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転生先の世界 子供編

6話 風邪ひいたらプリン食べるよね?

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「え、今日蒼ちゃんお休みなの?」
「そうなのよ…なんでも風邪ひいたとかで」
「そ…そんなぁ… 」

天使のいない幼稚園なんて……ネタ抜きのシャリを食べてる感じだよ!

うん、意味わからん、多分伝わらんと思う。

「そっか、今日は休みか…」

いない寂しさにフケていると当たり前のように奴が来る。

「よお、何してんだ? ついに頭沸いたか」
「天使がいないから思いフケてた………今なんて?」
「ああ、アイツそういやいなかったな 休みか。」
「ねえ、聞いてる? 今さりげなく酷い事言ってたよね?」
「そんなことより俺の話も聞こうや?」

そんなこと? 今そんなことって言ったぞコイツ

「はいはいなんでちゅかー? カンラちゃん」
「沈めるぞてめぇ」
「ごめんなさい」

子供のくせにこいつ怖いおっ!


「それで、 お話とは…?」
「なんで正座してんだよ、もう怒ってねぇよ 崩せよ」

だって、怒られそうな時反射的に正座してるからつい癖でっ
小さい頃よくオカんに怒られて正座するくせが付いたんだよなー。

とか思いながら正座を解き女の座り、凪仁の話を聞いてやる。

「それで話とは?」
「ああ、実は俺も能力に目覚めた」

おおう、マジっすか…

「それはどのような? インテリ? インテリ系の能力ですか?」
「どういう能力だよ てかそんなんじゃねーよ」

なんだ違うのか じゃあなんだろう、そう思いじっと見つめ話すのを待ってる

「お前、そんなじっと見んな、何? キスされてぇの?」
「は、はあ!? なんでそうなんの!? 人の話を聞く時相手の顔を見て聞くのが当たり前でしょ?!」

急に恥ずかしくなり顔を赤くして俯く、やばい凪仁の顔まともに見れない気がする…。

「………そう、だよな…」

ん?なんか残念そうな声?  
…気のせいかな?


「それで能力ってどんなもんなの?」
「ああ、それは…」

凪仁が能力をついにネタバレする! そう思いウキウキしていた時後ろから何かを投げつけられた

「?」

振り返ると私を睨んで立っているあんりがいた。

またこいつか、なに?かまってちゃん? かまってちゃんなの?

「瞳羽! あんりのカンラくんに近寄らないで!」

いや、お前のもんじゃねーだろ、まず人は物じゃねぇ。

「ヤダ、ひーちゃんはカンラ君とお話してるの 早い者勝ち」

そう言って凪斗にベッタリとくっつく、子供でもやっぱり異性とこう、くっつくのって恥ずいな…。
そう思いチラッと凪仁の方を見ると顔を赤くしてなぜだか満更でもない顔をしている。

え?

「カンラくんはあんりの事が好きなんだから離れなさいよ! カンラくん困ってんでしょ!」

ぐいっと剥がそうとするあんり 残念私は怪力の能力もあるから体重をかけることは動作もない。
ちなみに怪力の能力者は自分の体重を調節できるというチートな力もあるようです。

これさ、体重測定誤魔化せんじゃね?
そう思うの私だけ?

「なによっ! 石みたいに動かないじゃない! どきなさいよ! どきなさいよぉぉぉお!!!」

ああ、ほんと哀れ、ねえねえあんりちゃん今にも泣き出しそうな顔してますけど大丈夫?
そして蹴んな地味に痛てぇ。

ていうかこのやりとりいつまで続くのだろうか…
などと思っていたら凪仁がゆっくりと立ち上がりあんりの方へと歩き出した。

自ら囮?やるなあ。

そしてヤツは私が思ってたのと全く違う行動を取った。


バシャッ

え?

「ふぇ?」
「ごめ~んてがすべったぁ~」

うわ、わざとらしい、あんり涙目だ、なるほどお前能力開花したのな。
それにしても水を操る力ですか。
ポ〇モンのみずで〇ぽうとハイ〇ロポンプ出来んじゃね?

なんか久々にやりたくなってきたけどこの世界にはポ〇モンなんてないんだろうな…。
まあ、でも超能力者になれたからよしとしよう。


何かどうでもいいな。
とりあえずあの光景をどうするか…

水も滴る……………女。
実に哀れである



「カ、カンラくん? どうして? あんりのこと好きじゃ………!?」
「ううん、嫌い」

うわっストレート! バレーのレシーブ並に速かったな、まるでハ〇キューの速攻のような!

「…………何見てんのよ! このブス女!」

いや見てねぇし、被害妄想。
そして近寄んな!濡れる! やめて!水も滴るいい女になっちゃう!

うん、ふざけるのはやめよう。

ていうかほんと近づいてくんな

そして突進してくるあんり、だけど私はテレポートで避けました。

「何避けてんのよ! 」
「身の危険を感じて。」




まあ、そんな感じでエンドレス その騒ぎに気づき先生が制裁して事なきを得たが、相変わらずコイツあんりは私に罪を押し付けるが、無実を証明してくれるのはカンラであり凪仁だ。

いや~ホントいい弁護人だよ。











幼稚園が終わり私と凪仁は何故か近くの公園で遊んでいる。

「ホントあいつには困ったもんだよねー、でも私としては意外と楽しい、あーゆのに限ってJKになった時小説とか漫画とかに出てくる悪女になるんだよねー。」
「お前元気だな…」
「そう見える? 天使がいないから元気に見えると?ほーう?」
「そんなに心配なら見舞いに行けばいいだろ?
隣なんだし」
「見舞い、だとっ……………って、滑り台の上から言うのやめて、丁度後光がさしたように見えて眩しい、
ぐわぁぁぁ! 目が、目が!! 眩し!」
「お前は一生バ〇スしてろ!」

「とまあ、ふざけるのをやめ私は公園を立ち去った。」
「お前誰に言ってんの?」
「さあ?」


ほんとにふざけるのをやめ私達は蒼ちゃんの見舞いへと向かった。









「……別に見舞いくらい一人でいけよ、俺必要ねぇやんねぇやん」
「いやいや、一人とかマジ無理あの天使と二人っきりだと私何するかっ!」
「襲う前提なのか………」
「襲わないよ、そこまで私はロリには飢えてないよ、それにこの年なら性犯罪しても大丈夫だよね、いいの? 私が犯罪者になっても、ん?」


「………あーもう! わかったよ! 着いていきゃあいいんだろ!着いてきゃあ!」
「それでこそ凪仁!」

私は親指をグッと立て凪仁を引きずって天使蒼ちゃんの家へと見舞いに向かった。



「あ! 手土産持っていかないと失礼だよね!?」
「いいんじゃねーの? 手ぶらで」
「だめ! 天使にお備えしなきゃバチが当たる!」
「……………なあ、いつからアイツは仏さんポジになったんだよ?」
「それは蒼ちゃんがこの世に生を受け始めた時からなっているのです。」
「……………たまに思う、お前といると頭おかしくなんじゃねーかと」
「失礼だな!  よし、わかった!そこまで言うなら私が頭おかしくないことを証明するためにちょっと家に来い!」
「何でだよ」
「問答無用じゃァァァァァ!!!」

若干嫌がってる凪仁を無理やり私の家まで連れていった。








「え? 風邪ひいてる蒼ちゃんの為にプリン作りたい?」
「うん! そうなの!ママ手伝って!」
「そんなことなら喜んで! カンラ君も一緒にプリン作りましょうね!」
「う、うん!」



という訳でプリン作りが始まった。

「二人はなんのプリンが作りたいの?」

なんの? え? 普通のプリンですよ

「黄色いヤツー!」
「カスタードプリンね! よし! じゃあ蒼ちゃんはカスタードプリンでひーちゃんはチョコレートね!」
「カンラ君は?」
「え? え、ま……抹茶。」

何故か顔を赤くして答えた。
え? 抹茶好きなの? ふ~ん? なるほどね~
意外だわー。

「抹茶か………ちょっと買ってくるから待ってて!」
「はーい!」


元気に返事をして、母は抹茶を買いに行ったのであった。

「抹茶好きなんだね」
「悪いかよ」
「いや別に~」
「よかったな、俺の能力が炎じゃなくて、そしたらお前は全身黒焦げだぜ?」

そう言って凪仁は黒く笑う。
怖ぇよ、そして鳥肌立ちまちた。


「……………ホントデスネ。」

ほんと、水を操る能力で安心だよ。
とまあ、背中が凍る体験をしたあとテレポートでオカンが帰ってきて、プリンを作った。
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