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3人の裏
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「最近のユウヤ、変だよな」
アリユキが言った言葉にシュウとリクは同時に顔を上げた。
「土日に泊まるようになったけど、セックスは嫌がっているみたいだし」
シュウは先ほどのユウヤの姿を思い出した。
汚れた制服を疲れきった体で身に着けふらつきながら帰っていったあの小さな後ろ姿。きっと今頃は住まいに帰ったころだろう。あの到底体が休まるとは思えない部屋に。
「なんか目も少し違うような気がしたんだよな。俺らに黙って休んだ時以来。中野から呼び出された時になにか言われたとか?」
「俺には全く変わらないように見えるがな。いつものみすぼらしい奴にしか見えない」
「そうかなぁ。シュウ、どう思うよ?」
アリユキは動物的な感覚が優れているようで、こういったときの洞察力はシュウに唯一勝てる分野だ。
理論派のリクはそのアリユキの直感には昔から懐疑的で、その言葉を鼻で笑うことが多い。
だが、それよりさらに付き合いの長いシュウはアリユキのこの言葉に対しては一考するようにしていた。
少しの間の後、シュウはアリユキとリクに言う。
「言われれば、確かにそうかもしれない」
シュウにとってユウヤは幼い時から抱えている加虐心を発散させるための道具に過ぎない。
それだけを満たせば良いのであまりユウヤに対しての興味が無いというのが正直なところだ。
「……まさか、俺らの事を誰かに言うつもりじゃ」
シュウの言葉に、リクは肯定しつつも顎に手を当て考え込む。
それを笑い飛ばしたのはアリユキだった。
「え? まさかぁ」
心配性のリクの言葉をアリユキは笑い飛ばす。
自分たちがユウヤに対し行っていることは世間一般的には到底許されることでは無い。外部に漏れてしまえば、大問題になることはシュウ達はもちろん理解している。
だからこそ、親元から離れて暮らし、性格も物静かなユウヤをターゲットにしたのだ。ユウヤが自分たちに逆らえばどうなるか、それが自分たちだけではなくユウヤ自身のためにもならないことをユウヤはよくわかっている。
「ユウヤが俺らの事をいって何の得があるんだよ。ばれたら親にばれて、学校辞めさせられるだけろ。それされてあいつに何のメリットがあるんだよ」
「……」
アリユキがそう言っても、リクの険しい表情はかわらない。
そんなリクを見て、シュウは内心流石は学年上位の秀才だと半分バカにしながらも褒める。
そもそもそれが怖ければ、ユウヤへの行為を辞めればいいのだ。
現にリクは暴力は加わることは無いものの、ユウヤに対しての性行為については率先して行っている。
怖ければそもそも参加しないか、何も考えていないアリユキに全てさせればいいのに、それをせずにただ自分の心配だけするのは愚かだ。
「……俺らには関係がない話だ。俺らは変わらずあいつを使えばいい」
「ま、そりゃそうだな」
アリユキがシュウの言葉に頷く。
リクも、ユウヤへの行為を辞めるという選択肢がないようで、途中悩んだ素振りを見せたが最終的には頷いた。
シュウは再度ユウヤの姿を思い出す。
初めは暴力も、性行為も泣いて嫌がっていたユウヤが今では暴力では耐えることを覚え、性行為は快楽に喘ぐことも多くなった。
いずれ、シュウに対して全ての生殺与奪の権利を渡して来ることだろう。
そうしたら何をしてやるか――、シュウの口元が不気味に横に歪んだ。
アリユキが言った言葉にシュウとリクは同時に顔を上げた。
「土日に泊まるようになったけど、セックスは嫌がっているみたいだし」
シュウは先ほどのユウヤの姿を思い出した。
汚れた制服を疲れきった体で身に着けふらつきながら帰っていったあの小さな後ろ姿。きっと今頃は住まいに帰ったころだろう。あの到底体が休まるとは思えない部屋に。
「なんか目も少し違うような気がしたんだよな。俺らに黙って休んだ時以来。中野から呼び出された時になにか言われたとか?」
「俺には全く変わらないように見えるがな。いつものみすぼらしい奴にしか見えない」
「そうかなぁ。シュウ、どう思うよ?」
アリユキは動物的な感覚が優れているようで、こういったときの洞察力はシュウに唯一勝てる分野だ。
理論派のリクはそのアリユキの直感には昔から懐疑的で、その言葉を鼻で笑うことが多い。
だが、それよりさらに付き合いの長いシュウはアリユキのこの言葉に対しては一考するようにしていた。
少しの間の後、シュウはアリユキとリクに言う。
「言われれば、確かにそうかもしれない」
シュウにとってユウヤは幼い時から抱えている加虐心を発散させるための道具に過ぎない。
それだけを満たせば良いのであまりユウヤに対しての興味が無いというのが正直なところだ。
「……まさか、俺らの事を誰かに言うつもりじゃ」
シュウの言葉に、リクは肯定しつつも顎に手を当て考え込む。
それを笑い飛ばしたのはアリユキだった。
「え? まさかぁ」
心配性のリクの言葉をアリユキは笑い飛ばす。
自分たちがユウヤに対し行っていることは世間一般的には到底許されることでは無い。外部に漏れてしまえば、大問題になることはシュウ達はもちろん理解している。
だからこそ、親元から離れて暮らし、性格も物静かなユウヤをターゲットにしたのだ。ユウヤが自分たちに逆らえばどうなるか、それが自分たちだけではなくユウヤ自身のためにもならないことをユウヤはよくわかっている。
「ユウヤが俺らの事をいって何の得があるんだよ。ばれたら親にばれて、学校辞めさせられるだけろ。それされてあいつに何のメリットがあるんだよ」
「……」
アリユキがそう言っても、リクの険しい表情はかわらない。
そんなリクを見て、シュウは内心流石は学年上位の秀才だと半分バカにしながらも褒める。
そもそもそれが怖ければ、ユウヤへの行為を辞めればいいのだ。
現にリクは暴力は加わることは無いものの、ユウヤに対しての性行為については率先して行っている。
怖ければそもそも参加しないか、何も考えていないアリユキに全てさせればいいのに、それをせずにただ自分の心配だけするのは愚かだ。
「……俺らには関係がない話だ。俺らは変わらずあいつを使えばいい」
「ま、そりゃそうだな」
アリユキがシュウの言葉に頷く。
リクも、ユウヤへの行為を辞めるという選択肢がないようで、途中悩んだ素振りを見せたが最終的には頷いた。
シュウは再度ユウヤの姿を思い出す。
初めは暴力も、性行為も泣いて嫌がっていたユウヤが今では暴力では耐えることを覚え、性行為は快楽に喘ぐことも多くなった。
いずれ、シュウに対して全ての生殺与奪の権利を渡して来ることだろう。
そうしたら何をしてやるか――、シュウの口元が不気味に横に歪んだ。
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