきちゃったよ………私がしっかりしなきゃ……
それから佐山さんによる七海川さんの桜木君のいい所を論破しよう合戦が始まった。
「それじゃあ始めていこうか!」
「佐山さん楽しんでない?」
「そんなことないよ! くららから桜木を引き離すための家探しだよ!」
「粗探しのこと言ってる?」
「とらっち、シャーラップ!」
また言われた!納得いかない!私もしかして嫌われてる!?
「それじゃあ気を取り直して……」
「えっと…包容力があって…」
「それなら山吹もあるよ!筋肉は裏切らない」
「山吹君柔道部だもんネ」
「…力強くて」
「それなら今の馬場もそうだよ!バカ力!」
「怒られるよ」
「あとは…前に出て守ってくれたり…」
「いいんちょーも負けてないよ!」
「……佐山さんはさっきから一体何と張り合ってんの?」
「だって、他にも男子いるんだから少しでもまともな人にと思って…」
「それでもなんか色々と酷い飛躍してる。」
「一緒にいるとドキドキします」
「私達女子は桜木と一緒にいるとゾワゾワします」
「ブハッ!!」
佐山さんの最後の一言で思わず吹き出してしまった。
…今のはズルいって。
「ま、まあ…でも桜ちゃんが選んだんだからもういいんじゃない、かな?」
「そうだね無理に引き離すのも酷だし 人には人の幸せってものがあるし」
「その幸せは偽物だ」
「…うん…否定はしない 吊り橋効果だし」
もしくは桜木君のスキルのせいで好きにされてしまったのかもしれない。
意識改変か…恐ろしいスキルだなあ…。
悪用しなきゃいいけど…………無理だね、桜木君だし
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