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夜景
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目を開けると、地上50階からの夜景がレンを出迎えた。
全面ガラス張りの壁から一望できる煌びやかな光景を見ながらレンは意識をゆっくりと覚醒させていく。
「んっ……」
ガランとの激しい行為の後、レンはそのまま眠ってしまっていたようだ。
清潔なシーツの上で、体は綺麗に清められている。ガランがやってくれたのだろう。
あんなにしてもまだレンの体を清める余裕があるとは。本当にガランの絶倫さには驚愕する。
当のガラン本人はどこかと暗闇に慣れた視界で周囲をゆっくりと見渡すと、扉の隙間から光が漏れているのを見つけた。
「……向こうか」
このホテルのスイートルームは寝室とリビングルームが直接繋がっている構造になっている。
ガランは扉の向こうのリビングルームにいるのだろう。
レンはベッドから降り、扉の方に向かった。
扉を開けると、目に入って来たのはレンの身長程の幅のテレビから流されているバラエティ番組だった。
『女と男ってやつは、難しいものさ! 私の愛人のリンダって女がこれがまたーー』
「……」
このバラエティ番組は子供が寝る時間にやるもので、少々低俗なものだ。子供が見たいと言ったら親は確実にいい顔をしない。
だが、子供にとってはそれが逆に刺激的で面白いらしく、レンの両親が運営する児童養護施設の子供たちも禁止されているのをわかっていながらベッドを抜け出し、夜中こっそり見ている子供も多いと以前両親が苦笑混じりに話していた。
それほど面白いのかと思いレンも1度見たことがあったが、あまり面白みは感じなかった。
その番組をガランは珍しく熱心に見ていた。しかも、時折テレビの笑い所に合わせたタイミングで笑い声も上げている。
普段、完璧にスーツを着こなし、隙のない佇まいを崩さないガランはこういったバラエティ番組を好んで観るのだ。
いつ見ても昼間の完璧な姿から想像できないギャップであろう。
見た目だけなら真面目なニュースや経済番組を観ていそうなものなのに、このテレビからそういったものは流れたことはない。
「ガラン」
レンはテレビを楽しんでいるガランに少々申し訳ない気持ちで声を掛けた。
ガランはこちらをすぐに向き、少し驚いた顔をした。
もう少しレンが寝ていると思ったのだろう。
「あの……、パジャマ、ありがとうございます。体も、洗って下さって」
レンは寝ている隙に着させられていたパジャマの裾を持ちながらガランに礼を述べる。
元に着ていた服はもうホテルのスタッフに回収されて洗濯をされている頃だろう。
朝には丁寧にアイロンがけされた服が部屋の玄関のような所に置いてあるはずだ。
「体は? 辛くないか?」
ガランはそう言いながら、レンの元にやってきて頭を撫でる。
その手つきはまるで恋人を労る優しいもの。
確かに今日の行為は激しかった。誘ったのは自分なのでガランを咎めるつもりはないのだが、ガラン本人はやりすぎたと思っているのだろう。
「……」
レンはそのガランの優しい手に甘えるように頬を擦り寄せる。
その姿は猫のようとガランに以前言われた。その素直になりきれないところが好きなのだとも。
ガランの方を見上げると、シャワーを浴びたであろうガランは行為前の整えられていた姿ではなくなっていた。
オールバックの姿では見られなかった前髪が姿を現し、大人の魅力から一転、子供のようなあどけなさも感じさせられる。
ギャップ、というやつだろうか。
本当に、ガランは完璧だ。
恋人に対しても完璧な姿を見せるガランは優しげな声色でレンに問う。
「腹は? 何か食べるか?」
「あっ……はい、す、空いています」
「わかった」
ガランはレンに冷蔵庫から出した水を渡し、テレビを消し部屋に備え付けられた内線電話を手に取る。
ルームサービスを頼むガランの声を聞きながら、レンはさんざん声を出し喘いだ喉を潤すために渡された水を一気に飲み干した。
全面ガラス張りの壁から一望できる煌びやかな光景を見ながらレンは意識をゆっくりと覚醒させていく。
「んっ……」
ガランとの激しい行為の後、レンはそのまま眠ってしまっていたようだ。
清潔なシーツの上で、体は綺麗に清められている。ガランがやってくれたのだろう。
あんなにしてもまだレンの体を清める余裕があるとは。本当にガランの絶倫さには驚愕する。
当のガラン本人はどこかと暗闇に慣れた視界で周囲をゆっくりと見渡すと、扉の隙間から光が漏れているのを見つけた。
「……向こうか」
このホテルのスイートルームは寝室とリビングルームが直接繋がっている構造になっている。
ガランは扉の向こうのリビングルームにいるのだろう。
レンはベッドから降り、扉の方に向かった。
扉を開けると、目に入って来たのはレンの身長程の幅のテレビから流されているバラエティ番組だった。
『女と男ってやつは、難しいものさ! 私の愛人のリンダって女がこれがまたーー』
「……」
このバラエティ番組は子供が寝る時間にやるもので、少々低俗なものだ。子供が見たいと言ったら親は確実にいい顔をしない。
だが、子供にとってはそれが逆に刺激的で面白いらしく、レンの両親が運営する児童養護施設の子供たちも禁止されているのをわかっていながらベッドを抜け出し、夜中こっそり見ている子供も多いと以前両親が苦笑混じりに話していた。
それほど面白いのかと思いレンも1度見たことがあったが、あまり面白みは感じなかった。
その番組をガランは珍しく熱心に見ていた。しかも、時折テレビの笑い所に合わせたタイミングで笑い声も上げている。
普段、完璧にスーツを着こなし、隙のない佇まいを崩さないガランはこういったバラエティ番組を好んで観るのだ。
いつ見ても昼間の完璧な姿から想像できないギャップであろう。
見た目だけなら真面目なニュースや経済番組を観ていそうなものなのに、このテレビからそういったものは流れたことはない。
「ガラン」
レンはテレビを楽しんでいるガランに少々申し訳ない気持ちで声を掛けた。
ガランはこちらをすぐに向き、少し驚いた顔をした。
もう少しレンが寝ていると思ったのだろう。
「あの……、パジャマ、ありがとうございます。体も、洗って下さって」
レンは寝ている隙に着させられていたパジャマの裾を持ちながらガランに礼を述べる。
元に着ていた服はもうホテルのスタッフに回収されて洗濯をされている頃だろう。
朝には丁寧にアイロンがけされた服が部屋の玄関のような所に置いてあるはずだ。
「体は? 辛くないか?」
ガランはそう言いながら、レンの元にやってきて頭を撫でる。
その手つきはまるで恋人を労る優しいもの。
確かに今日の行為は激しかった。誘ったのは自分なのでガランを咎めるつもりはないのだが、ガラン本人はやりすぎたと思っているのだろう。
「……」
レンはそのガランの優しい手に甘えるように頬を擦り寄せる。
その姿は猫のようとガランに以前言われた。その素直になりきれないところが好きなのだとも。
ガランの方を見上げると、シャワーを浴びたであろうガランは行為前の整えられていた姿ではなくなっていた。
オールバックの姿では見られなかった前髪が姿を現し、大人の魅力から一転、子供のようなあどけなさも感じさせられる。
ギャップ、というやつだろうか。
本当に、ガランは完璧だ。
恋人に対しても完璧な姿を見せるガランは優しげな声色でレンに問う。
「腹は? 何か食べるか?」
「あっ……はい、す、空いています」
「わかった」
ガランはレンに冷蔵庫から出した水を渡し、テレビを消し部屋に備え付けられた内線電話を手に取る。
ルームサービスを頼むガランの声を聞きながら、レンはさんざん声を出し喘いだ喉を潤すために渡された水を一気に飲み干した。
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