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第二の儀式 R-15
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「……ッ」
押したガランの手は優しかった。
レンも逃げられないと覚悟をきめてここにきたのどなにをされるのかは分かっていたのとで以前のような恐怖は感じないが、やはり衆人環視の中、行為を見られるのは
恥ずかしく、レンは顔を赤くし、ガランから顔を背けた。
「……」
ガランの行為に特に変わった点はない。
ただ、それは儀式が前回と全く同じだった場合だ。レンは2回目ということもあってか、前回よりもガランの行為は戸惑いを感じさせないものになっていた。
「……っ……ッ」
そのせいか、ガランがレンの体に触れるたびに体が反応してしまう。
そんな様子を楽しむかのようにガランの手つきはゆっくりとしたものだった。
レンがある程度反応したところでガランは既にもうベッド脇に置かれていた水差しらしきものに手を伸ばす。
それをガランは口に含み、飲み込まないまま唇を押し付けようとするガランをレンは制すようにガランの胸にてをやる。
「……それ、飲まなきゃ……ッ、ダメですか?」
「……」
仮面から見えるガランの唇が少しばかり震えた。
僅かな間だが、ガランが逡巡しているのが
わかり、レンは小声で言葉を付け加える。
「あ、あれ……、前飲んだら、気持ち悪くなって……、だから」
ガランだって、前回の儀式の後にレンが盛大に吐いたことを知ってはいるのだろう。
それならば、飲みたがらなくても理解はしてくれる。
そう思い、レンは「お願いします」と付け加えてガランに懇願する。
するとガランは口に含んでいたものをレンに口付けをする振りをして、レンの背後のシーツに吐き捨てた。
そのまま口付けをさせるが、ガランは上手く唾液もレンが飲まぬように配慮してくれる。
レンはほとんどその水差しの水は飲んで居ないが、周囲からはレンが飲んだと思ってくれるだろう。
ガランの唇が離れたとき、レンは薄く笑みをガランに見せる。
「……ありがとう、ございます」
レンは一言感謝の言葉を言うと、ガランの唇が少しだけ震えた。それを誤魔化すかのようにぐっとレンの唇に押し付けられる。
「っ!!」
先程よりも強い力のそれにレンは思わず目を開ける。
ガランの手がレンの頭を押さえつけ、逃げ場をなくしたレンはガランにされるがままだ。
最初はついばむような口づけだったのに、徐々にそれは深くなりガランの舌が侵入してくる。
「ッ!!……っ」
1週間ぶりに味わうその感触にレンは体を強張らせた。
そんな様子をガランは見下ろす集団から隠すようにしつつ、さらに深く口づけをする。
「っ……、ぁ」
息ができない苦しさと脳に響く水音のせいで、レンはガランの行為を受け入れる。
前回と同じ衆人環視での行為。目の端で自分を見る異様な動物の面の集団にレンは先程の水を飲めばよかったと少し後悔をした。
こんな異常な空間、正気にならない方がいいに決まってる。
だが、おかしくなる水は飲まされていない。レンは逃げるかのようにガランから与えられる刺激に意識を向けた。
「っ……」
長い口づけが終わりガランが唇を離すと、レンは肩で息をしながらガランを見上げた。
ガランは仮面をつけたまま、固く結ばれた口元がわずかに動き、埋めたレンの耳元で囁かれた。
「レン」
名前を呼んだだけのそれは喉から絞り出したようなか細いものであったが、ガランがそう言ったのだけははっきりと分かった。
それは暖かく、柔らかい響き。
こんな場でもそれは変わらないなんて。レンは泣きそうになるのを堪えつつ、ガランの名を呼ぶ。
「ガラ、ン」
「っ」
ガランはレンのその声を聞くと再び唇を押しつけるようにキスをしてきた。
まるで、レンがそれ以上喋ることを拒否しているかのようなそんな強引な行為の中、レンは目を閉じた。
舌から感じるガランの熱さが、その声が、匂いが全てがレンの身体を熱くさせていく。
「っ……ッ」
ガランはレンの服の中に手を滑り込ませる。その手は脇腹からゆっくりと上へと移動していき、そして胸へと到達する。
頂点を押すガランにレンの腰が揺れた。
しばらくまさぐるような動きのガランにレンは耐えるように目を閉じた。
それが数分続いた時だろうか。
しわがれた声がレンに降りかかる。
押したガランの手は優しかった。
レンも逃げられないと覚悟をきめてここにきたのどなにをされるのかは分かっていたのとで以前のような恐怖は感じないが、やはり衆人環視の中、行為を見られるのは
恥ずかしく、レンは顔を赤くし、ガランから顔を背けた。
「……」
ガランの行為に特に変わった点はない。
ただ、それは儀式が前回と全く同じだった場合だ。レンは2回目ということもあってか、前回よりもガランの行為は戸惑いを感じさせないものになっていた。
「……っ……ッ」
そのせいか、ガランがレンの体に触れるたびに体が反応してしまう。
そんな様子を楽しむかのようにガランの手つきはゆっくりとしたものだった。
レンがある程度反応したところでガランは既にもうベッド脇に置かれていた水差しらしきものに手を伸ばす。
それをガランは口に含み、飲み込まないまま唇を押し付けようとするガランをレンは制すようにガランの胸にてをやる。
「……それ、飲まなきゃ……ッ、ダメですか?」
「……」
仮面から見えるガランの唇が少しばかり震えた。
僅かな間だが、ガランが逡巡しているのが
わかり、レンは小声で言葉を付け加える。
「あ、あれ……、前飲んだら、気持ち悪くなって……、だから」
ガランだって、前回の儀式の後にレンが盛大に吐いたことを知ってはいるのだろう。
それならば、飲みたがらなくても理解はしてくれる。
そう思い、レンは「お願いします」と付け加えてガランに懇願する。
するとガランは口に含んでいたものをレンに口付けをする振りをして、レンの背後のシーツに吐き捨てた。
そのまま口付けをさせるが、ガランは上手く唾液もレンが飲まぬように配慮してくれる。
レンはほとんどその水差しの水は飲んで居ないが、周囲からはレンが飲んだと思ってくれるだろう。
ガランの唇が離れたとき、レンは薄く笑みをガランに見せる。
「……ありがとう、ございます」
レンは一言感謝の言葉を言うと、ガランの唇が少しだけ震えた。それを誤魔化すかのようにぐっとレンの唇に押し付けられる。
「っ!!」
先程よりも強い力のそれにレンは思わず目を開ける。
ガランの手がレンの頭を押さえつけ、逃げ場をなくしたレンはガランにされるがままだ。
最初はついばむような口づけだったのに、徐々にそれは深くなりガランの舌が侵入してくる。
「ッ!!……っ」
1週間ぶりに味わうその感触にレンは体を強張らせた。
そんな様子をガランは見下ろす集団から隠すようにしつつ、さらに深く口づけをする。
「っ……、ぁ」
息ができない苦しさと脳に響く水音のせいで、レンはガランの行為を受け入れる。
前回と同じ衆人環視での行為。目の端で自分を見る異様な動物の面の集団にレンは先程の水を飲めばよかったと少し後悔をした。
こんな異常な空間、正気にならない方がいいに決まってる。
だが、おかしくなる水は飲まされていない。レンは逃げるかのようにガランから与えられる刺激に意識を向けた。
「っ……」
長い口づけが終わりガランが唇を離すと、レンは肩で息をしながらガランを見上げた。
ガランは仮面をつけたまま、固く結ばれた口元がわずかに動き、埋めたレンの耳元で囁かれた。
「レン」
名前を呼んだだけのそれは喉から絞り出したようなか細いものであったが、ガランがそう言ったのだけははっきりと分かった。
それは暖かく、柔らかい響き。
こんな場でもそれは変わらないなんて。レンは泣きそうになるのを堪えつつ、ガランの名を呼ぶ。
「ガラ、ン」
「っ」
ガランはレンのその声を聞くと再び唇を押しつけるようにキスをしてきた。
まるで、レンがそれ以上喋ることを拒否しているかのようなそんな強引な行為の中、レンは目を閉じた。
舌から感じるガランの熱さが、その声が、匂いが全てがレンの身体を熱くさせていく。
「っ……ッ」
ガランはレンの服の中に手を滑り込ませる。その手は脇腹からゆっくりと上へと移動していき、そして胸へと到達する。
頂点を押すガランにレンの腰が揺れた。
しばらくまさぐるような動きのガランにレンは耐えるように目を閉じた。
それが数分続いた時だろうか。
しわがれた声がレンに降りかかる。
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