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【BL】【旅行中の大学生と】本当に少しだけ魔が差しただけなのに【出張中の社会人】【R18】

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鈴木はイライラしていた。

階段から落ちて骨折した上司の代打で急に出張になった事に対してではない。
(他部署の課長と社内で追いかけっこなんてしてるからだ。子供じゃあるまいし)
温泉好きの上司が予約した営業先からも街の中心部からも離れた温泉街のビジネスホテルに泊まらなければならない事に対してではない。
(温泉を引いたビジネスホテルは魅力的と言えなくもないが距離を考えろよ。温泉街にはねぇーんだよ)
上司の代打で訪問した営業先にハラスメント野郎がいて難癖をつけられた事に対してではない。
(撃退してやったわ!)

それでは何故、鈴木はイライラしているのか?


「そこ、俺の部屋なんだけど」


上司の代打出張業務をどうにか終わらせた鈴木は、満身創痍まではいかなくとも非常に疲れていた。
普段、営業のアプローチ方法がまるで違う上司の代打なんて地獄でしかなかった。
スタバでアールグレイブーケティーラテとキッシュをお供に、なんとかもぎ取った契約についての業務報告を終えて大きく息を吐いた。
タクシーを呼ぶには近く、けれど歩くには坂道が急勾配な道を仕方なく歩き続け。
汗ばんだワイシャツが気持ち悪くてネクタイを緩めながら、宿泊先のビジネスホテルへ戻ってきた。

そんな鈴木を待ち受けていたのは、更なる地獄。
見知らぬ泥酔状態の若者が鈴木の部屋の前で座り込んでいたからだ。


「ぅ、え…?ぁ、ぁぇー?ぼくのへやぁーれすよー。開かないけど!」
「開かないのなら君の部屋じゃないだろ」
「ちがいますよぉー、ぼぉーくぅーのぉー、へーやーですー。ほらぁー」


ドヤ顔で見せられたルームキーに記載されている部屋番号は、最初の桁が違っていた。


「ココは5階だ、君の部屋は6階。ほら、早くどけよ」
「ぇぇ?なんれぇー?ここぉー、ぼくのへやぁー」


意味があるとは思えない押し問答が続く。
運悪く、数人のグループがエレベーターを降りてきた。
少し驚いた様な視線を投げられ、鈴木は顔を顰めた。

目の前の泥酔した若者は五月蝿いし。
フロントへ連絡するのは面倒臭いし。
汗だくで気持ち悪いし。
せっかくの温泉付きなのだから早く大浴場に行きたい。

盛大な溜息を吐いた後、鈴木は泥酔した若者の腕を引っ張った。


「入れてやるから、酔いが覚めたら帰れよ」


ある意味運良く、鈴木の部屋はツインルームだった。
適当に片方のベッドへ泥酔した若者を投げ込む。
鈴木は手早く荷物を整理すると、貴重品を金庫へと保管した。
後はクタクタになったスーツを脱ぎ捨て浴衣に着替えると、泥酔した若者は放置して大浴場へと急いだ。

温泉好きの上司が予約しただけの事は、あった。

鈴木は先程までのイライラが嘘の様に、気分が良かった。
風呂上がりのサービスの地酒を嗜み、バニラアイスを頬張り、マッサージチェアーで解される。

ふわふわ、ぽかぽか、と気持ちよく部屋へ戻ると、残酷な現実が待っていた。


「うわー忘れてたよ」


泥酔した若者は、気持ちよさそうに寝ていた。
鈴木がガシガシと頭を掻く。
よくよく見れば、泥酔した若者の身なりは小綺麗だった。
雰囲気からして大学生だろうと、推察して鈴木は泥酔した若者の顔にかかる髪を、好奇心で払った。


「…はっ、クソ好みかよ」


持ち帰っていたサービスの地酒を一気に飲み干して、鈴木は疲れ魔羅の所為にしようと決めた。
据え膳食わぬは男の恥だし。
勝手に人の部屋の前で泥酔してる方が悪いし。
温泉街はノンケの店しかないし。
そもそも、犯すけど犯されるのは俺だから被害者は俺の方だし?
うん、よし。


「いただきます」


泥酔した若者の前で、鈴木は両手を合わせた。
そしてそのまま、ズルっと泥酔した若者の下半身を剥き出しにする。

今更だが鈴木はゲイである。
所謂、オープンゲイのネコである。
それから酷いメンクイで、貞操観念は緩々である。


「お母さんが性病だけは気をつけなさいって、言うからゴムつけるぞー」


鈴木は鞄の中からオイルとゴムを取り出すと、慣れた手つきで泥酔した若者へと装着する。
装着しながら、ふにふに、と泥酔した若者の自身を勃たせる。
流石の若さ故か、数回撫で上げただけでソレはすぐに勃ち上がった。

ニンマリと笑って、鈴木は自身にもゴムを装着する。

ビジネスホテルのシーツを性液で汚すほど、非常識ではない。


「あ、やべっ。タオルタオル」


備え付けのバスタオルをベッドの上に二枚重ねてから、鈴木は用意していたオイルを手に取った。
両手で温めて、片手で泥酔した若者の自身をゴムの上から扱く、もう片方の手を鈴木は自身の秘部へと伸ばした。
クチュリ、クチュリと指で解していく。
最初の1本はすぐに2本に増やされ、暫くすると鈴木の口からは声が漏れ、秘部には3本の指が咥えられていた。


「…はぁ、もう、いい、か、な…んっ」


ズルっと指を引き抜かれた鈴木の秘部は、パクパクと収縮を繰り返しオイルが中から溢れ出ている。
浅い呼吸を繰り返しながら呼吸を整え、泥酔した若者の上に跨がると鈴木は大きく息を吐いた。
奮い勃たせた泥酔した若者の自身に手を添えて、ソレを咥え込む為に鈴木は解した秘部を充てがった。

パクパクと収縮し続けている鈴木の秘部が、泥酔した若者の自身を捕らえた。


「ん、ん、んーっ、ぅ、はっ、ぁ、っ」


クパアァっと開かれた鈴木の秘部は、どんどん泥酔した若者の自身を飲み込んでいく。
鈴木はふるふると、体を震わせながら逃げそうになる腰を時間をかけて落としていく。
じわじわと泥酔した若者の自身を飲み込みながら、鈴木は浅い呼吸と意味のない音を吐き続けた。


「ぅ、んっ、ぁ、あっ…っ……は、ぁ、入ったぁ」


鈴木の秘部が泥酔した若者の自身の形を覚えるように内部が蠢く。
馴染むまで暫く動かない様に鈴木は両足に力を込めた。
生理的な涙がポタポタと落ちる。
ふと、鈴木は今まで気に留めていなかった泥酔した若者の顔を見た。


「ひぃっ、ぁ、んっ!」


途端、鈴木が悲鳴をあげる。
けれど、その悲鳴は完全にあげる事は出来ずに抑え込まれた…。

泥酔した若者の大きな手によって。


「本当に鈴木さん、可愛いぃ~なぁ」


にたぁー…、と泥酔した若者、改、泥酔していた若者が気持ち悪く笑った。
鈴木の口は泥酔していた若者の大きな手に現在進行形で塞がれている。
ふーふーと、青ざめた顔で鈴木は短い呼吸を繰り返す。
生理的な涙は止まり、今は冷や汗がダラダラと流れて仕方がなかった。
そんな鈴木に、とろける様な視線を向けて、泥酔していた若者は舌なめずりをする。


「ふぅっん、んっ」


泥酔していた若者の自身がドクンッ、と鈴木の中で大きくなった。
鈴木の身体が刺激に震える。
鈴木の痴態を下から見上げている泥酔していた若者は、満足気に微笑んだかと思うと、次の瞬間には苛立った様に乱暴に腰を突き上げた。


「んっーー!」
「はは、相変わらず、貞操観念は緩々ですねぇ。こんなに根元までズッポリ咥え込んじゃって、ね?」
「ふ、っん」
「あはは、凄い可愛いですよ。鈴木さん。もっとグズグズに鳴いてもらおうかなぁ」


泥酔していた若者は鈴木の口元から片手を退けると、両手で鈴木の腰を掴みなおした。
鈴木が小さな悲鳴をあげる。
泥酔していた若者は、場違いだと思われるキラキラとした笑顔で鈴木に微笑みかけた。


「鈴木さん、明日からお休みで良かったですね」


泥酔していた若者の言葉に、鈴木は今度こそ本当に言葉を失った。


「い、ぁ、あっ…ま、ぁあ!」
「ほら、いつもみたいに腰を振って、僕を逝かせてくださいよ」
「ひぃっ、ぁ、む、り、ぃっっあ!」
「無理じゃないでしょう?いつも何人の相手してるか、知ってるんですよ。僕」


ふふふ、と常に笑みを浮かべている泥酔していた若者は、鈴木の中をじわりじわりと嬲り続ける。
鈍い突き上げに、鈴木の中は物足りないとばかりに収縮を激しくする。
中途半端な快楽と得体の知れない恐怖に、鈴木の身体は思う様に動けない。
なんとか前後にスライドさせて、泥酔していた若者を逝かせる為に歯を食いしばった。


「っ、も、いっ、て」
「なら、もっと奥にいきましょうか」
「ぇ…?ぁ、ひぃーーーーっ!」

掴まれた腰を好きに動かされた鈴木は、絶妙な角度のまま、泥酔していた若者の自身を打ち付けられた。
鈴木は耐えきれずに、泥酔していた若者の胸元に倒れ込む。
状態が倒れても抜けない様に、泥酔していた若者が腰を動かす。

空いた両手で、泥酔した若者は鈴木の臀部を両手で広げた。
隙間が出来ない様に、押し込んでいく。
小刻みに震える鈴木の身体を抑え込んで、泥酔していた若者は自身を捩じ込んでいった。


「…ふぅ、届きました?僕の」
「ぁ、ぁ…っ、」
「届いてるみたいですね。プルプルする鈴木さんも可愛いなぁ」


鈴木は貞操観念が緩々ではあるけれど、自分ルールは定めている。
フリーしか相手にしない、好みの顔しか相手にしない、店でしか会わない…等々。
問題を起こした事も巻き込まれた事もない、緩々の優等生だ。
泥酔していた若者が言った通り、何人も相手にする事もあるし、数人で楽しむ時もある。
けれどソレは通い慣れた知人の店(所謂ゲイの発展馬的な)での限定的な行動であって、安心安全な社交場での大人な出来事だ。

鈴木は何も悪い事はしていない。
そう、何も悪い事はしていない…。


「ぅっ、う、なっ、んで…お、れ」
「あ、何も悪い事してないのにって思ってます?泣いちゃってもぉー可愛いなぁ、本当に」
「ふぅっ、ぅぅっ」
「泥酔している相手を勃たせて既成事実作っちゃうの、悪い事だと思いません?思わないのかなぁ?」
「だって、顔がこの、みっ!あ!あっ、急っ、に、っああ!」
「はぁー、そう言うところですよ。鈴木さん」
「ぃ、ぁあ!め、だっ、めぇ…っんん!」


泥酔していた若者は、倒れ込んでいる鈴木の臀部を掴んだまま、執拗に腰を打ち付ける。
そしてそのまま、身体に力が入らない鈴木を反転させて覆い被さる様に正常位に体制を変えた。
鈴木の両足を持ち上げ、騎乗位では届かない位置にまで泥酔した若者は自身を突き入れる。
鈴木は過ぎる快楽にピクピクと身体を跳ねさせ、泥酔していた若者を更に楽しませた。


「鈴木さん、やらしぃ」
「ん、やっぁ、あ、も、はいっ、な、いっああ!」
「入らない筈ないですよ。ほら、まだ呑み込めるでしょ?」
「やぁ、あ、んーっ、あ、ぁぁー…っ、な、んで」
「僕、鈴木さんの中から極力出たくないので、逝かない様にゆっくり続けますね。ゴムの再装着のタイムラグも嫌ですし。あぁ、安心してくださいね。鈴木さんがゴムの使用を義務付けられてるのは僕も同意ですから。生ではしませんから、ね」
「ひぃっ、あ!ぃぁ、ぁ、あーーーーっ!」


バチュンッ、バチュンッ、と激しく肌がぶつかり合う音が続く。
悲鳴の様な喘ぎ声は、いつしか嗚咽に変わり、次第にか細い声をあげるのみになった。


「ふふふ、ずっと逝ってるね鈴木さん。ビクっ、ビクって、可愛いなぁ。ねぇ」
「ぁっ、ぁー、ぁー…っぁあ!」


流暢に喋る泥酔していた若者は鈴木を抱き上げると締め上げる様に下から突き上げる。
鈴木の目は既に焦点があっておらず、力の入らない身体はズブズブと突き上げられるままに、泥酔していた若者の自身を飲み込んでいた。


「鈴木さん、僕と付き合いましょう」
「ぅ、っぁ…ぁー」
「ねぇ、鈴木さん。僕と付き合うなら、楽にしてあげますよ」


好青年としか言いようのない爽やかな笑みを浮かべて、泥酔していた若者は鈴木を小刻みに突き上げる。
今までと違い、浅い箇所ばかりを緩く突き上げられ、鈴木の思考は快楽に呑まれていた。

逝き過ぎの身体は鈴木の自由にならないばかりか、更に熱を吐き出したいと強請る。
赤く腫れ上がった鈴木の秘部は、泥酔していた若者の自身をギチギチと締め上げ、もっと奥へと誘う様に、畝る様に動いていた。


「ぁー…ぁ、ぁー、っ」
「鈴木さん、ほら、楽になりたいでしょう?僕と付き合いましょう。ほら、付き合うって言って」


過ぎた快楽に痺れた脳に、泥酔していた若者の声がコダマする。
甘い誘い文句が、鈴木の脳内を犯していく。

口をパクパクとさせた鈴木は、力無く泥酔していた若者の肩を掴んだ。


「っ、あ、ぁ、うっ…ぁぅっ」


もう何を言っているのか、鈴木が理解していない事は一目瞭然だった。
けれども、ソレは重要ではない。
泥酔していた若者の思惑通りに、鈴木は言葉を口にしてしまったのだ。


「それじゃぁ、鈴木さん。今から恋人セックス、しましょうね」





【本当に少しだけ魔が差しただけなのに、違和感ばかりある学生と付き合う事になった話】
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