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転生先の世界 合宿編

46話 謎の違和感

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前回のあらすじ……なんかメタい、そしてなんかまた男が現れた。
しかも今度のはちょっとヤバそう、なんかRPG的なやつだったらコイツのジョブはアサシンじゃねーかなって思うくらい人を何にも殺してそうなオーラを放っている。

て、そんなことはどうでもいいか。
問題はこいつ自信がどう言う能力を持っているのか分からないから私達の能力を使う訳にもいかない。

黒マスクは黙って私たちを見下ろしている。
見下ろしているって言っても私達よりもでかいからそういう言い方になるだけで、多分180はあるんじゃないかなって思う。

「花美咲」 
「おう…。」



私たちはいつでも対応できるようとりあえず身構えはした。

だけど、次の瞬間何が起こったか分からなかった。


「…え?」

早すぎて何が起こったか理解できなかった。
気づくとシャルルが刃みたいなものに貫かれてた。
違う、ちゃんと影でシールドを張っていた。
それが破られているのだ。

シャルルを貫いた刃は勢いよく引き抜かれシャルルは仰向けになって倒れた。


「シャルルーー!!」

急いで駆け寄るが呼吸は浅く今にも絶命しそうだ。

「は…な…み…さき……ぼ…く……。」
「喋るな…っ 喋ると傷口が…!」
「ぼくが……しぬ、前に……君に…言おうと……と…おもっ……て……。」

いやだ…やめろよ…何も言わないでくれ…。

「ぼくは……きみ…が…… ぐあっ!」
「シャルル!! シャルル!!!」

ばっと後ろを見るとマスク男は拳を握りつぶしている動作をしている。

「(まさか────)」

急いでシャルルの脈を測ると脈は止まっていた。

こいつは離れたところでも心臓を潰せるのか?
超やべえな……。
しかもどういう原理で潰しているのか分からない。

念力で潰しているのか、はたまた違う能力で潰しているのか。
どっちにしろ退路はないかもな。
テレポートで逃げてもいいがこいつシャルルをここに置き去りにしていく訳にも行かない。

「(やっぱ、戦うしかないか。)」

向こうの方もちょっとやる気満々みたいだし。

私は決意を固め身構え、一気に懐まで突っ込んだ。

マスク男は臆することなくシャルルを貫いたあの槍みたいな剣のようなつまり刃、武器を私に向かって突いてきたが、私はギリギリ…ホントギリギリのタイミングで避けた

「(こんなモン叩き潰せば使えない)」
私はそう思い拳を刃がついてない方の剣に思い切り拳を叩きつけたがビクリともしていなかった。

「(ヒビすら入ってない!?)」

急いで距離を取ろうとしたが間に合わず剣の餌食となった。

「っ…」

場所がよかったのかちょうど刃がない所に当たり少しダメージが抑えられたけど…
言うなれば峰打ち……。

「次は斬る。」

あ、喋った、めっちゃイケボ。
そんなことはどうでもいい、「次は斬る」とか言ってるからいよいよ私ピンチだな。

全身になにか冷たい何かを感じる。
これが死の予感ってことかな。
心臓の鼓動もいつもよりだんだん早くなっている。

とにかく一瞬でもいいこいつの気を引く何かを作らないと、私に勝機はない。
だけど、怪力とテレポートじゃまともに攻撃は出来ない。

テレポートで石を飛ばしても相手はかなりの達人だから即座に反応しあの武器で跳ね返してくる。

でも、だからといってやらないとは言ってないけどな!

足元に転がっている石や小枝を拾い怪力で投げると同時にテレポートでマスク男の背後に飛ばした

「よし!(背後なら反応できまい!)」

人はそれなりに気配を感知できるように作られているがこういうふうに背後、そして数センチで当たる距離で反応できたとしても攻撃は当たる!

こういう時オリジナルの必殺技を叫びたい私の心境なう。

こういう技どっかのゲームにあるよな…

技名は分かるけどシリーズ多すぎて忘れた。


「あ、百花繚乱だ (テイ○ズの いや、似てないな…あれは真正面にぶっぱなしてたからな…東○の咲○さんの技に近いよなー なんで○イルズって言ったんだろ。)」

それにコイツは運良く私の攻撃に当たってくれたおかげで大体は致命傷になってるから良しとしよう。

さすがに殺す訳には行かんでしょ。
これは正当防衛うん、正当防衛だから。

とりあえず、こいつ縛るかそんでもってさっきのやつも探し出してボコボコにした後に警察につき出そう。

私は近くにあった植物のツルでマスク男を縛ろうと近づいた。

「さすがに何も出来ないだろ、 イカれてる相手によくやった私!」

犠牲もあったがな…。
シャルル、お前はホント嫌な奴だったけど嫌いじゃなかったよ。
お前のことは忘れない。

感傷に浸りながら私はマスク男を縛ろうと近づいた瞬間。























「────え」


気がつくとと私はあの武器で貫かれていた。

「ぐばぁっ… 」

ゴホゴホと咳をすると同時に血も一緒に出てきた。


ああ、私……また死ぬんだ…。

私はゆっくりと瞼を閉じた。






























「【リセット開始】 」

「終わったか?」

「クレイヴさん、何故このふたりを刺したんですか? この時代の人間と干渉しない約束…忘れましたか? それとなんですかあのキャラ…」


「悪いな、長いこと"アイツら"の所にいたからな いわゆる職業病と言うやつだ キャラ付けも必要だろ?
それに殺してもお前が【リセット】するからいいじゃねぇか」

「そういう問題ではなく…」

「細かいことはいいじゃねぇか、スゥハ」

「…クレイヴさんは引き続き彼らと行動を共にして通信で報告をお願いします。」

「はいはい、わかったわかった。
お前こそ気をつけろよ あと、後始末頑張れ」

「言われずとも分かっています。
では失礼しますクレイヴさん。」






「可愛くねー奴。」




















瞳羽side

昨日の肝試しが終わり2日目の朝を迎えた。
私達グループは食道へと向かいながら昨日の肝試しのことを言い合った。

「昨日はまじで疲れたー、シャルルお前の脅かしで心臓持ってかれるところだったぞ、全く。」
「肝試しだし肝が鍛えられて良かったじゃない、それにして君の間抜けな声も聞けたしね。」
「コイツ……。」

グループ行動で食堂へと向かっている時に小羽たんに遭遇した。

「やっほー小羽たん 今日も可愛い!」
「あ、花美咲さん おはようございます。
昨夜はよく眠れましたか?」
「まだ眠いけど小羽たんの可愛い顔みたら眠気なんて吹き飛んだ!」
「それは良かったです。」

微笑む小羽たん最高、天使かな?

この笑顔を見たら2日目の日程も頑張れそう!

「そう言えば2日目って何すんの?」
「2日目は海で海水浴らしいよ姫」
「姫って言うのやめろ」

海水浴かー 私にとって一番楽しみで仕方なかったイベントだ。

「ふふ、花美咲さんは泳ぐの大好きですよね」
「そう! そうなの! 波打ち際のシーサイドマーメイドという異名を持つ私に海は敵ではない!」
「自分でシーサイドマーメイドって言う?
しかもネーミングセンスの欠けらも無い」

ホントこいつは減らず口…

シャルルを見た途端突然妙なヴィジョンがノイズと一緒に頭に浮かび出され多少の頭痛が出た


「(なんだ、今の……。)」
「瞳羽どうした」

心配そうに私の顔を覗き込む凪仁。

「な…なんでもない ちょっと頭がズキっとしただけ」

凪仁にそう言いながら歩き出すと小羽たんがこちらをじっと見ていた。

「(小羽たん?)」

なんだろう…小羽たん何か言いたいことあるのかな?

「ねえ、小羽たん どうしたの?」
「……花美咲さん、気をつけてくださいね」

小羽たんは今までに聞いたことの無いような声で静かに私に言ってきた。

「(気を付ける? 何、を?)」


ひとつの疑問を残して2日目が始まるのだった。


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