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翌朝、ナーサにイザベラのドレスやアクセサリーで着飾られたエルシャールは、突然の来訪者に固まった。
「こんにちは」
そういって微笑む男にエルシャールは呆気にとられる。
――ジェニエル・ウィンザーがどうしてここに?!
呆気に取られてエルシャールが茫然としていると、ジェニエルはニコニコとした笑顔のまま近寄って来た。
エルシャールの手を取り手の甲に挨拶をしてエルシャールを見上げる。
オレンジがかった金色の髪に、白い軍服と溌溂とした笑顔。
セージュをソレイユと取り合うもう一人の主人公がエルシャールの前に居た。
(流石王子様、圧巻のパフォーマンス……)
こんな所で発揮しなくても私はセージュじゃないのにと、思いながらエルシャールはソレイユとはまた違ったキラキラに朝から眩暈がした。
「殿下、突然何をしに来られたんです」
ジェニエルに取られていた手をソレイユがそれとなく外してエルシャールの前に現れると、背中しか見えないエルシャールにもわかるほど怒りを携えたソレイユが尋ねた。
そっと伺う様にエルシャールがソレイユに視線をやるとその顔は微笑んでいるのに阿修羅が住んでいるようだった。
「親友を迎えに来たんだが邪魔したか?」
「……昨日教えてくださればよかったでしょう」
ニヤニヤと、ソレイユを揶揄っているとわかる表情を浮かべて告げるジェニエル。
そんな彼に淡々と返事をしたソレイユは呆れたような溜息をついた。
「とりあえず、時間がないので行きましょう」
「おう」
ソレイユの態度を気にも留めない様子でジェニエルが返事をすると、ソレイユは先頭を歩き始める。
そんな彼の後を一歩遅れて追いかけるようにしてついて行くエルシャールにジェニエルは並ぶと話しかけてきた。
「聞いていたよりも随分と美しいですねエルシャール嬢」
目を合わせて微笑まれて、エルシャールは漸く自分がジェニエルに挨拶をしていない事に気が付いた。
許可があるまで王族の顔を直接見る事はタブーとされる世界で、どうすれば相手の機嫌を損ねないで済むかと考えた結果謝罪するしかないと思ったエルシャールの行動は早かった。
慌ててその場でドレスが汚れるのも気にせず膝をついて深く頭を垂れた。
「こんにちは」
そういって微笑む男にエルシャールは呆気にとられる。
――ジェニエル・ウィンザーがどうしてここに?!
呆気に取られてエルシャールが茫然としていると、ジェニエルはニコニコとした笑顔のまま近寄って来た。
エルシャールの手を取り手の甲に挨拶をしてエルシャールを見上げる。
オレンジがかった金色の髪に、白い軍服と溌溂とした笑顔。
セージュをソレイユと取り合うもう一人の主人公がエルシャールの前に居た。
(流石王子様、圧巻のパフォーマンス……)
こんな所で発揮しなくても私はセージュじゃないのにと、思いながらエルシャールはソレイユとはまた違ったキラキラに朝から眩暈がした。
「殿下、突然何をしに来られたんです」
ジェニエルに取られていた手をソレイユがそれとなく外してエルシャールの前に現れると、背中しか見えないエルシャールにもわかるほど怒りを携えたソレイユが尋ねた。
そっと伺う様にエルシャールがソレイユに視線をやるとその顔は微笑んでいるのに阿修羅が住んでいるようだった。
「親友を迎えに来たんだが邪魔したか?」
「……昨日教えてくださればよかったでしょう」
ニヤニヤと、ソレイユを揶揄っているとわかる表情を浮かべて告げるジェニエル。
そんな彼に淡々と返事をしたソレイユは呆れたような溜息をついた。
「とりあえず、時間がないので行きましょう」
「おう」
ソレイユの態度を気にも留めない様子でジェニエルが返事をすると、ソレイユは先頭を歩き始める。
そんな彼の後を一歩遅れて追いかけるようにしてついて行くエルシャールにジェニエルは並ぶと話しかけてきた。
「聞いていたよりも随分と美しいですねエルシャール嬢」
目を合わせて微笑まれて、エルシャールは漸く自分がジェニエルに挨拶をしていない事に気が付いた。
許可があるまで王族の顔を直接見る事はタブーとされる世界で、どうすれば相手の機嫌を損ねないで済むかと考えた結果謝罪するしかないと思ったエルシャールの行動は早かった。
慌ててその場でドレスが汚れるのも気にせず膝をついて深く頭を垂れた。
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