クラス転生あるあるで1人追放になって他の勇者は旅立ったけど私達はのんびりしますがのんびり出来なそうです

10話 思考が置いてけぼりになる

加羽君のテレポートで私と加羽君はアルムという廃村にたどり着いた。

「わぁお、廃村と聞いてきたけど殺風景ですなぁ、まるで斉藤氏のお胸のように真っ平らな平原のような…」
「ここに斉藤さんいなくて良かったね」
「全くですな！…ていうかこんな殺風景な廃村になんで私呼ばれたわK…」

加羽君の方を見直して聞こうとしたら私の目がおかしくなったのか、加羽君が2人居た。

「……あーっと？ こーれーはーーー………………夢かな」
「どうしてスキルだということに気づかないの」
「あ、やっぱスキルだったんだ？ えっと、それは分身？それとも複製？」
「当たり、スキル【複製分身】ここに着いた時ある人に教えて貰ったスキルでね、このスキルを使って斉藤さんたちと合流したんだよ。」

なるほど、最初からダミーがあの場にいたのか…。

「教えて貰ったってことはこの廃村人がいるの？」
「うん、獣人がね」
「獣人！」


なんと！RPGの王道の登場人物獣人とな！これはテンション上がんな！
…でもなんか加羽君なんか表情暗い？
ここはあまり聞かない方がいいかな、よくある展開だとここは小さな村で悪い奴らによって壊滅させられた────ってのがセオリーかな、私なかなかの推理力ある探偵なれるんじゃないかな？

うんうんと頷いていると本体の加羽君が「着いてきて会わせたい人がいるんだ」と言った。

会わせたい人と聞かれてついて行くとしばらく歩いたところにそこだけ無事な小屋がポツンと一軒家の如く立っていた。

「小屋？」
「とりあえず入って」

加羽君が小屋のドアを開け中にいたのは思いもよらない人物がいたのだった。


「え、なんでいるの!?黒川君！」
「ああ、左京山さん……えっと、訳あって加羽の国作りに協力をさ…」
「どこからどこまでが筒抜けてるんですかね加羽君？」
「いや、別に筒抜け……って、筒抜けるって何？ 何もやましいことなんてないけど…」
「だったら黒川君にべったりくっついてる過激な方は？」
「えっと……」

隣の女誰よみたいに黒川に尋ねると何故か目を泳がせ口篭ると隣の女性は痺れを切らしたのか勢いよく黒川君と一緒に立ち上がり衝撃の一言を放った。

「ナナトは我が夫だっ！ わかったか小娘！」

その言葉に私の思考は置いてけぼりをくらい隣に居る加羽くんに顔の前で手を振られてなければずっと放心状態だった。


「えーっと……おめ、でとう？」
「うむ！そうだ！ もっと我々に祝福の言葉を贈ると良いぞ！」
「加羽君、2日前にみんなと離れた途端にすぐ嫁できるもんなのかな？」
「……どうやら転移先が魔物の国だったらしくて、そこで幸か不幸か黒川君魔王に見初められて婿にされたって」
「へー、魔王……………………ま、おう？……………魔王……………はぁ!?魔王!?」
「左京山、僕はちゃんと説明したよ魔族の国作りのことと魔王のことも……ああ、あの時途中で君外に出て死にかけてたもんね」
「ぐぅっ！」

ぐうの音も……出たよ。