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転生先の世界 中学生編

30話 缶蹴りって途中で割とガチになる

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どうも、みなさんこんにちは、花美咲瞳羽です。
皆さんどうお過ごしですか?
私は恐怖で押しつぶされそうな気分です。
なぜかと言うと、それは30分くらい前に遡る。









────30分前…


「第2回! 缶蹴り大会ー!」
「第1回目は?」
「それは幼稚園に遡る。」
「これ、2回目なんだ…」
「休日に呼び出されたかと思ったらこんなくだらない事するためなの?」
「くだらないとか言うな! みんなで日頃のストレスをコレ缶蹴りで爆散させよう。」
「爆散はダメでしょ」
「発散と言いたかったのか?」
「…まあ、でもたまにはこういうことするのもいいかもな…」
「小羽たん覚悟OK?」
「なんの覚悟ですか…?」
「戦う覚悟!」
「わ、私…能力は戦うための能力は持っていませんっ」
「そっかー 小羽たんの能力って、そういえば何?」
「えっ そ…そんなのどうでもいいじゃないですか…っ」
「ええ~? き~に~な~るぅ~」
「花美咲のその喋り方なんの?」
「花美咲やめろよ! 梅咲が嫌がってんだろ!」

そう言って小羽たんの前に立ちふさがる。
おおう、プリンセスを守るナイトですね、カッケー そのまま好感度上がればいいですね。

「か…風霧さん ありがとうございます…」
「お、おう! なにか困ったことがあればいつでも言えよ!駆けつけるから!」
「は…はい!」
「いい雰囲気のところ悪いんだけど、缶蹴りしないの?」
「ん? するよ? 」

そう言って私は残りの缶ジュースを飲み干し、地面に丸い小さな円を描きその上に缶を置いた。

「さて、 では缶蹴り始めるから鬼決めるか。」
「誰にする?」
「じゃあ、私が────」

「「「「お前はやめろ」」」」
「酷くない? お前ら…」
「お前が鬼やるとテレポート使って捕まえるだろ」
「カンラ君、その言い方はやられたんだね。」
「仕方ないなー…じゃあ、妥協案でジャンケンでいいよ。」
「仕方ないって…」

そしてじゃんけんした結果は…


「僕が鬼か…」
「あ、これダメだ影のあるとこは避けるしかねぇな…」
「陽のあるところに行ったら丸わかりじゃない?」
「君達、決まったことは仕方ないんだからとっとと隠れてくれない?」
「最強の布陣がまっさきに鬼とか…」
「シャルルの能力って確か影縛りだっけ?」
「何それカッケー!!」
「勝手に僕の能力を変えないでくれる? 影支配だよ、まあ、影で縛ることも出来るけど。」
「「出来るんかい!!」」
「とりあえず…始めようよ…」
「菜月クンの言う通りだよほら、散らばって、
30秒後に狩りに行くから」
「狩る!? 何を?」
「シャルルのその言い方は絶対平和的な缶蹴りで済むはずがねぇ!」

などと言いながら私達はあっちこっちバラけた。

「(どこに隠れるか…ここは分かりにくいところにするか…)」

そう、私の隠れ場所は、木の上です! 
もの〇け姫の高台で祟〇神の様子を伺うア〇タカ様とじいさんの気分。



「……28…29…30…   さてと、どこに隠れたのやら…」

ひぃぃ…山姥がくるよぅwww
あ、ダメだ自分で言ったことなのに笑ってしまうwwww 我慢だ! 我慢だ…瞳羽っ!



「ぎゃああああああ! 」

! この声は 風霧!
声のするほうを見てみると風霧はシャルルに足蹴にされていた。

「まず1匹」

わあ、シャルル王様かよ、てか1匹って…
残るは私含めて4人か…残りの3人が缶を蹴れば私は生き残れ────

とか思ってたら蒼と小羽たん捕まったーーー!!
くっ…残りは私とカンラの二人だけか…
カンラ…早く缶蹴ってこいっ!
まあ、お前が捕まってしまったらやむを得ず蹴りに行くけど。
それまで私は高みの見物という訳だ。

「(それにしても凪仁の奴どこに隠れたんだ?)」

木の上から注意深く探してみても見つからない。
ワンチャン、アイツ帰ったんじゃねぇかなー?

とか思ってたら私の予想は遥か斜めいっちゃてた、なぜかと言うとアイツたった今トイレから飛び出して缶の元へと走っていった。

「(おお! いけぇぇ! 凪仁ぉぉぉ!!)」

「レイン、悪いが缶を蹴らせてもらうぞっ」

そう言って感の方へと走り出す凪仁、そしてシャルルは感から離れているため、絶体絶命!
よし、これで私達の勝ち────だ!?

またしても予想は裏切られた、シャルルは影支配で凪仁の影を縛り、そして缶の元へと戻った。

「残念だったね、カンラ君 僕の能力を忘れてもらっちゃ困るよ」
「…やられた…」
「残るは花美咲だけだね、 さあ早く出てきなよ、決着をつけよう。」


なんだこれ、どっかのバトル漫画みたいな言い方! そしてめっちゃテンションあがるぅぅぅ!
いやいや、でもこれで1対1となった訳だ、ここから降りて地面に立ってしまったらシャルルの影の餌食となってしまう。

それなら素早くテレポートで勝負に挑むか───?




それをどうするか悩みに悩んで現在こういう風に至るわけであります、はい。

ぶっちゃけテレポートで正面突破すれば奴の攻撃範囲内に入んなくて良いけど、少しでも地面に立てばアウトだ。

「花美咲、出てきなって、早く終わらせたいんだけどー」
「だったら缶から離れろよ、蹴ってやるから!」
「馬鹿じゃないの? ほら、大人しく捕まりに来た方が身のためだよ」

何でだよ。

「それに、君の居場所はたった今声でバレちゃったからね、ほら一か八かで出てきなって」
「(くっ、コイツ…出来るっ! 仕方ない…本当に正面突破しかない!)」

私は大きなかけに出た、隠れていた木のてっぺんから缶の目の前までテレポートをした。

「なっ!?」
「花美咲みーつけた」
「させるかぁぁぁ!!」

シャルルが缶を踏むギリギリで私はおもいきりスライディングで缶を蹴飛ばした。


そして、カーンといい音が鳴った。

「よっしゃぁぁぁぁぁぁい!! 勝ったぁぁ!」
「男らしい喜び方」
「そして、瞳羽ちゃん足大丈夫?」
「ふっ…それなりの代償を払ったんだから当然だ…」
「代償って何!?」
「アレはずるいでしょ…」
「ズルくない、鬼が缶を踏む前に蹴れば我々の勝利である。」
「…あっそ。」
「それにしても疲れたぜ… 腰とか超痛ぇ…」
「そう言えば風霧お前は、最初に捕まってたな、それで腰痛いとか何?」
「う、うるせぇな! てか見てたのかよ!」
「多分この場にいる全員は見てると思う。」
「えっと…とりあえず、花美咲さん…膝の怪我の手当てをしましょうか…」
「ナイスエンジェル」
「いい発音…」
「え…えんじぇ…」

小羽たんは困惑しながらも応急処置で手当をして可愛らしい絆創膏を貼った。
くまさんの顔の絆創膏…あら、可愛らしいこと。

「これで大丈夫ですよ」
「ありがとう小羽たん、少しだけ楽になったよ」
「ふふ、それは良かったです」

ああ、小羽たん見てると癒されるな~

「それで? 花美咲まだ続ける?それとも違うことするの? 」
「え? うーん、缶けりしか思い浮かばなかったから遊べる道具なんてあまり持ってきてないよ」
「余りってこたぁ…少し持ってしたのか…」

風霧のその口調はなんなんだ…突っ込まんぞ。
などと思いながらカバンの中を手探りで持ってきたものを取り出した。

「フリスビーです あとハンド〇ピナーと、」
「後半関係あるか?」
「まあまあ、百聞は一見にしかず…オラァっ取って来い! 風霧!」
「俺かよ!?  」
「お前だよ!!」
「元気だね。」
「花美咲! 俺は犬じゃねぇぞ!?」
「つべこべ言わず戻ってこい!」
「文句言いつつちゃんとキャッチしてるし…」

私、風霧のこういう素直なところ可愛くて好きだよ性格が。
フリスビーをとりかえしまた投げた

「ほ~ら、とってこ~い」
「いい加減にしろぉぉぉ!!」


風霧の声が公園中に響き渡ったそうな。
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