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6話 まだ加羽秀輝サイド
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辿り着いた場所はやはり絵に描いたような荒地で廃村みたいなところにワープしていた。
「ここがアルム…? 人の気配がしない……」
当たりをキョロキョロと見回してもやはり人の気配がない、その代わりなにかの視線は感じる。
「何かいる」……そう思い視線の気配を探るように目で追うと何か黒いものが一瞬だが物陰に隠れた。
「なんだ……?」
近づこうにも自分は戦闘系スキルが全くないためじっと様子を伺いつつ相手の正体を探るしかな…
《スキル【敵感知】【敵鑑定】を獲得しました。》
わあ!獲得しちゃったよ!しかも2つ!
これは迂闊に思うもんじゃないな……どういう理屈で獲得してるのかわかんないしもしかしたら何もしなくても勝手にスキル獲得する可能性も高い……。
「(でもとりあえず)【敵感知】……っと。」
敵感知を使って廃墟を見回すと何かの生命反応を感じ【敵鑑定】で調べて見たけど敵感知には反応せずそのまま様子を伺うと人型の何かが物陰からひょこりと現れた。
「え…」
姿を現したのは犬人間見たいな…いや、獣人か? 柴犬の子犬のような………?というか獣人の子供かな?
「よ…よそ者め! こ、この村から出てけ…! 」
子犬の獣人はクワを持って僕に襲いかかって来たが直ぐに石につまずいて派手に転んだ。
「だ…大丈夫?」
「来るな! そうやってオイラも連れていくんだろ!」
「連れて行く?……何かあったの?」
この村の様子と言い、この子のこの脅え方は尋常じゃない…ここは敵意がないことを示さなきゃ
というよりこの子犬特有の相手に小さく見えるようにして近づいて来てるような?
やっぱり僕が怖いんだな………なんか昔飼ってた柴犬の小太郎に似てるな…。
あ、ダメだなんか小太郎と重なって……涙出てきた。
「っ!? な、泣いたって許さないんだからな!」
「ごめん、君を見てたら君とそっくりな子を思い出して………それで…っぐすっ」
この子は小太郎じゃないのに何を考えているんだ…。とにかくこの子を落ち着かせることが先だ。
そう思いつつ様子を伺っていると突然空からなにかが落ちてきて辺り一面煙幕が経ち込む。
「ゲホッ! 一体なんなんだ……?」
煙幕から2つの影がうっすら見えたと思うと直ぐに煙幕が消え去り2つの影の正体が俺の目に飛び込んできた。
「な……なんでここに……」
そう、そこに居たのはつい先程追放されたばかりの黒川七翔だった
「黒川君!」
「あー、えっと……さっきぶり?」
黒川君は苦笑いをしながら呑気に頬をかいていた。
「黒川君…どうして君がここに……それに隣の人は一体……」
明らかにこの世界の人間……というより角があるところを見ると魔物……いや、魔族か…………まさかとは思うけど黒川…ラノベあるあるを引き当てたとかそんなんじゃないだろうな…?
「黒川君もしかして隣の女の人ってま……」
「うむ!我はナナトの妻のリアハンナ・ルルーシェリアンヌ・パリオだ!」
は?妻?黒川君コノヤロウ……案の定な展開作りやがって爆発しろ。
「リアがそう言ってるだけだ! 誤解するな!…………リアは魔王だ」
「ああ、うんそうだろうなとは思ってた。
それよりどうして黒川君と魔王がアルムに?」
「それは、このアルム地方を俺たちの国を作ろうと思って来たんだ」
……うん、あるある展開、だろうと思ったよ!というかアルムに来てる時点で案外黒川君が追放された場所って近いんじゃ?
「……そこでクラスのみんなと合流出来ないかと思ってまず国作りに向いてるスキルの持ち主を探していたらちょうど加羽がいて交渉しようと思って来たんだ」
「僕のスキル知ってたんだ?」
「追放される前みんなのはスキル見てたからな。」
「なるほど僕のスキルもお見通しって訳か」
「ご明察」
「いいよ、僕もそういう目的でアルムに来たわけだし」
「じゃあ、交渉成立ってことだな……あ、クラスのみんなにはまだ俺のことは内緒にしててくれないか? 」
「なんで?御島君にこそ一番に……」
「頼む」
「………わかったよ、とりあえず僕は西グループに国作りに協力してくれるかを説得してみる……まあ、あのメンバーたちだから断りはしないとは思うけどね」
「悪いな加羽」
「それと、その子の事よろしく、僕じゃ警戒されてるから」
「ああ、わかった。」
僕は一旦アルムを去り関越君と合流した。
「まあ、そのあとは君たちと合流して今に至るわけだけどね。」
ちゃんと黒川君の部分は伏せたけど。
「それにしても魔族の王である魔王を倒すためにいる私たちが魔王の国作りに協力なんて滑稽な話ね、話を聞く限り私たちに利益なんてあるとは思えないわ、そうは思わない?堀部さんとら……とら? あれ?とらどこ行ったの?」
「左京山なら話が終わったあと部屋から出て行ったぞ」
「関越君、見てたんなら止めてよ……」
「いや、それが…」
「まさかとらのやつ!」
関越君が何かを言いかけた時斉藤さんは何かを感じ取り部屋を出ていった。
「さ、斉藤さん!!」
「ここがアルム…? 人の気配がしない……」
当たりをキョロキョロと見回してもやはり人の気配がない、その代わりなにかの視線は感じる。
「何かいる」……そう思い視線の気配を探るように目で追うと何か黒いものが一瞬だが物陰に隠れた。
「なんだ……?」
近づこうにも自分は戦闘系スキルが全くないためじっと様子を伺いつつ相手の正体を探るしかな…
《スキル【敵感知】【敵鑑定】を獲得しました。》
わあ!獲得しちゃったよ!しかも2つ!
これは迂闊に思うもんじゃないな……どういう理屈で獲得してるのかわかんないしもしかしたら何もしなくても勝手にスキル獲得する可能性も高い……。
「(でもとりあえず)【敵感知】……っと。」
敵感知を使って廃墟を見回すと何かの生命反応を感じ【敵鑑定】で調べて見たけど敵感知には反応せずそのまま様子を伺うと人型の何かが物陰からひょこりと現れた。
「え…」
姿を現したのは犬人間見たいな…いや、獣人か? 柴犬の子犬のような………?というか獣人の子供かな?
「よ…よそ者め! こ、この村から出てけ…! 」
子犬の獣人はクワを持って僕に襲いかかって来たが直ぐに石につまずいて派手に転んだ。
「だ…大丈夫?」
「来るな! そうやってオイラも連れていくんだろ!」
「連れて行く?……何かあったの?」
この村の様子と言い、この子のこの脅え方は尋常じゃない…ここは敵意がないことを示さなきゃ
というよりこの子犬特有の相手に小さく見えるようにして近づいて来てるような?
やっぱり僕が怖いんだな………なんか昔飼ってた柴犬の小太郎に似てるな…。
あ、ダメだなんか小太郎と重なって……涙出てきた。
「っ!? な、泣いたって許さないんだからな!」
「ごめん、君を見てたら君とそっくりな子を思い出して………それで…っぐすっ」
この子は小太郎じゃないのに何を考えているんだ…。とにかくこの子を落ち着かせることが先だ。
そう思いつつ様子を伺っていると突然空からなにかが落ちてきて辺り一面煙幕が経ち込む。
「ゲホッ! 一体なんなんだ……?」
煙幕から2つの影がうっすら見えたと思うと直ぐに煙幕が消え去り2つの影の正体が俺の目に飛び込んできた。
「な……なんでここに……」
そう、そこに居たのはつい先程追放されたばかりの黒川七翔だった
「黒川君!」
「あー、えっと……さっきぶり?」
黒川君は苦笑いをしながら呑気に頬をかいていた。
「黒川君…どうして君がここに……それに隣の人は一体……」
明らかにこの世界の人間……というより角があるところを見ると魔物……いや、魔族か…………まさかとは思うけど黒川…ラノベあるあるを引き当てたとかそんなんじゃないだろうな…?
「黒川君もしかして隣の女の人ってま……」
「うむ!我はナナトの妻のリアハンナ・ルルーシェリアンヌ・パリオだ!」
は?妻?黒川君コノヤロウ……案の定な展開作りやがって爆発しろ。
「リアがそう言ってるだけだ! 誤解するな!…………リアは魔王だ」
「ああ、うんそうだろうなとは思ってた。
それよりどうして黒川君と魔王がアルムに?」
「それは、このアルム地方を俺たちの国を作ろうと思って来たんだ」
……うん、あるある展開、だろうと思ったよ!というかアルムに来てる時点で案外黒川君が追放された場所って近いんじゃ?
「……そこでクラスのみんなと合流出来ないかと思ってまず国作りに向いてるスキルの持ち主を探していたらちょうど加羽がいて交渉しようと思って来たんだ」
「僕のスキル知ってたんだ?」
「追放される前みんなのはスキル見てたからな。」
「なるほど僕のスキルもお見通しって訳か」
「ご明察」
「いいよ、僕もそういう目的でアルムに来たわけだし」
「じゃあ、交渉成立ってことだな……あ、クラスのみんなにはまだ俺のことは内緒にしててくれないか? 」
「なんで?御島君にこそ一番に……」
「頼む」
「………わかったよ、とりあえず僕は西グループに国作りに協力してくれるかを説得してみる……まあ、あのメンバーたちだから断りはしないとは思うけどね」
「悪いな加羽」
「それと、その子の事よろしく、僕じゃ警戒されてるから」
「ああ、わかった。」
僕は一旦アルムを去り関越君と合流した。
「まあ、そのあとは君たちと合流して今に至るわけだけどね。」
ちゃんと黒川君の部分は伏せたけど。
「それにしても魔族の王である魔王を倒すためにいる私たちが魔王の国作りに協力なんて滑稽な話ね、話を聞く限り私たちに利益なんてあるとは思えないわ、そうは思わない?堀部さんとら……とら? あれ?とらどこ行ったの?」
「左京山なら話が終わったあと部屋から出て行ったぞ」
「関越君、見てたんなら止めてよ……」
「いや、それが…」
「まさかとらのやつ!」
関越君が何かを言いかけた時斉藤さんは何かを感じ取り部屋を出ていった。
「さ、斉藤さん!!」
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