【R18】ヒロインと悪役令嬢を救うために何回でもリセットします

1回目 second Redo (2回目のやり直し)

中庭の渡り廊下で2人の女子生徒の姿、そしてその片方は小柄な女子生徒に水をバシャッっとかけた。


｢あーら、ごめんなさい手が滑ってしまったわ、でも仕方ないわよね貴女が私の目障りな場所にいたのだから｣

おほほほと高笑いをするこの如何にもな女はご覧の通りこの女の子をいじめています。

｢たかが男爵風情がでしゃばってんじゃないわよ｣

その言葉だけをその女の子に言い残しいじめ女は去っていく。

｢…………｣

そのやりとりを見ていたのはこの世界に転生してチート級の能力をさずかった転生者雨宮七華ナナカ という少女でありこの光景を見るのはこれで2回目・・・だ。

｢(2回目・・・…このまま行くとまた破滅・・・・)   軌道修正効くかな？｣

そう言いながら七華という少女は去っていく。




･･････


フラワー学園卒業パーティ当日


｢華僑 那莉愛！ 貴様の撫子に対する悪行の数々は見るに耐えん、よって貴様との婚約を破棄とし降格処分とする！｣
｢な…っ!? 何故です殿下！私はいつもあなたに媚びへつらっているその女が目障りで釘を指していただけですわ！｣ 
｢他の者にも同じことをしているそうだな？ 情報はいくつもある｣   
｢そ…そんなの…デタラメ…私はそんなことしていませんわ…！ 全てはその女が…っ！ 皆さん騙されないでください、その女は男爵の分際でありながら殿下に近づき…｣

そんな彼女の言葉を信じようとせず周りの生徒は白い目で彼女を睨む。
そしてその中で王子の堪忍袋の緒が切れそうになっていた。

｢…もういい、貴様の言い分は聞き飽きたし顔も見たくもない即刻立ち去れ｣


その言葉を言った途端、那莉愛はテーブルの上に置かれていた果物ナイフを手に取り撫子に目掛けて走り出したがそれも虚しく兵士によって防がれ彼女は連れていかれた。

｢離して！ そいつを殺してやる！殺してやる！そいつは私を陥れた！ そして陛下に近づいた卑しい貧民なのよ！  どうしてこんな奴か…こんな奴がぁぁぁ!!｣
    
そして那莉愛は連れて行かれしばらく会場は重く気まずい空気になったが陛下は｢さあ！ 邪魔者は排除した皆パーティの続きと行こうじゃないか ｣と言うとパーティは再び再開した。

ありがとう、ここまではシナリオ通り2回も・・・・・・・・・ 破滅エンド


｢……リセット開始……｣

その一言で空間は暗転。



～フラワー学園寮～

｢……さて、3回目のやり直し… あのヒロイン気取りの偽物をまずどうにかしないとね(あの撫子と言う奴は私と同じ転生者でシナリオ無視して好き放題した挙句とんでもないクズっぷりを発揮っと。) …それに悪役令嬢 那莉愛は撫子によってあんなテンプレ悪役令嬢になってしまった…フラワーエデンでの那莉愛は肩書きは悪役令嬢だが那莉愛との友情エンドがある以上あそこまで豹変はしないはずなんだけど…。
あの撫子に異物が入っていなければあそこまであの公爵令嬢は狂うはずがなかった、それ以前に関わりすらなかった。

…あの女が那莉愛と接触しなければ……ああはならなかった…？   まさかね。｣

七華はベッドに横になりながらぶつくさと呟くその姿はちょっと不気味だ。
そして七華は勢いよくベッドから飛び起きてしばらく窓を眺める。

｢2回目は連続で破滅エンドに行ってしまったけど3回目はなんとしてでもバッドエンド回避しなきゃ｣

七華はぎゅっと拳を握りしめ寮の窓から見える偽ヒロインもどき撫子を睨みつける。

｢とりあえず…今日は確か新入生歓迎会… (このまままたシナリオ通りに進むとまた那莉愛はバッドエンドを確実にまっしぐら…撫子をどうにかしようと2回目は接触させまいと動いていたけど失敗したし…)……はぁー…何かいい考えは無いものか…｣

七華は窓の外を眺めているその間に新入生歓迎会の時間になった。

｢今回・・もあの事件・・・・が来てしまうのか…｣

あの事件とはストーリーには描かれてはいなく撫子によって引き起こされる茶番劇のことであり、その騒ぎを聞き付けた殿下やほかの攻略キャラが次々と集まり撫子は嘘八百を抜かし歓迎会をめちゃくちゃにしてしまうが周りの人間は誰も意見等をしない、むしろただその光景を見つめているだけである。

｢(私はあの事件を自己中事件と呼ぶ…。)｣

あいつそういえばヒロインにもちょっかい出てた気が…。

｢ヒロインも悪役令嬢もこの私の手で守ってやる｣


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・フラワーエデン
この世界の乙女ゲームの名前で内容は胸焼けするくらい甘々なシーンが出てくるR18の恋愛シュミレーションゲームである。